アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

「ジリ弁識能力」の、「ジリ」って何?

2012年06月10日 | Weblog
 身動きもままならず、もの忘れが激しい80歳を過ぎた人(以下、不動忘却さん)がいるとします。不動さんは、お金持ちで大地主。この不動さんの土地に買い手が現れた。地主の不動さんは、すでにわけが分からなくなっている。買い手の言いなりで、サインしてしまうかもしれません。こんな時どうする?成年後見人が売買手続きをすることになります。

 「青年後見人」じゃないのかって?未成年に対する成年ですから、青年後見人は間違いです。
 成年後見人制度は、判断能力が十分ではない人が円滑に社会生活を営めるように援助するための権利擁護の制度です。
 その制度とアンティークマンがどんな関係があるかって?いつ関わりが出来るようになるか分からないので、研究会に出席したのです。90分の講義の最中、二度も居眠りをしてしまいましたがね。

 本人の判断力が全くない場合→「成年後見人」が援助する。
 本人の判断力が、著しく不十分な場合→「保佐人」が援助する。補佐人ではなく、保佐人なのです。
 本人の判断力が、不十分な場合→「補助人」が援助する。
 初めて知ることばかりで、大変勉強になりました。居眠り中だって、「睡眠学習」をしていましたよ!

 判断力は、「財産管理について」のみが、審査の対象となる…この時、講師の弁護士さんの口から出た言葉が、「ジリベンシキノウリョク」。
 「弁識能力」は、私にも解る。し、しかし、「ジリ弁識能力」って何?
 1 財産管理だから、「自利弁識能力」?
 2 下の世話のことがあるので、「尻弁識能力」?
 3 法曹界の言葉だから、「事理弁識能力」?
 「ジリベンシキノウリョク」は、「事理弁識能力」でした。分かってしまうと、「なーんだぁ!」…。

 不動忘却さんの財産を狙っている親族がいるとします。この親族には、不動忘却さんの死後に遺産が入るのですが、早くお金がほしい…。それで、成年後見人になって不動さんのお金を使おうと企みました。この企み、裁判所が見抜き、不動さんの成年後見人を、親族ではなく、弁護士にしました。

 「よかったね」だって?それが…あまり良くない。後見人になった弁護士は、無駄遣いをしないでしょうから、不動さんの財産は必要な分しか…つまりあまり使われないからたくさん残る。結局財産を狙った親族に、その残ったたくさんのお金が入る…!
 しょうがないだろうって?しょうがないんだけど…釈然としないんだよなあ…。

 それにしても、言葉が難しい。「事理弁識能力」のほか、「保佐人」が出てきたり、「コウケン」だって、「後見」「貢献」「高検」…。
 さて、成年後見人に関し、「本人に意識障害があり、日常の会話もできないようなジョウタイであれば…」という文が出てきます。「ジョウタイ」に当てはまる漢字を書きなさい。「状態」「情態」「常態」…正解は、「常態」です。
 えっ?「上体も上腿もあるだろう」って?あのね!「日常の会話も出来ない上体」って何?!