ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

これを最初に食べた人は偉い

2008-07-02 12:39:51 | 第1紀 をかしら屋
同級会である。

先日、中学校の同級会の事を書いたから、また、と思う人も多いかと思うが、今回は高校の同級会。
といっても、数人が月に一回、生まれ年の29日(私は早生まれであるが)に集まる、お金を集めない無尽みたいなものである。
  (といえば東北の人はわかりやすいだろう。しかし、「無尽講」などという言葉が死後になっている都会の人には、かえってわからぬたとえなのかもしれない)

最近は皆さん社会的な立場もあるのか、なかなか決まった日に集まれなく、今回は7月1日の開催となった。
場所は、同級生の経営する「小ぎく」。
花巻の名門料亭の流れをくむ割烹料理店で、この小さな町ではもてなしの店として貴重な存在である。
時々は、花巻に宿泊した有名人が(永ちゃんとか)ちょくちょく利用しているので、暖簾をくぐってびっくりすることもある。

さて、この日とはわかっていながら、従業員が病欠で、店が落ち着いてから駆けつけ、遅れて参加。
座はもう盛り上がっている。

こうなると、遅れてきた身はつらい。
アルコールを急ぎ注入し、有り余る肴に食らいつく。

まぐろの脂の乗ったところ、得意のしめサバ、なんとあづけられたのは半身。うまっ。
イワガキ。
大きなサザエ。
茄子田楽、味噌がうまい。
大きなカニ。もちろん足も、甲羅も、カニみそも。
鍋は、やはりこの季節。
得意の京風「はも鍋」だ。
はもはもちろんいいが、とりあえず湧くまで、材料の豆腐をそのままいただく。
「黒川」の豆腐である。
鍋より、私はこの奴がいい。
他にも何種か。

どうだ、すごいだろう。
冬は、これが「ふぐ」となる。
いささか友人には申し訳ないが、我々の同級会の会費ではとても食べられないグレードなのである。

そして、これどう、と友人からまわってきたのがこれ。



さあ、わかるかな。
では、一秒考えましょう。

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0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9

はい、一秒経過。

答えは、「フジツボ」。

「おおっ」と思わず声を上げる。

初めてこの「フジツボ」を食べたのは、やはりこの「小ぎく」のカウンター。
青森産のフジツボを見て、これはなんじゃいなと思った。
どうすりゃあいんだ、とも思った。
食べた。
いや、まいった。
珍味というより、うまい!!
酒に合う。
思わずほじくり始める。

そういえば、初めてイワガキを口にしたのも、このカウンターだったな。
そして、初めての大七も。

しかしこの「フジツボ」。
世界中の海に生息するというけれど、初めて食べた人は、「偉い」。

日本でも主に食用にするのは東北地方だけという。
この「ツボ」の中の、カラスのくちばしみたいな奴に引っついた身が、これほどうまいとは、外見からは想像もつくまい。

まあ、見た目も、ほじくりだした中身も、なかなかにグロである。
世界で一番初めに食した方も、ありゃあと思った瞬間、とりつかれ、次から次へとほじくりだしたのか。
こういうことに思いを馳せるのも一興。

ホヤもしかりだ。

さてさて、食べたことの無いあなた。
Wikiの説明は、ここ
良く説明されているブログは、ここ


お昼は、どうせ夜の「小ぎく」はいけそうにないし、とにかく私も従業員もヘトヘトだからと、近所のスーパーで、「国産」うなぎと(T嬢が食べれないとは知らなかった、けどもうけもの?)、近海生まぐろと水ダコと、ホタテの煮たのにエビフライ、モズク(だったかな)、おまけにデザートにヨーグルトと贅沢な昼まかないだったのに、夜は夜でこんな贅沢を。

そして今宵の酒は、「奥の松」。
それも、すごいのを(内緒)。
なんせ、ふたがお高いスパークリングワインの栓みたいな奴で、瓶やラベルも風格がある。
大七と同じ、福島の酒。
このカップ酒も大人気とか。

同級生の話は、だんだんと「健康」の話題に。
だけど、少し生ぐさい。
やれあそこの「健康館」がいいとか、あの整体師がかわいいとか、ついでに私の磁石の話も出て(前述)、だんだんに「どこに効くんだ」と。コカやらマカやらモカやら、なんとかの錠剤やら、そりゃあ薬剤師も医者もいるわけで、話は大きくはずれながらも夜更けへと続くわけでした。