「誇」-URAWA REDS-
共に…
 



毎年避けては通れないものだけれど、
寂しい日なんだよね。

11月30日。
今年は誰がチームを去ることになるんだろう。
福岡戦の結果如何では、
それすらも明らかにされなかったかも知れなかったんだよね。

年齢や怪我の具合、出場試合数やクラブの方針。
もしくは本人の希望。
理由は様々だけど、
共に戦った来た仲間がいなくなるのは辛いよ。

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現地集合、現地解散。
僕らはいつもそうなのに、通路を挟んで隣り合わせ。
「じゃあ、タクっちゃおう!」
空港から博多の森まで900円。
「正面に入れてくれるんだ」
「何かいい感じだね」
前回もその前も、多分その前も歩いて来たから
とても新鮮な感じ。
「いつ以来だっけ?」
「水曜日だったよね?」
「あの年って2回来なかったっけ?」
思い出せないほど、来てなかったんだね。

GK加藤
DF平川・坪井・永田・野田
MF啓太・柏木・マルシオ・梅崎・原口
FWセルヒオ
リザーブ山岸・スピラ・暢久・小島・原一樹・マゾーラ・達也
仙台戦と全く同じメンバー。
今更何も弄れない、このメンバーで戦い抜くという決意の表れか。
勝てば決まる、決めることが出来る。
未来を紡ぐための大事な、大事な試合。
いつものように腕を捲る。
「寒いけど、跳ねれば関係ないか」

「慎重なのかな、どうなのかな」
動きがぎこちない浦和。
やや深い位置から一気に攻め上がる福岡。
「それって、ウチがやりたいことだよな」
無理して繋がず、ロングボールで裏を狙う。
「意識してやってるんだろうな」
これまでとは様相が異なる展開。

セルが粘る、マルシオに折り返す。
「打てる!」
シュートはクロスバーの上。
「そんなに強くないはずなのにな」
パスを繋がれる、クロスを入れられる。
「右を破られるってどうなってるんだ?」
ヒラと坪井。
一番信頼出来るラインのはずなのに。

「誰だ?」
選手が倒れている。
「マルシオ!?」
福岡の厳しいチェック、乗り切れない。
冷え込むスタジアム、寒い。

DFの裏を突くセルヒオ。
「交わせ!」
GKと交錯。
「PK?」
倒れたまま動かないセル。
「大丈夫か?」
「自分で×だしてない!?」
平たいスタジアム、見辛い。
「痛いな、これは」
28分、セルヒオout達也in。
福岡寄りの流れ、不慮の選手交代。
得点の匂いがしない。
「ヤだな、ちょっと…」

右サイドを破られる。
「またか…」
細かいパスを繋がれる、翻弄されるDFライン。
32分、福岡先制1-0。
「・・・・。」
勝ちに来たはずなのに。
「1点返す力、ウチにあるのかな」
こんな気持ちじゃいけない。
分かっているのに、闘志が漲らない。

達也が裏に抜け出す。
副審の旗が上がる。
「1トップは厳しいんじゃないかな」
仕掛けない原口、絡めないマルシオ。
「なかなか上手く行かないな」
福岡の波状攻撃、守備に追われる浦和。
「しっかり、落ち着いて」

アディショナルタイム2分。
「後半、立て直さないとヤバいな」
平川のクロス、達也が飛び込む。
「やった!」
45+2分、浦和同点1-1。
「誰?」
「柏木だ!」
動きの鈍い選手が多い中、孤軍奮闘し続けた柏木の得点。
「これで何とかなる、きっと何とかなる」
希望の光を、柏木が灯してくれた。

前半終了、福岡1-1浦和。

「寒い、着ることにするよ」
風邪を引き、漸く熱が下がったばかり。
悴む手が青白い。

「またかよ」
マルシオが倒される。
「カード出してもいいんじゃないの?」
主審は家本氏。
繋ぐ福岡、決め手のない浦和。
「圧されてるんだよな」
楽な戦いはないと、目の前のピッチが語っている。
「頑張れ、頑張ろう」
気持ちだけが、支えだった。

左サイドを破られる。
「危ない!」
ポストを掠めていくボール。
相手の決定力不足に救われる。

中央深い位置からパスが通る。
「ウメ!ウメ!ウメ!」
梅崎がGKと1対1に。
「あっ!」
後ろから引っ掛けられる、主審がPKを宣告する。
「レッドだ!」
「誰が蹴るんだろう?」
「マルシオが蹴れればマルシオか」
「決まれば勝てる、決まれば勝てる」
残留まで、あと少し。
膝に手を当て、人垣の隙間からボールを凝視する。

「決まった!」
左隅に収まるボール。
仲間たちとタッチを交わす。
「え、何で?」
やり直し。
「家本だからな…」
「原口がPA内に入ったから?」
「GKは、動いてたかな?」
仕切り直し。
「どうする、マルシオ」
大きく息を吸う。
もう一度、集中する。

「決めてくれ」
左に飛ぶボール、ネットに突き刺さる。
63分、浦和逆転1-2。
「よし!」
小さく拳を握る。
「さあ、集中しよう」
これで勝てる、もう1点取れば決まる。
いや、このままでいい、このまま逃げ切ろう。
あと30分で、苦しかった日々から解放される。

攻める浦和、堪える福岡。
「1人多いのになぁ」
なぜこの順位に甘んじているのか。
突き放せない、カウンターを喰らう。
やはりウチは、弱い。
「どうするんだろう、代えないのかな」
刻々と過ぎる時間、
セットプレーもミドルシュートも決まらない。
86分、達也out原一樹in。
「達也なのか、一杯だってことだよな」
苦しい、何とか逃げ切りたい。
掠れる声、跳ねても跳ねても温まらない身体。

アディショナルタイム4分。
「あと少しだ、もうちょっとだ」

こーなー付近、粘る柏木。
「バツ出してるぞ…」
90分+3分、柏木out暢久in。
「暢久か、暢久なら大丈夫だ」
やっと終わる、やっと解放される。
「まだか、まだか」
笛が待ち遠しい。

主審の手が挙がる。
試合終了、福岡1-2浦和。
膝の力が抜ける、身体に血液が流れだす。
「柏木、ありがとう」
大きな拍手で選手を迎える。
「でも、ここまでにしよう」
当たり前の結果、諸手を上げて喜ぶものじゃないから。
早々にスタジアムを抜ける。
遠くに聞こえる凱歌。

坂道を下る足取りが、妙に軽かった。



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優勝、決まらなくて良かった。
決まった後、ウチは日立台で圧勝したんだよね。
決めるまでのプレッシャーから解放されて、
見事な勝ちっぷりだった。

降格の恐怖も、優勝への緊張も、
きっと同じなのかな。
これでウチにも勝つチャンスが少しだけ、
多くなったって思うんだ。

最終戦だけは帳尻を合わせるチームだったのに、
近年は酷いからね。
そろそろ意地、見せて貰わないと。

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あれからどれくらい成長したのかな。

真っ白になったあの時から12年。

こんなに辛くて長いシーズンが訪れるとはね。


それでも僕等は踏みとどまった。
何を残すことが出来たのか、
何も残すことが出来なかったのか。

答えは見つからないまま。

しっかり!

落ち着いて。


歩み続けよう。

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縁起は担がない。


他人に頼らない。


自分の力で、自分を信じて。

ずっとそうだったけど。

今年は辛くて、
何かに縋りたくて。

それなら。
この選手と共に戦いたい。
わざわざ買いに行ったんだ。



良かった。
膝の力が抜けたよ。

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こんなに人がいる福岡って、初めてかな。

どうも違和感があるよ。

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小さなグループが、出会いを経て少しずつ大きくなって。
きっかけは、
愛鷹だったり駒場のサブグランドだったり。
ネットで知り合う仲じゃないのは珍しいって、
あるジャーナリストに言われたことがあるけれど、
僕らにはそれが当然なことで。
だって、みんなスタジアムにいるんだもの。

記念写真に納まっているのに、
その時はまだ他人。
それが数時間後には仲間になっていたなんて、
知る由もなかったよ。

森さんに初めてお目にかかったのも、
浦和じゃなくて福岡だったんだよね。
今の僕らがこうなったのも、福岡が始まりだったんだ。
「○○に入れてください」
なんて挨拶する人なんて、ひとりもいない。
(あ、ひとりいた!)
いつの間にか一緒になってる。
田舎に帰っても転勤しても、仲間は仲間。
育児や仕事でたまにしか来れなくなっても、仲間は仲間。
だから、週末は楽しい。

それを齎してくれたのは『浦和』。
苦しい時も辛い時も、
灼熱の中東も、渇いた済南も、
浦和があったから経験できた。
チームが苦しんでいるなら、共に苦しみ、頑張るだけ。
仲間がいるから、大丈夫。


福岡で、決める。
僕にとって特別な思いがある場所だから。
下を向くことが多かったシーズン。
再び前を向いて進めるように。


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今度は岡ちゃんか。
どちらも動いているのは事実なのかな。
とすると、
日本人監督で、実績があって、
現場の実権を掌握出来る人物に任せたい。
ということになるのかな。

どんなサッカーをして、
どんなスタイルでやるのか。
今いる選手の特長、
今指向しているサッカー、
アカデミーが目指しているサッカーとの融合性。
このあたりはあまり考えていないということか。
金がないなら現有戦力を生かすしかないんじゃないのかな。

有名な人なら任せて大丈夫、
そうじゃないんだよな。
「GM的な仕事もこなせる監督を」
ほんとかな?
監督に丸投げって聞こえるんだけど、
気のせいだよね。

僕らが求めているのは、
短期的に強いチームでもなく、
目先の1勝でもないんだ。
信じることが出来る『未来』が欲しいんだ。


「堀くんには(続投の話を)していません」


本当に社長が記者に話したのかな。
ニュアンスも記事の通りだったのかな。
戦っている監督に、来期の話はしないだろう。
例えしていたとしても、明らかにはしないだろう。
ぶら下がりの時、言葉尻を掬われただけだと信じたいね。

[追記]
ここでリークされるのはやむを得ないけど、
せめて社長には
「次の試合に集中します」
とだけ言い張って欲しかったな。


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ラッキーなのか。

それとも何かのフラグか。

まさか、手も足も・・・じゃないよね?

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愚痴っても仕方ないけれど。
使われなければ「返せ!」と思ったに違いないのだけれど。

存在感を示してくれた直輝。
まさか顔を踏まれるとは。
一度ピッチに戻ったから、大丈夫だと思うけど。
もし今後に影響する怪我に繫がるとしたら。

これだから。
これがあるから怖いんだよね。


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裏を取っているのかな。
きっちりと長い記事。
かなり高い確率で動いていると判断して良さそうな気がするよ。
選手の移籍と違って、
指導者は情報が洩れても線が消えることはあまりないし。
内部の誰かがリークしたんじゃなくて、取材力の賜物じゃないかなぁ。

柏の時もG大阪の時も、ある程度の“血”を流したから。
もしそうであるならウチはまた、血を流すことになるのか。
どちらでもタイトルを獲得し、長期間指揮を取っているけれど、
最初からいい成績を残してはいない。
G大阪の監督に就任して2、3年目あたりまでは
「辞めろ!」という声も多かったんだよね。
そこでクラブが辛抱して支えたから、
今の成功があることを忘れてはいけない。

ウチはまず、ここが問題だ。
クラブだけじゃなくて、僕らを含めてね。
誰が監督になろうと、どんな戦い方をするにしても、
ブレないこと、慌てないこと、徒に騒ぎ立てないこと。


噂になると「誰が漏らした」と騒ぎ、
噂にならないと「動いているのか」と訝しむ。
じゃあ、どうすりゃいいのさ。
そんな風にクラブが悩んでいるとしたら、
そっちの方が重症だけどね。

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鉛色の空、黒い路面、ぽつぽつと降る雨。
「雨ね、雨か」
降ってくれたらいいのにと思ってた。
埼スタには雨が似合う。
雨は、やってやろうという気分にさせてくれる。



「そうだ、それでいいんだ」
右サイドを梅崎が突破、そのままミドルシュート。
手堅く守ってカウンター。
相手のやり方は分かっている。
「打つなら思い切り打てばいいんだ」
3分、マルシオに警告。
「これが基準だな」
主審は扇谷氏。

しっかり回す浦和、綻びを狙う仙台。
右クロスにセルヒオが反応。
「惜しい!」
シュートはポストの右。
降り続く雨、体温が奪われる。
「跳ねても温まらないのかよ」
滑るピッチはウチが有利か、それとも縦に速い仙台が有利か。
「しっかり、落ち着いて」
高い位置でボールを奪うと、一気に攻めてくる。
「やっぱり、こうなんだな」
攻め急がない、急がせない。
騒々しい雑音のないスタンド。
「やっと消えたか」
苦境に堕ちた原因のひとつは、僕らにもある。

しっかり回す、リスクを負わない。
回されてるんじゃない、回してるんだ。
「セル!!」
角度のない所からセルヒオが反転。
「チッ!」
シュートはバーに嫌われる。
「悪くない、我慢してれば取れるぞ」
明らかな手ごたえを感じる。
「やっぱり啓太がいると違うな」
引き締まる守備、ボールを受けに戻る柏木、マルシオ。
「これなら大丈夫だ」

44分、梅崎が倒される。
相手MFに警告。
「やっと出したか…」
審判が目立たない試合になれば。

前半終了、浦和0-0仙台。

「雨、強いね」
試合中は意識していなかった寒さが身に沁みる。
帽子が重い、シャツが冷たい。
濡れた腕、ぐしゃぐしゃの靴。
全ては勝つための“おまじない”。

浮き球が上がる。
「打てるか!?」
セルを追い越す、合わない。
「ヒラだよ、上がってたの」
攻略の足掛かりを掴む浦和。
「何すんだよ!」
南側、坪井に対し後ろからチャージ。
「赤でもいいんじゃないの?」
起き上がれない相手選手。
「自爆じゃねーか」
1人少ない仙台。
「今がチャンスだ!」
梅崎のロング、セルのシュート。
「決められないか…」
60分、仙台選手交代。
「そうは上手く行かないか」

激しさを増す雨。
「ピッチ相当悪いな」
水溜りに勢いを削がれるボール。
パスが上手く繫がらない。
「ドリブルも厳しいかな」
仕掛けない原口、速いパスが繰り出せない。
「原口を諦めた方がいいんじゃないのかな」
小さなミスを狙う仙台。
坪井が立ち塞がる。
「凄いよ…」
ウチにはまだ、こんなにいい選手がいる。

72分、セルヒオout達也in。
「頼む、頼むぞ達也」
FWなら、きっとやってくれる。
達也なら、決めてくれる。
「勝負だ!」
副審の目の前、達也が倒される。
「はぁ?逆だろ?」
判定は仙台ボールのFK。
80分、啓太に警告。
「異議か…」
微妙な競り合い、判定は浦和に微笑まない。

「柏木!」
マイナスのクロスに達也が合わせる。
「打て、打て、打て!」
ポストの右に外れる。
「もうちょっとなのに…」
1点が遠い。
「あれ、甲府負けてるのかな」
慎重なベンチ、アップを続けるマゾーラと原一樹。

86分、梅崎out原一樹in。
「どっちだ、決めるのか、守るのか?」
濡れたピッチに巻かれ、繫がらないパス。
「一発も怖いし…」
「甲府が負けてるなら、ドローでもいいんだけど」

アディショナルタイム3分。
勝ちたい、負けたくない。
どうしてもJ1にしがみつきたい。
強い雨、痺れる手。

試合終了、浦和0-0仙台。

「どうなの?」
「甲府負けた」
「そっか、助かった…」
やっとひとつになれた。
やっと、全員で戦う雰囲気が整った。
「福岡で、決めて帰って来るから」

緩んだ靴紐をギュッと縛り直した。

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鹿島に挑む時と同じ感情かな。
“ライバル”と呼んでも対戦成績は一方的。
それでもずっと“最大の敵”。

前線の3人が上手く絡み合い、先制。
素早い出足と2列目以降の強烈な押し上げに苦戦したけれど、
個人の力でもまだまだ追い付かない面もあったけれど、
90分間、守り切っての勝利。

全日本女子は、順当に勝ち上がれば準決勝で対戦する。
ウチは伸び盛りの若いチーム。
内容の「差」は、まだ縮まるはずだよ。

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冷たかった、寒かった。
雨だから、何かが起こると思ってた。
雨は何かを変える力があると思ってた。

ベンチの采配から、甲府の戦況を感じることが出来た。
その期待に、選手たちが必死に応えた。
焦らず、焦れずに、落ち着いて。
激しく、強く、ひとつになって。
水輝の残した言葉も、有効だったのかな。
訳の分からない罵声も、殆どなかった。

今年初めてかな、
埼スタで、全員で戦ったのは。
貴重な勝ち点「1」。

決して楽な相手じゃないことは分かってる。
浅野が監督だもんな。
簡単にはやらせてもらえないよ。

でもね。
次、決めて帰浦するから。


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勝つためだけにここに来た。

己の欲望のため、快楽を貪るため。


懸命に戦う選手を鼓舞し、狂ったように叫ぶのも、
浦和がなくてはならないものだから。

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