のら猫の三文小説

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香奈とコシロの子供たち No.210

2014-01-04 00:00:29 | 香奈とコシロの子供たち

ジブトラストは

緩やかな統合を

しながら、発展




一方、ジブトラストの体制は固まり、役員会や非公式役員懇談会が開催された。役員会は特に議題がなければあっさりしたものだったが、不定期の非公式役員会が大変だった。



これは実質的には、各グループの成績発表と取引内容説明会のようなものになった。ジブは半年決算だから、半年に一回、決算時と、投資案件の大きい時などに開催される事になった。ジブホームホテルの大会議室とか香奈の隣の食堂と云うかレストランを使い、もっと大きな大会議室にして開催された。カフェテリアもあるし、飯も食えた。




ジブトラストでの各グループの成績は、神之助グループが大体トップだった。加代子の神がかりの程度と為替が動かない時などに加代子のグループが追い抜く時もあった。



加代子のグループは為替以外は、儲かる事はなんでもやった。神之助のグループには、資金力の大きな金融センターまであり、別格扱いもされていた。大分離れて、神子、神元、神帥、切人、聡美のグループが入り乱れていた。



聡美のグループは、保有する会社からの配当に加えて、先物で儲けて、その上に追加される株式の売買利益からなるグループであり、ヨーロッパでは有力なグループではあったが、聡美の先物取引には波もあったし、株式売買による利益も変動が大きかった。一番運用成績が、大きく変動するグループだった。



驚いた事に神元のグループは、すっかり組織的な対応をするグループに変身していた。実業分野でも結構大きくなり、資源関係でも儲けていた。神元自身がリスキーな勝負をする機会は、それほど多くなかった。



神帥のグループは、もっと組織的になり、実業なんだか運用なんだか訳が分からないグループになっていた。ブラジルの羽郎と組んだ事業も恐ろしく伸びていた。




そして相当離れて神代のグループがあった。神代の予知は正確ではあったが利ざやは細く、チマチマ儲けた。儲けは取引頻度に比例した。神代も暇でもなく、確実に儲けられる時に、取引した。



オーバーナイトしても、微妙に上下するような時はやっばりそんなにオーバーナイト取引はしなかった。儲けと予知確率とを比較して取引をしたので、ドカッと儲ける事はできなかった。



短期間に倍になったり、半分になったりする事はなく、ある程度上下すると神代が思った時にオーバーナイトした。普通はその日の高値、安値はある程度判るので、それと比べて取引する事が多かった。所謂ディトレードに近い取引をした。ただカミヨエンジニアリングからの利益が伸びてきて、聡美のグループが低調な時には競った。




神二郎の新宿は、Aチーム以外取引をしないので、常に最下位だった。それが不動産チームへの多大な投資が効いて、不動産チームの利益も急上昇して、その上Bチームの成績も伸び、これ又利益は、上昇していた。利益の変動の激しい聡美のグループは、いつも緊張感を持っていた。




会長室や副会長室、そして神太朗のチームもあったが、会長室は、香奈は取引と云うより出資が多いし、会長室の沙織も取引するし、副会長の正子も取引していたが、人数も少ないし、この2つの部門は、最初から比較対象外となり、神太郎のチームは、ジブの実業部門を率いているようなものだった。取引なんかよりも割り当て増資に応じたり、保有している株式を担当する運用グループとの話し合いをして上での調整売買がほとんどだった。



各グループを問わず、ジブ全体として多く投資している会社の成長を助け、その価値を高めるのが、役割だったので、同じく比較対象外となっていた。






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