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わたしが吸う分の空気はいつもわたしの鼻の周りにある。
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しかもそれが充満している。
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わたしはいつもこれを無料で吸っている。
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これがもしスーパーにしか売っていないとすれば厄介だったろうと思う。
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今週は値段が上がったので、いつもの半分にとどめておこう。などということにはならないですんでいる。
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ああ、よかったよかったと胸を撫で下ろす。
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遠慮しないでいい。腹一杯に吸える。
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肺が新鮮な空気を吸ってそれを全身に送る。そして全身で燃焼された炭酸ガスを吐き出す。
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だったらこの地球は炭酸ガスだらけになってしまいそうだけどそうはならない。
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植物が炭酸ガスを吸ってくれる。そして新鮮な酸素を供給してくれる。
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酸素は腐ったりもしない。減ったりもしない。生じて滅せずを貫徹してくれている。
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で、何処にいたって呼吸困難にならないですんでいる。有り難い話だ。
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でもこの有り難さはあまり気にも留まらないでいる。あまりにも当然なことだからだろう。
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いまは呼吸に必要な空気のことを取り上げたけど、これはそのほんの一例に過ぎない。
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すべてがこうである。わたしが生きていくために必要な条件整備が完全に整っているのである。100が100,1000が1000整っているのである。不足をしないでいるのである。
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これは表現を変えれば、「わたしはこの世の一切に護られている」「この世のすべてから生かされている」という表現になる。
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吸いたいだけどれだけたくさんでも吸っていいですよ。でも、肺はその数量を心得ていて、欲張って一度にたくさんたくさん吸い込むことはない。
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そうしなくてもいいことを知っているからである。すべてが充足しているということがどんなに有り難いことなのか。今日は、ちょっとだけ味わってみたくなった。