「田村はまだか」 朝倉かすみ著 光文社 (09/12/30読了)
あちこちのブログで評判よろしく、前から、気になっていた本です。「ハードカバーで買うのもったいないなぁ。文庫になったら読も」と思っていたのですが、いい歳して、叔母からクリスマスプレゼントとして図書カードをもらったので(いや、ホント、もうクリスマスプレゼントをもらう年齢は相当昔に終わってるのですが…)、ちょっと気が大きくなって買っちゃいました。
まさに「田村はまだか」な話です。小学校の同窓会の三次会に流れてきた40歳の男女5人。場所は札幌の場末のスナック。飛行機の遅れで、同窓会には間に合わなかった田村を待っている。小学校の卒業から28年。若いつもりでいても、それなりに、齢を重ねている。当然、傷ついたり、傷つけられたり、恋したり、恋に破れたり、それぞれに歴史あり。
というわけで、田村を待ちながらの会話を糸口に、同級生5人とスナックのマスターの背負っている過去をオムニバス形式でひも解いていく。日付が変わっても、やはり、田村は来ない。というか、来られない事情が生じてしまう。そして、田村の元へ向かう5人。
田村やその同級生たちと同世代の私としては、まあ、それなりの郷愁は感じます。「ああ、わかるなぁ」という描写もたくさんある。そして、ほのかに悪くない話でもある。
だけど、なんとも、軽いというか、スカスカというか…。例えば、松井今朝子の文章がどっしりと重たい虎屋の羊羹なら、「田村はまだか」はウエハースのようにもろく、頼りなくて、口にいれると溶けてしまう感じ。あっという間に読み終わっちゃたし…。
もちろん、ウエハースだって、不味いわけではないですけどね。でも、虎屋の羊羹に一本2500円払っても、ウエハースはせいぜい数百円。ま、そういうことです。
ああ、やっぱり、文庫になってから買えばよかったなぁ-と思ったのでした。
あちこちのブログで評判よろしく、前から、気になっていた本です。「ハードカバーで買うのもったいないなぁ。文庫になったら読も」と思っていたのですが、いい歳して、叔母からクリスマスプレゼントとして図書カードをもらったので(いや、ホント、もうクリスマスプレゼントをもらう年齢は相当昔に終わってるのですが…)、ちょっと気が大きくなって買っちゃいました。
まさに「田村はまだか」な話です。小学校の同窓会の三次会に流れてきた40歳の男女5人。場所は札幌の場末のスナック。飛行機の遅れで、同窓会には間に合わなかった田村を待っている。小学校の卒業から28年。若いつもりでいても、それなりに、齢を重ねている。当然、傷ついたり、傷つけられたり、恋したり、恋に破れたり、それぞれに歴史あり。
というわけで、田村を待ちながらの会話を糸口に、同級生5人とスナックのマスターの背負っている過去をオムニバス形式でひも解いていく。日付が変わっても、やはり、田村は来ない。というか、来られない事情が生じてしまう。そして、田村の元へ向かう5人。
田村やその同級生たちと同世代の私としては、まあ、それなりの郷愁は感じます。「ああ、わかるなぁ」という描写もたくさんある。そして、ほのかに悪くない話でもある。
だけど、なんとも、軽いというか、スカスカというか…。例えば、松井今朝子の文章がどっしりと重たい虎屋の羊羹なら、「田村はまだか」はウエハースのようにもろく、頼りなくて、口にいれると溶けてしまう感じ。あっという間に読み終わっちゃたし…。
もちろん、ウエハースだって、不味いわけではないですけどね。でも、虎屋の羊羹に一本2500円払っても、ウエハースはせいぜい数百円。ま、そういうことです。
ああ、やっぱり、文庫になってから買えばよかったなぁ-と思ったのでした。