石になっていないで、木になっていてください。わたしの木になっていてください。
石になっていないで、草になっていてください。わたしの草になっていてください。
わたしがあなたにそう伝えると、あなたの石が木になる。あなたの石が草になる。
わたしのための木になって幹を伸ばす。わたしのための草になって風に揺れる。
石になっていないで、木になっていてください。わたしの木になっていてください。
石になっていないで、草になっていてください。わたしの草になっていてください。
わたしがあなたにそう伝えると、あなたの石が木になる。あなたの石が草になる。
わたしのための木になって幹を伸ばす。わたしのための草になって風に揺れる。
あなたが言葉を生み出すと、あなたが詩になる、詩になって立ち上がって来るので、ぼくはどぎまぎしてしまう。生きねばという気になる。ぼくの腹の底の力を、五月の緑色の柿若葉にして,生きねばと思う。あなたの声を聞いていると、あなたがそこで詩になる。ぼくの耳の奥で詩になる。
はい、あなたがわたしを嬉しがらせようとしているので、その意思を五感で察しているだけで、わたしはもはや嬉しくなって来ています。
わたしがその通りに、つまりあなたの意図の通りに嬉しがると、あなたは更に一段と嬉しそうな顔をしてきます。秋空がその顔を広げます。
ここは愛と光の宇宙です。ここにわたしがいます。わたしの住所がここにあるというだけで、わたしは、理論上は、にこにこして嬉しがっていられます。
午前8時50分現在の外気温は27℃。爽やかである。
夜中は秋の虫が鳴いていた。一日一日、秋を深めて行くことだろう。凌ぎ安くなるだろう。
暑さがそれだけ遠退いて行く。そうすれば畑にも出て行けるだろう。よい時よい季節の到来が有り難い。
*
畑では、韮が白い小さな花を着けている。種を残して一生を終わる準備に入ろうとしている。
我が友は実によく人の面倒を見る。偉いなあと思う。
僕なんかは自己統制すらもままならぬから、とてもとても、人様の困窮へ入り込む余力などない。彼はそうではない。他者救済を嫌がらない。どんどん利他行実践へ踏み込んでいく。
人間のデキが違う。彼の前に出ると、僕の人間のスケールの小ささが浮き彫りになって見えて来る。
彼の爪の垢を煎じて飲まねばならぬけれども、僕は横柄を貫いている。やっぱり我がこと、我がラクチンだけに終始している。
いやいや、お粗末過ぎる。
今日は眼科医院へ行く。10時の予約。
視力が極度に落ちている。ものが見えずらい。白内障症状が出ているのかもしれない。
我が友が名医を薦めてくれた。そしてその名医にすぐに連絡を取ってくれた。有り難い。じつに面倒見のいい友である。
人格円満な名医なので予約待ちが多数あるらしい。
瞳孔を開いて検査してくれるから、帰りの運転ができないらしい。家内を伴って行く。