小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



散策やランニングに出かけると、道端で様々な植物を目にする。この時季は、香り豊かな金木犀や、色鮮やかな彼岸花やコスモスなどが目を楽しませてくれる。先日、ランニングに出かけた際に、華やかではないがガマの穂がゆれる道路脇に撮影に立ち寄った。酒匂縦貫道路の鬼柳付近。道路脇は水田が多く広がっているが、所々休耕地になっている。昨年の秋に酒匂縦貫道路の工事の様子を撮影に訪れた時に、この周辺の休耕地にガマが群生しているのに気がついた。道路脇の休耕地に群生しているガマ。もともと田んぼのような場所だったようで地面は水分を多く含んでいる泥地。ガマは沼や池の水辺に生える植物で、この周辺の休耕地は適度にぬかるんでいてガマの成育にはぴったりの場所のようだ。風にゆらゆら揺れるガマの穂を撮影。ガマは夏に茎をのばして円柱形の穂をつける。来年は夏の早い時期に訪れて褐色になる前の穂の様子も撮影したい。街中ではあまり見かけないガマだが、日本の文化に古くから登場する植物で、水墨画に描かれたり、また一説には蒲鉾や蒲焼などの語源にもなっている。不思議な形のガマの穂だが、晩秋になると穂から綿毛のような実を飛ばす。すでにいくつかの穂から綿毛が出ていた。昔は、この綿毛を集め布団に用いていたとのこと、もともとは蒲にちなみ蒲団と書いていた。日本では古代から寝具に蒲を利用してきたようで、因幡の白兎の神話でも傷ついた白兎が蒲の上に寝転ぶ場面が出てくる。蒲の綿毛の布団はどのような寝心地なのだろうか。

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