温泉クンの旅日記

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岐阜・大垣、中華そばと水まんじゅう

2023-09-24 | 食べある記
  <岐阜・大垣、中華そばと水まんじゅう>

 旅先でメシを食うなら、観光客目当ての店は避け、できるだけ地元客で繁盛している店を選ぶのがベストだ。もちろん、長時間利用となる呑むほうの酒場でも同じである。

 繁華な商店街というより静かな住宅街といったなかの、すこし奥まった場所にあった「朝日屋」。店前のスペースが駐車場なので、遠くからは容易にはみつけにくい。

 

(やれやれ、ついに見つけたぞ!」
 三度目の挑戦で<ようやく>である。
 いつものように地図を頭に叩き込んだまではいいが、駅の逆側を探しまわってしまったのが、一度目。地下鉄でもないのにとんだドジぶりだ。中途半端にスマホのナビを頼って、あと一歩のところで「こんな住宅ばかりの場所にあるわけがないだろ!」と勝手に疑心暗鬼に陥り断念したのが二度目だった。
 このままでは3年目に入ってしまうぞ。今度こそはと、スマホのナビを全面的に信じてたどり着いたのだった。

「いらっしゃい。空いてる席にどうぞ」
 迎えてくれたその声に押され、入ってすぐ右側の卓に座り、隣の席にザックと肩掛けバッグを置いた。
 重いザックを駅のコインロッカーに預けるはずが、大垣駅に電車が滑り込むころに突然の雨が車窓を叩きはじめて、ああ今回もダメかもと躊躇したのだったが、駅を出てみると止みそうな気配に、急遽決行としたのだった。

 

 律義にアクリル板が設置している店内は、四人掛けの卓が四つ、突きあたりの小上がりに二人掛けの卓が二つと思ったより小体である。昼丁度くらいの時間なので、まだ半分ほどの混み具合だ。みたところ、観光客らしいのはわたし独りだけのようだ。
 注文は決めてあるが、左の壁にあるメニューを検討する小芝居に入る。嬉しい庶民価格がずらずら並ぶ。

 

「中華そばをください」
 看板に「丼物、手打うどん」とあるように、創業明治のもともとは“うどん屋”だが現在の看板メニューは違うのだ。

(えっ、アレは、いったいなんだ! オムレツ丼?)
 隣の卓の三人組の注文が運ばれたのだが、独りの中華そばはいいとして、残りの二人が薄黄色のふわふわオムレツみたいなのを載せた丼だったのだ。
 後で知るのだが、泡立つようなふわふわ玉子のエスプーマ風の丼は、「カツ丼」だった。こちらを中華そばと組み合わせての注文も多いようだ。
 気がつけば店内はいっぱいになり、すぐ後ろの外にも人が並んでいる気配があった。

 それほど待つこともなく中華そばが運ばれてきた。ラーメン丼の上の景色は、メンマ、チャーシュー、青葱、かまぼこと、けっこう賑やかで嬉しい。

 

 さっそく、まずはスープをひと口。うどん屋だけに、和風鰹だしが効いた優しい味。尾道ラーメン「みやち」の“てんぷら中華”のように、掻き揚げとか小さめのヤツを載せたくなる。

 

 次に麺を啜る。
 腰のしっかりあるストレートの麺が、やや固めで、初めて食べるのだがなぜか懐かしさを感じる不思議な食感である。スープにもよく合っている。
 チャーシューにうるさいわたしも脱帽するほど、これが旨い。
 なんか、一気呵成といった勢いで食べきってしまう。サイドメニューに餃子があったらよかったのにな。(いくらなんでも「餃子」は、ないものねだりだろう、うどん屋だから)

 目の前の相席の人が頼んだのが冷やし中華そばとカツ丼で、チラリとみると、山形の冷やしラーメンみたいな感じだった。次に来た日が暑い日だったら、試してみたい。

(重いザックを背負ってまで食べにいった甲斐は充分あったな・・・)
 駅近くの和菓子屋で、餃子代わりに名物の水まんじゅうでも喰っていくか。

 

 創業寛政10年の老舗「金蝶園総本家」に入って、二個の注文をして店の一角にあるイートインスペースで待った。

 

 

 

 水の都大垣の名水によって明治の初めに生まれた大垣名物「水まんじゅう」は、葛に、水に強いわらび粉を混ぜ、柔らかく炊きあげた生地を陶器のお猪口に流して固め、冷たい地下水に漬けて冷やしたものである。

 

 中華そば(530円)からのデザート水まんじゅう(430円)、すこぶる大満足の組み合わせであった。



  →「続・尾道ラーメン」の記事はこちら
  →「山形、冷やしラーメン」の記事はこちら


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