おりおん日記

電車に揺られて、会社への往き帰りの読書日記 & ミーハー文楽鑑賞記

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「声に出して笑える日本語」 立川談四楼

2009年05月26日 | た行の作家
「声に出して笑える日本語」立川談四楼著 光文社知恵の森文庫(09/05/26読了)

声に出して笑うほどではないけれど、電車の中で読むのはちょっと危険かもしれません。
昨晩、終電の中で、一人、ニヤけてしまいました。微塵も酔っ払っていないのに、きっと「いい気分になって薄ら笑っている人」に見えただろうなあ…。

 言い間違い、読み間違いもまた味わい深し。符丁や、ちょっと懐かしの言い回し、オジサンは知らなかった若者言葉などなどが紹介されています。そういえば、中学校の頃の塾の先生が「当たり前田のクラッカー」と言っていたのを、懐かしく思い出しました。

 電車の中で笑いが堪え切れないぐらいなのですが、我が敬愛する談四楼師匠としては、キレ味イマイチかなぁという印象でした。
 
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文楽5月公演の 1部

2009年05月23日 | 文楽のこと。
文楽五月公演の一部 @ 国立劇場 (09/05/23)

 相変わらず、満員御礼でございました。文楽人気は、大いに結構! でも、ますます、チケットが取りづらくなると思うと複雑な思いではあります。

【寿式三番叟】

 楽しい~!三番叟、何度、見てもウキウキしちゃうけれど、今回は、やっぱり特別です!清十郎さん、和生さん、玉女さん、そして、勘十郎さま-豪華すぎます!!!

 清十郎さんはやっぱり高貴な風情の役をやらせたらピカイチ。和生さんの翁も、ホンモノの能を見ているようで、ステキでした。でも、なんと言っても、玉女&勘十郎の三番叟の踊りがステキ。玉女さんの方は品よく威厳があり、勘十郎さまの方は茶目っ気たっぷりでエネルギッシュ。それぞれのお人形ちゃんのキャラクターが際立ちつつ、でも、息はピッタリあっていて、思わず、一緒に踊りたくなってしまう。というか、ちょっとステップをふんじゃいました。勘十郎さまの人形の足を遣われていた方もキレキレの足でとってもよかったです。。

 人形が素晴らしかっただけに、床が、残念でした。

このところ休演が多い綱大夫さんが復帰されていましたが、でも、お気の毒なぐらいに声が出ていませんでした。そのことが、全体にも影響するのでしょうか。いつもロックな清治さんの三味線も響いてきません。清治さんが締まっていないために、三味線全体がバラバラしていて、迫力なかったです。

 次の公演では、清治さんのカッコイイ音を聞きたいです!


【伊勢音頭恋寝刃】

 大変、素晴らしいものを拝見させていただきました。ありがとうございました。

 劇場で売っているプログラムに紹介されている「あらすじ」は、かなり、要領悪くまとまっていて、簑助さんが遣われる「やり手の万野」の役割がイマイチわかりませんでした。だから「なんで、簑師匠がこんなパッとしない役をやるんだろう?」と不思議に思っていたのですが… でも、始まってみると、万野が超重要な脇役であることがすぐにわかりました。

 住師匠の軽妙な人間描写に、簑助師匠のこっけいな演技。床と舞台の掛けあいで万野という人物を紡ぎだしていく。物理的には離れているのに、二人の息はピッタリあっていて、生命を吹き込まれた万野は生き生きと振る舞う。ああ、これこそ、文楽の醍醐味なんだなぁと、感動しちゃいました。住師匠も、簑助師匠もそれぞれに最高の芸を持った方だけれども、二人の共演で素晴らしさが2倍になるのではなくて、3倍にも、4倍にもなっていくんですね。あっ、それから、芸とは関係ありませんが、簑助師匠の袴がシブくて素敵な柄でした。

 主役の貢は玉女さん。いかにも、玉女さんが遣われるのにピッタリなイケメン人形なのですが… でも、やっぱり、スプラッター物は勘十郎さまがしっくり来ますよね???


【日高川入相花王】

 うううううん、ちょっとガッカリでした。
 恋に狂った清姫が、好きな男を追いかけて、蛇に化けて川を渡る場面が見どころ。
 しかしですね、まったく、狂ってないんですよね。少なくとも、客席までは狂気が伝わってこない。

 なにしろ、波の間に早変わりで次に出てくるはずの人形を左手にダラリとぶら下げているの見えちゃっているし。それに、あんな激しい流れを泳いで渡るのに、まるで、力が入っていないというか…。「もしかして、前半の芝居でお疲れでしょうか?」と質問したくなってしまいました。

 勘弥さんの安珍、とても、カッコよかったです。モテモテで、ちょっと優柔な、イケメンって感じ。次は、勘弥さんの激しい役も拝見してみたいです! 

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「勝者もなく敗者もなく」 日本プロ野球選手会

2009年05月23日 | な行の作家
「勝者もなく敗者もなく」 日本プロ野球選手会著 ぴあ出版 (09/05/23読了)

 仕事でお世話になっている方から「ぜひ、読むように」と、突然、自宅にエクスバックで送りつけられてきました。内心、鬱陶しいなぁ…と思って読み始めたものの、まんまとハマッて、電車の中で、何度もジュルジュルと鼻をすすり、外の景色を見るフリをして涙がこぼれそうになるのを我慢。それでも、目がしらが熱くなって、何度も、ハンカチを取り出しました。「食道かたつむり」(小川糸著)は、まったく、どこが感動ポイントか解らないまま読み終えてしまって「私って不感症かも」と不安になりましたが、こういう本は泣けるんだな!

 サブタイトルは「2004年日本ブロ野球選手会の103日」。そう、近鉄が球団経営からの撤退を発表したことで引き起こされた混乱の記録。パ・リーグ5チーム制とか、ジャイアンツがパ・リーグに移籍とか、1リーグ制とか、果てはホリエモンが近鉄買収とか-毎日のように「これって、どこまでホント?」というようなニュースが溢れかえっていまました。

 当時ヤクルトの古田敦也選手がスポークスマンとしてスポーツニュースに出ていたのは記憶に残っていますが、古田選手だけではなく、本当に、たくさんの選手が自分自身の問題として受け止め、戦っていたことがよくわかります。

 チャラチャラしたイメージの選手が、実は、すごく熱く選手会の活動に携わっていたり、トレーナーやスカウトさんら裏方さんのことを気遣っていたり-意外な一面が見えたのも楽しかったです。

 それにしても、つい、最近のことのようですが…あれから、もう、5シーズン目なんですね。改めて、野村監督の凄腕ぶりに感銘。まさか、楽天が、トップを走る球団になるなんて、誰も思っていなかったですよね。

 ちなみに、送って下さった方とは、阪神ファン仲間です。

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「試行錯誤の文章教室」 井上一馬

2009年05月23日 | あ行の作家
「試行錯誤の文章教室」 井上一馬著 新潮選書 (09/05/22読了)

 翻訳家、作家の井上一馬さんによる、良い文章を書く知恵の伝授。
 どうやったら読む人を楽しませることができるか、感動させられるか、ちょっと得したという気分にさせられるか-内外の作家の具体例を挙げて解説。

 引用されている文章はジャンル、年代ともバラエティに富んでいて、井上さんが膨大な読書をされていることがよくわかります。

 でも、この本を読んだからといって、いい文章が書けるわけではないのです。結局は、試行錯誤しながら、苦しんで、悩んで、緊張に耐えて、それでも書いていくしかないということを、身にしみて感じる一冊でした。修行の日々はエンドレス。
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主役がほとんど喋らない「勘弥サロン」

2009年05月22日 | 文楽のこと。
勘弥サロン @ 伝統芸能資料館  (09/05/16)

既に一週間近く経過してしまいましたが… 16日はずっっっっと楽しみにしていたNPO法人文楽座主宰の人形遣い・吉田勘弥さんのサロンでした。

 受付は希大夫さん。相変わらず好青年ぶりを発揮-というか、知らない人が見たら、どこかの事務所の受付の人と勘違いしそうなぐらい普通のお兄さんっぽく対応して下さいました。

 密かに楽しみにしていたお土産は、国立文楽劇場25周年記念のクリアファイル2種(大・小)でした。3月の勘十郎サロンの時のお土産は、勘十郎さまとお人形ちゃんの生写真(金色のペンで生サイン入り!!!)だったので、「もしや勘弥さんもブロマイドを下さるのかしら?」と思っておりましたので、ちょっと残念。でも、クリアファイルもお人形ちゃんの写真入で、とってもキレイではありました。そして、サッポロビールの「玉露入りお茶」のペットボトルもオマケでついてきました。サービスいい! 

 さて、いよいよ、サロンの始まり~! 司会は相子大夫さん。さすがに、いいお声です。

 勘弥さんが登場されて「皆さん、ここにいらっしゃるような方は、もう、色々な方の話を聞いていらっしゃるから、何を話せば喜んでいただけるか考えました。そうしたら、私オリジナルなテーマがあったんです!」と慶応大学・理工学部の森田寿郎先生を紹介。

 森田先生はロボット工学の専門家。将来、ロボットが介護などの分野で活躍するためには、ロボットが人に違和感を与えないような人間らしい仕草や間合いを獲得しなければならない-と考えているそうです。そして、そのヒントを求めて文楽人形や人形遣いさんたちの動きの研究をされているのです。

 勘弥さんは森田先生と東大の植田一博先生の共同プロジェクトにご協力されている縁で、「勘弥サロン」で森田先生とゼミの大学院生が、これまでの研究内容を発表されるという趣向でした。プロジェクターを使って、レジュメを説明したり、実験の映像が流れたりして、まるで大学の授業のようでした。(実は、私は、昨年秋に東大で研究発表会を聞きに行きました。内容はそれとほぼ同じ→昨年の11月30日の「センサー付き文楽人形!?」参照)

 森田先生は「皆さん、せっかく勘弥先生の話を聞くのを楽しみにしていらっしゃったのに、私なんかが出てきてゴメンナサイ」と恐縮しまくり。一通り発表が終わった後も「では、私はこのへんで切り上げますので、あとは、皆さん、勘弥先生にお聞きになりたいこともあるでしょう」と気を使われていました。それなのに、それなのに、勘弥さんったら「じゃ、森田先生に質問がある方どうぞ!」と、引きさがろうとする森田先生を檀上に押しとどめるのが面白かったです。

 でも、意外にも、手を挙げて質問された方のほとんどが、森田先生に対する質問でした。確かに、勘弥さんがおっしゃるように、一般的な話は聞きつくしたマニアの方々が集まる会なので、たまには、こういう刺激的なお勉強会もいいのかもしれません。

「勘弥サロン」というタイトルにも関わらず、60分間のうちの52分ぐらいは森田先生がしゃべっていました。主役の勘弥さんは10分足らず。しかも、そのうちの2分は入口で配った「玉露入りお茶」の宣伝でした。森田先生の話の途中で、突然、インターセプトされて「すみません、大切なことを言い忘れてました。お配りしたお茶は、私の友達にサッポロビールにお勤めの方がいて、差し入れて下さいました。サッポロビールは素材にこだわったいい製品を作っているそうなので、よく味わって下さい。これからは暑くなってビールもおいしい季節ですから、ぜひ、サッポロビールを飲んで下さい!」とのことでした。

 とっても楽しく、満足な会でしたが…。でも、もうちょっとだけ、勘弥さんの芸のお話も聞きたかったなぁと思います。次回に期待!
 
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「恋文の技術」 森見登美彦

2009年05月13日 | ま行の作家
「恋文の技術」 森見登美彦著 ポプラ社 (09/05/12読了)

 「いったい、キミはオッパイ以外のことに、興味は無いのか???」と著者に問いたくなる一冊だった。

 京都の大学から金沢の研究施設に武者修行に出されたモリタ青年(クラゲを研究中)から、大学の先輩、友人、森見さんという作家、かつて家庭教師をしていた少年、妹らに宛てた書簡で構成されている。1つの出来事を、複数の人への書簡で説明することで、その出来事の真の意味を浮かび上がらせるような作りで、なかなか面白い手法ではあります。しかも、モリタ青年はちょっとヒネくれていて、やや変人のケがあり、でも、憎めない奴のようで好感触!

と思っていたら、途中から手紙の内容がオッパイの話題ばかり。一冊の中に「オッパイ」という単語が何度出てくるか数えたくなるほどに多い。その上、明かに本人がモデルである「森見登美彦氏」相手にも、たくさん手紙を書きまくるという悪ふざけもあり。

 中盤以降は、「気分だけは大学生のオッパイ大好きオヤジの戯言にいつまで付き合わなければならないのか?」と、半ば呆れつつページを繰る。

 でも、最後の最後で、深く共感。「もっと手紙を書こう! 手紙を書き、相手が読む場面を想像し、そして、また、返信が戻ってくるところまで含めて、手紙を書くという行為はワクワク・ドキドキする気持ちを与えてくれる。絵文字メールなんて送っている場合じゃないぜ」。(とまでは書いていないが、きっとそういう趣旨)

 うんうん、とってもよく分かります~!!! でも、その核心に至るまで、あまりに、オッパイを語りすぎだよ!
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「旅のラゴス」 筒井康隆

2009年05月10日 | た行の作家
「旅のラゴス」 筒井康隆著 新潮文庫 (09/05/10読了)

 多分、この本、好きな人は多いだろうなぁ。失われた人類の過去の記憶を取り戻すべく、北から南へ、南から北へと旅するラゴス。人生のほとんどを旅に費やす。架空の場所、架空の年代設定ですが、なんとなく、読んでいると中央アジアの広大な平原が思い浮かびます。ゆったりとした時間が流れるような、不思議な感覚の小説です。

 まさか「人生とは旅である」なんていうツマラない比喩が本意ではないと思うのですが… 今ひとつ、何が言いたいのか、よくわかりませんでした。ラゴスは賢者で、心はいつも平静で、あらゆることを悟っていて、その上、女にもてる。本人が貪欲なわけではないのに、次々、妻になる人が現れる。

 そんな都合の良い人生、なかなか、ないよなぁ…。
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「逆風を切って走れ」 赤星憲弘

2009年05月06日 | あ行の作家
「逆風を切って走れ」 赤星憲弘著 主婦と生活社 (09/05/06読了)阪神ファン的

 赤星、キミは修行僧だったのか!?

 阪神タイガースの小さな盗塁王、赤星の自伝的メッセージ。とにかく熱い。というか、暑苦しいぐらいにストイック。プロ野球選手としては、致命的に背が低い170センチのハンデを背負いながら、入団以来、安定的に3割前後の打率をキープし、何度も盗塁王のタイトルを手にしているというのは、それは、並々ならぬ努力あってこそだろうとは思っていましたが…想像を遥かに絶する努力ぶり。趣味・努力、生き甲斐・努力、得意なこと・努力、好きな言葉・努力みたいな人です。

 もともとは、赤星選手がオーナーとなっている少年野球チーム・レッドスターのメンバーに向けたメッセージとして書かれているのですが、大きな声で挨拶しよう、努力しよう、大きな夢を持とう、親に感謝しよう-と、まるで、道徳の教科書みたい。(赤星選手のHP によると、本当に、道徳の教本に採用されているらしい) でも、阪神ファンには、これが泣けるんだな!!!

 球場で、他の選手よりも一回り小さい赤星が、果敢に盗塁を決める姿は、本当に胸が熱くなります。その裏には、これだけの、努力と自分を追い詰めるプロ根性があるのだと思うと、何度も目頭が熱くなって、活字がにじむ…。

 でも、ほんの10年、20年前ぐらいだったら、こういう、コツコツ努力。親に感謝、先生に感謝、先輩に感謝。10回やってできなかったら20回やってみる-みたいな話って、そんなにレアじゃなかっんですよね。
 いつから日本人は、我慢強くなくなり、努力しなくなっちゃったんだろう。というか、いつから日本人は、若い世代に我慢すること、愚直であることを教えるのを止めちゃったんだろう。
 赤星の野球チームの少年たちが、赤星の修行僧のような姿に心打たれて、努力すること、感謝することを学んでいくのを見ると、潜在能力を引き出してもらっていないだけで、若者も、まだ、努力したり、感謝したりする力を失ったわけではないんだなと思う。

 とはいえ、はっきり言って、阪神ファン以外には、ただ、暑苦しいだけで、何が面白いか意味不明の一冊だと思います。

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「雨ン中のらくだ」 立川志らく

2009年05月02日 | た行の作家
「雨ン中のらくだ」 立川志らく著 太田出版(09/04/30読了)

 「立川流とは新興宗教である」-と、改めて、確信する一冊。

 談春の「赤めだか」(扶桑社)も、談四楼の「煮ても焼いてもうまい人」(文庫)も、結局ところは、「俺の方が師匠のことを愛しているんだ!」自慢に尽きるわけです。そして、「雨ン中のらくだ」は、宗教色が一段と強まって、ほとんどカルト?僕の好きな師匠の落語18選を小見出しにして、「師匠のこんなところが好き」「師匠にこんなことを言われたのが嬉しかった」「師匠とのこんな思い出が忘れられない」というラブラブ随想が延々と続くのです。

 いえいえ、決して、ツマラナイと言っているわけではありません。その、ピュアな愛に心打たれ、小気味よい文章に乗せられて、すっかり、談志ファン気分(一度も聞いたことないのに、ゴメンナサイ)。その上、落語初心者にとっては、ちょっとした、落語教本にもなる。さすがでございます。
 
 それにしても、ここままで、愛して、愛して、愛し倒される立川談志という人はスゴイ人なのでしょう。だからこそ、「寄席に出られない」というとてつもない障害を超えて、人気・実力を伴う有望株を輩出しているのですね。

 で、十分に面白かったのですが… 談四楼師匠の圧倒的な文章の上手さに比べると、「もう一息!」と言いたくなってしまうし、「赤めだか」の大ヒットの後だと、どうしても、二番煎じの印象は否めませんな。
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