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温泉クンの旅日記

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三澤屋の高遠蕎麦 福島・大内宿

2007-08-08 | 食べある記
  <三澤屋の高遠蕎麦 福島・大内宿>

 高遠蕎麦・・・暑くなってくると「あれ、そろそろまた食いてえなあ・・・」と
思いだす蕎麦である。
 そうして遠いところにもかかわらず、年に何度か大内宿まで車を飛ばし食べに
行ってしまう。

 高遠蕎麦は会津大内宿の名物の蕎麦である。なんでも、会津藩の初代藩主保科
正之が、少年期を過ごした信州の高遠の蕎麦をもたらしたという。
 大内宿は街道の両脇を萱葺きの古い民家が続いており、江戸時代の宿場の面影を
そのままに残している。



 街道は「会津西街道」とか「下野(しもつけ)街道」とも呼ばれており会津若松
から日光今市を結ぶ会津藩が隣国へ通じる際の重要な道のひとつだった。
 茅葺きの古民家では土産物を売っていて、どこでも旨い蕎麦が食べられる。民宿
をやっているところもある。道の両脇には清冽な冷たい清流が勢いよく流れ、缶
ビールやらサイダーやらトマトなどの野菜やらを、流れに沈めた篭のなかで冷やし
て売っている。
 

 大内宿は横浜からだとなにしろ遠い。
 那須か塩原から会津に出て北上するか、高速で会津若松まで行き南下することに
なり、日帰りでは結構つらいものがある。いきおい芦ノ牧とか湯野上とかの近場の
温泉に一泊し、朝食をできるだけ小食にして、食べに行くのだ。

 大内宿に数ある蕎麦屋のなかでも三澤屋はダントツに人気のある店なので、土日
などは朝一番にいかないと並ぶことになってしまう。
「おお空いてるではないの、ラッキー!」と思っていても、三澤屋入り口の丈の
長い暖簾の奥が広い土間になっていて、そこにドチャーッとひとが待っていること
があるので油断がならないのである。



 外にまで並んでいるとき、「こりゃあ待ちきれん」とあきらめて他の店で普通の
会津蕎麦に変更したことも数しれない。もちろん、うまいのだがなにか物足らない
のだ。最近では他の店でも同じようなネギ蕎麦の看板もでるようになったが、試し
ていない。

 三澤屋にはいると、広い座敷に大小の囲炉裏風の火鉢がテーブルとなって点在し
ている。このあいだまでは灰皿がわりにしていた火鉢の灰は掃き清められ、中央に
は花が載せてある。誰も煙草を吸っていない。「ひょっとして、禁煙になったので
すか」と、恐る恐る訊いてみると、「だいじょうぶですよ」と灰皿をだしてくれ
た。誠にありがたい。



 さて、高遠蕎麦だが、ひと言で言えば、長葱一本を箸がわりにして食べるいわゆ
るぶっかけ蕎麦である。テレビなどによく出てくるからご存知のかたも多いと
思う。蕎麦も信州風の手打ちである。
 薬味の長葱一本で蕎麦を口元にすくいあげては啜り、ときおり薬味として葱を
齧るのだ。



 ほんのり甘みのある冷たい蕎麦ツユにひたされた信州風の蕎麦に、たっぷりの
大根おろしの辛味と、香ばしい鰹節が載っていて、加えて薬味のネギと混然一体、
絶妙な調和があり忘れがたい味をかもしだす。
 ふだん盛り蕎麦しか食べないわたしだが、この高遠蕎麦は別で、運ばれるやいな
や一気喰いしてしまう。

 長ネギ一本の箸で蕎麦を食べる自信がないというひとでも、最初にお茶と茶うけ
のお新香と割り箸がでるからまったく心配はいらない。
 だが、できれば長ネギを使って少しでも食べてほしいとは思うのだ。この高遠
蕎麦はそれでこそ、価値があると思う。

 量的には「大盛り」ぐらいあり、会津塗りの大きな椀で供される。お値段は
1,050円とすこし高めであるが、けっして損はしない。

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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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本物はやっぱり違う件 (ひろゆき)
2007-08-09 10:19:18
やっぱり目の前で見る本物は違う!!
大胆あり、恥じらいあり、お手伝いあり!!
おれ当分やめれる気配がない(笑)http://giga-mix.net/love/155
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