「阿弥陀堂だより」 南木佳士著 文春文庫(08/09/28読了)
映画にしたくなる気持ち、よくわかります。というか、映画にするべく、描かれた、風景のような小説でした。
有能な外科医として総合病院で働いていた妻がパニック障害になったのをきっかけに、故郷である信州の山奥・谷中村での生活を選んだ何も書けない小説家の日々の暮らし。過疎が進み、若者などほとんどいない寒村なのに、力強く、しぶとい、生命の営みが伝わってきます。
正直、書けない小説の孝夫さんには、突っ込みたくなるところが山のようにあるのですが…登場する女性がたくましくてステキ。谷中村の暮らしで徐々に、心の均衡を取り戻していく妻。テレビも、ラジオも、トイレさえもない阿弥陀堂を50年も守り続けながら自給自足の暮らしを続けるおうめ婆さん。おうめ婆さんを取材して、地域の新聞に毎月、小さなコラムを書いている小百合ちゃん。何が、本当の豊かさなのか、考えさせられます。最後、3人の女たちの記念写真のシーンは、本当に、力強くて美しい。
でも、本当は、せっかちな私には、ややまったりしすぎの印象。10年経って、もうちょっと大人になったら、もっと、この小説の味がわかるかなぁ。
映画にしたくなる気持ち、よくわかります。というか、映画にするべく、描かれた、風景のような小説でした。
有能な外科医として総合病院で働いていた妻がパニック障害になったのをきっかけに、故郷である信州の山奥・谷中村での生活を選んだ何も書けない小説家の日々の暮らし。過疎が進み、若者などほとんどいない寒村なのに、力強く、しぶとい、生命の営みが伝わってきます。
正直、書けない小説の孝夫さんには、突っ込みたくなるところが山のようにあるのですが…登場する女性がたくましくてステキ。谷中村の暮らしで徐々に、心の均衡を取り戻していく妻。テレビも、ラジオも、トイレさえもない阿弥陀堂を50年も守り続けながら自給自足の暮らしを続けるおうめ婆さん。おうめ婆さんを取材して、地域の新聞に毎月、小さなコラムを書いている小百合ちゃん。何が、本当の豊かさなのか、考えさせられます。最後、3人の女たちの記念写真のシーンは、本当に、力強くて美しい。
でも、本当は、せっかちな私には、ややまったりしすぎの印象。10年経って、もうちょっと大人になったら、もっと、この小説の味がわかるかなぁ。