おりおん日記

電車に揺られて、会社への往き帰りの読書日記 & ミーハー文楽鑑賞記

「舞台裏おもて 歌舞伎・文楽・能狂言」 吉田蓑助他監修

2008年03月07日 | Weblog
「舞台裏おもて 歌舞伎・文楽・能狂言」 吉田蓑助他監修 マール社 (08/03/04読了)

小難しい解説書ではありません。タイトルは「裏おもて」となっていますが、この本がステキなのは「裏」を思いっきり、気持ちよく見せてくれているところです。劇場に足を運べば(手抜きなら、教育テレビの劇場中継なんかでも)、舞台の上のできごとは簡単に見ることはできますけど、舞台が始まるまでの準備の様子がカラー写真付きで、克明に記録されているのです。「克明に記録」と言っても、淡々としたルポルタージュではなくて、ま、ちょっとしたファンの目線で楽しく見せてくれています。
私のお目当ては「文楽」の項目。監修は吉田蓑助さんなのですが、憧れの勘十郎さま(人形遣い)にスポットを当てて、舞台で使う人形に着物を着けていく様子が、何枚もの写真でちゃんとわかるようになっているのです。しかも、着付けのためのお道具袋の写真もあり。舞台での勘十郎さまはキレ味いい雰囲気でカッコイイのですが、舞台に上がる前も、たたずまいが美しく、ステキな人っ!!!! ってことが伝わってきました。
私の贔屓目もあるかもしれませんが、歌舞伎や能狂言よりも「文楽」の項目は、わかりやすく、楽しくできているような気がしました。

「真夜中のマーチ」 奥田英朗

2008年03月07日 | あ行の作家
「真夜中のマーチ」 奥田英朗著 集英社 (08/03/06読了)

 この1-2カ月ですっかり奥田英朗ファンになってしまった私ですが…初めての「イマイチ」でした。というか、なんとなく、波に乗り切れないまま、読みわっちゃったなぁ。恩田睦の「ドミノ」とちょっと似ています。次々と色々なことが起こるので、とりあえず、読み進みはするものの「で? だから?」みたいな気分。登場人物の誰の気持ちにもシンクロできなかったのかもしれません。
 こういうジェットコースターものよりも、ちょっと息苦しさを感じているサラリーマンの気持ちにスルリと入り込むような作品の方が奥田英朗の本領が発揮されるような気がします。