小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



散策の途中に石仏石塔を見つけては写真に撮っている。帰宅してから刻まれた文字の意味や造立の年代を調べるのはなかなか楽しい。その石仏石塔のカテゴリから少し外れた石の遺物に力石がある。このブログでも何回か紹介したが、信仰対象として造られたものではなく、村の祭りの力自慢などに使われた石で、一見すると自然石と見分けがつかない。力石は無銘のものが多く、資料に記載されている場所に出かけても見つけることが出来なかったりすることも多い。先日、図書館で力石に関する資料を探していたところ、小田原市下大井にある力石には銘が彫ってあるとの記載があったので見に出かけた。小田原市下大井の県道711号線沿いにその力石は置かれている。場所は国道255号沿いのハラジュク小田原工場横の細い道路を通り、県道711号との合流地点付近。県道脇に石塔が集められている一画がある。どの石も汚れているのと磨耗で文字が読みづらい。探している力石には「をのこはし」と刻まれている。一番左側に置かれている汚れた石を見ると「をのこの・・」の文字が確認できた。これが探していた力石だ。しかし、この力石は一番道路寄りに置かれているので、車の切れ目を見計らってはいつくばるようにして碑文を読まなければならなかった。写真も撮りづらい。力石には「下大井村 をのこはし 延享元年八月吉日」と刻まれている。延享元年は1744年なので270年前の力石のようだ。この下大井の力石の重さは不明だが大きさは50cm×25cm×30cmほど。道路脇なので交通事故などで損傷してしまう心配がある。力石の置かれている反対側の角にも同じくらいの大きさの石が4つほど置かれていた。銘は無いのでただの自然石のようだが、力石を見た後だと、これも力石に見えてしまう。小田原市内には後、何箇所かに力石が残されているようなので、また機会をみては出かけてみようと思っている。

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