「64 ロクヨン」 横山秀男著 文藝春秋社
主人公は地方の県警の広報官。タイトルは迷宮入りになりかかっている10年以上前の誘拐殺人事件を表す符牒。
何でも情報を寄こせという記者クラブと、全てを隠そうとする刑事部との板挟みとなり、精神的にも追い詰められていく。地方新聞の記者だった著者でなきゃ書けないような胸に迫る描写多数。
ネタバレしないように…というよりも、切なすぎてこれ以上は書けず。
個人的には、最初から最後まで胃が締め付けられるように痛かった。「クライマーズハイ」は傑作だと思うけれど、私がまだ学生だった頃の出来事をベースにした小説なので、ある程度、客観的に読めましたが、「64」は本当の意味でリアルでした。