おりおん日記

電車に揺られて、会社への往き帰りの読書日記 & ミーハー文楽鑑賞記

「アコギなのかリッパなのか」  畠中恵

2008年03月01日 | は行の作家
「アコギなのかリッパなのか」 畠中恵 実業之日本社 (08/02/27 挫折)

 このブログをスタートして初めての挫折です。「しゃぱけ」シリーズでファンになり、シリーズ外の江戸モノも2冊ほど読みましたが、現代モノは初めて。1ページ目から、なんとなく、イヤな予感はしたのですが…やっぱり、ダメでした。
 
 元・大物政治家の個人事務所で働く若者が主役のライト・ミステリー。いくら、無知蒙昧の民が政治家先生を町の便利係と勘違いして、ろくでもない相談事・雑事を持ち込むにしても…ここまでクダラナイ相談をするおバカちゃんはそうそういないでしょう。「金田一少年の事件簿」って見たことはないのですが、なんか、そういうレベルの事件なのです。小学校の学級文庫に並んでいるような、お子ちゃま向け謎解きって感じ。

 目次によれば5つの事件がオムニバスになっているようですが、2つめで断念。本当は、1話目で止めたかったのですが…もしかして、たまたま、1話だけがツマラナイのかもしれないと思い、頑張って2話目に突入しましたが…2話目もやっぱりツマラナイ。3話目に進むそれに、現代モノとしては、文章がまったりしすぎているような気もします。

畠中さんには「しゃばけ」シリーズの続編を期待したいです!!

「触発」 今野敏

2008年03月01日 | か行の作家
「触発」 今野敏著 中公文庫 (08/03/01読了)
 
 1ページ目から面白い。「何、何、何が始まるの???」というワクワク感を掻き立てられるのです。何気ない情景描写からして引き込まれてしまいます。

 地下鉄の駅や渋谷に手製の爆弾を仕掛ける元・傭兵vs警察庁に緊急派遣された2人の自衛官。プロとプロ同士の戦いに息を呑まずにはいられません。そして、個人的に興味深かったのは、犯人や自衛官の言葉を通じて、今の日本に向けられる著者の問題意識がくっきりと描きだされていることです。

 ただ、ちょっと残念だったのは-犯人への到達が、ちょっとアッサリしすぎかなぁ。いくら偶然が重なったといっても、広い東京で、こんなに簡単にはたどりつかないでしょう-と突っ込みを入れたくなります。物語としてチャチというよりも、もう少し、ハラハラドキドキした気分を味あわせて貰いたかったって感じです。

私的には同じ著者なら「隠蔽捜査」の方がおススメです。