人だすけ、世だすけ、けんすけのブログ

愛知13区(安城市・刈谷市・碧南市、知立市、高浜市)
衆議院議員 おおにし健介

「岡田克也、父と子の野望」

2005年01月17日 | Weblog
なんともおどろおどろしいタイトルである。

 榊原夏著、扶桑社「岡田克也、父と子の野望」

 岡田代表に批判的な立場から書かれた本であり、結論の方向が決まっていて、ネガティブな結論に結びつけるような構成はいただけないが、政治家、人間、岡田克也が乗り越えるべき壁として、父岡田卓也と小沢一郎がいることを指摘している点、岡田家の系譜と岡田代表の人格形成家庭に関して考察を加えている点は興味深かった。

 岡田代表については、そのキャラクターが様々な形で表現されるが、いまひとつ人間、岡田克也の実像というのが浮かび上がってこない。
 この点、本書は、政治家、岡田克也のメンタリティーの底流には、商家のメンタリティーがあると見ている。著者は、「お客様がいいといえばいいんだ」という単純化された正義に裏打ちされたスパー型政治と批判する。

 田中角栄という政治家には、良くも悪くも越後の農民のメンタリティーというのが根底にあった。同様に、政治家、岡田克也に商家のメンタリティーが流れているというのはうなずける。
 私は、何もこのことをネガティブに捉える必要はないと思う。商家と言うと、時代劇の越後屋のような悪代官と何やらよこしまな相談をしている悪玉やそろばん勘定しか頭にない小物といったイメージがあるが、別の言い方をすれば、消費者のニーズや時代に敏感に反応する経営マインドを持った者という言い方もできる。

 岡田屋を現在のイオングループにまでした父、岡田卓也氏の存在は大きいに違いない。一方で、政治家、人間、岡田克也の人格形成に父、岡田卓也氏が大きな影響を与えていることは間違いない。個人的には、そのことから目をそらすのではなくそれを肯定的に受け止める形で、人間、岡田克也の実像が広く一般に示されることを願っている。