世の中にかかはらぬ身と思へども暮るるは惜しきものにぞありける 良寛
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年の瀬である。良寛さまの年の瀬の歌を拾って来た。
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一年が暮れて行く。ということはすなわち新しい一年が到来するということ。嬉しいはずなのだが、閉じられそうな時間の扉の、世の中の風景が細く狭苦しく見えて来る。このまま遣り過ごしてしまうのが惜しい気もする。此の身に頂いた一年という長い時間を十分に使い切ったのかどうか。それも思われて来る。
良寛さまは、己を、「世の中の動きに関わらないで過ごしている身」だと規定してある。それでもなにかしら惜しい気がして来る。歳暮になって、人々のせわしなく行き交いするのを見ておられたのだろう。
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今日は12月23日。明日は24日。其処此処にクリスマス・ソングが流れて来る頃だ。一挙に、日本もキリスト教の国となる。救い主誕生の「聖夜」を歌って、ケーキを切って食べる。普段ずっと世の中に関わらないで過ごしているこの老爺も、ケーキの一切れに与(あずか)ることになる。ふ、ふふ、だ。
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