洋之助、自分の息子の洋太郎に取り扱いに困る。
洋太郎には、2つ年上の俊子と3つ 年下の清子がいた。二人とも洋太郎の言いなりになっていた。洋太郎は時間を調整しながら二人と交際していた。
清子は大学に入って、洋太郎に憧れ、洋太郎が最 初の男であり、洋太郎と何回もやっていた。洋太郎は何度も別れようと言ったのに、清子はいやがっていた。
俊子は、学生時代に洋太郎が声をかけたけど、4年 ほど関係が続き、洋太郎仕様の女になった。もう働いていたが、洋太郎が声をかけると飛んできた。 洋太郎にとって、俊子は憧れの先輩であって恋人になり、やがて性処理の女と変わっていった。俊子も洋太郎は、生意気な後輩から恋人になり、俊子の所有者に なっていった。
洋太郎は、俊子に別れを言いだして、俊子はすがり、そして俊子は、洋太郎の女から、洋太郎のいいなりの女まで落ちた。
洋太 郎は俊子と関係を持続する代わりに、俊子はすべて投げ出した。経済学部で英才と言われ、美貌と才能も、そして身体も、すべて洋太郎の手の中にあった。まだ 働き始めたばかりであったが、洋太郎は会えば、俊子の財布を自由に使った。俊子も当然と思っていた。お金がないと会ってくれないので、家賃とかぎりぎりの 生活費を除いて、すべて洋太郎の会う費用にしていた。俊子にとって、洋太郎に使われなくなる事が怖かった。洋太郎以外に男は考えられなかった。
清子は、大学の先輩である洋太郎に憧れていた。もてあましていた処女を捧げ、洋太郎の恋人になりたかった。洋太郎は資産家の長男だったし、ゆくゆくは社長 夫人の夢も見ていた。清子は高校時代から、美人と評判だった。ラブレターも山のように来た。洋太郎に処女膜を破ってと頼んだら、簡単に受けてくれた。次ぎ も会って貰えると思ったら、もういいと言われ、むきになって、洋太郎にすがっていた。清子の家も資産家で、お小遣いも十分にくれた。ともかく洋太郎の歓心 を買うために、レストランで食事し、ホテルで関係を持った。洋太郎も私の美貌を認識してくれる筈だと思っていた。
洋太郎は、新しい女を探すのも面倒だったので、ただ二人と付き合っていただけに過ぎなかった、洋之助の若い頃に似て、尊大で傲慢な青年で、頭が良かった。 清美の運用会社で、手伝いながら、洋之助から借りたお金も増やしていた。洋之助は、自分の若い頃を考えて。簡単にかなりの金額を貸してくれた。その金額ももう2倍にもなっている。株の天才だと自惚 れていた。今の金を倍にすれば、億も目前だ。借りたお金を返す事も考えたけど、億の金を見てからにしよう。なに、もうすぐだ。
洋次郎と真弓はそれほど時間を置かず、相次いで亡くなっていた。洋之助もさすがに気分が滅入っていた。遺産の処理も大変だった。次平や慶子は知ろうともし ないし、健介と相談してやっていた。ただ配当や家などはある程度、次平や慶子に残す必要もあり難しかった。
まだ名義等の変更や処理のついていないものも多 かった。そんな時に洋太郎の事が判った。洋之助は、じっくり洋太郎と話をした。そして愕然となった。自分の恥部を見る思いであった。父や母が亡くなってい て、良かった。父がこんな事をしっていたらとどう思うだろうと考えていた。暫く動けなかったが、気を取り直して、清美にも洋太郎の事を聞いていた。
清美は 「洋之助さんには悪いが、一言で言って、薄くて細いよ。良子さんのプログラムの中で大きく儲かりそうな所だけつまんで、自分でやってるみたいだよ。良子さ んは慎重に計算してるよ。大きく損はしないように、合計でブラスになるようにとね。プログラムの精度も上がっているから、あまり外れない。洋太郎くんはそ れを利用しているだけだね、でも今はそこそこ儲けているよ。」と言った。
洋之助は美佳と話すと衝撃が大きいと思って、まず和子と話した。
和子「どうしようない男になっているのね。兜町のゴロみたいだね。あの世で、洋次郎さんは泣いているよ。頭がよくて、顔もよくて、あそこも多分大きいだろう。美佳さんも知ってるの」
洋之助「父が生きていたら、大変だった。洋太郎は許されないだろう。母も泣いていたと思うよ。美佳さんも衝撃受けるよ。僕も愕然としたくらい。」
和子「うちの香奈は馬鹿な所もあって可愛いけど、何かムカツク男だね。痛い目会わないと分からないよ。馬鹿なら、話もできるけど、中途半端に賢いと大変だね。」
洋之助「そんな事言わないでよ。どうしたらいい。」
和子「策略家の洋之助なのに、他人ならどうするの。女に、別の男を誘わせて、別れさして、大きな損出るようにして、借金作らせて、真面目に働かすようにする。そうするでしょう。」
洋之助「そうだけど、あいつはなんか底なしの沼に入りそうな気がするよ。それに二人の女もどららもいい女で惜しい。損させるといっても、ベースは良子さんのプログラムだろ。そんなに損はしないよ。」
和子「良子さんの計算は優秀だからね。洋太郎くんをおだてて、別の会社作らすか?香奈、今良子さんの所で手伝いしているの。」
香奈「なんの用なの、良子さんの一之助さんと裕一さんが両方とも結婚するのよ。真美さんと同じ月に、だから良子さん忙しく て、私がプログラムに経済予測のモジュールを加えたの、おかしくなっていたみたい。今修正中で大変なの。コシロが鳴くのでオカシイと思ったのに、そのままにしていたのが、間違いだったの。清美さんからも怒られたの。リ
スク取り用の数値の 桁も間違えて、たまたまリスク取りの方の利益が膨らんで、損しなかったけど、良子さんが暇になるまでお休みになったの。もう私が触るなと言われたのよ。洋 太郎さんは、リスク取らなかったので、凄い損をしたと言ってた。おじさんご免なさい。」
和子「馬鹿な子ね。徹さんとやる事を考えいたのでしょう。仕事の時は頭を切り換えないと」
香奈「私は我慢しているの。徹さんのものを考えていたの、もう我慢も限界よ。少しでも気を紛らわせようとしていたのに。」
和子「情けない子ね。もう少しだからね。もうすぐしたら、壊れる程やって貰えるよ。清美さんに謝っておこう。」
和子「清美さん、香奈が失敗してご免なさい。」
清美「本当よ。危ない所だったわ。でも怪我の功名よ。元々良子さんのブログラムはさや取りが基本なのよ、上がり過ぎを信用 で売って、出遅れを現物で買う。大体買いが多いから、先物も少し売る。それが信用の売りが10倍で先物の売りが100倍も取っていたのよ。私も忙しくてそ のままオーダーしていたのね。運用会社の口座の現金がかなり増えていたのに気が付かなかったの。単純な桁数の事なのに、こんなミス始めてよ。それに大暴落 よ。だから私は記録的な利益になったけど、後でみて怖かったわ。証券会社からは凄いですね。明日も下げそうなのにもう手じまいですかと言われたけどね。今 日で運用は出資金の3倍になったわ。人には言えないしね。暫くお休みして、良子さんが暇になったら、確認プログラムとか発注方法も考えるわ。和子さんは香 奈さんの留学費用など十分お釣りが来るわよ。」
洋之助「洋之助です。電話変わりました。洋太郎はどのくらい損したの。」
清美「三分の一以下になったみたいよ。ロスカットもできないから確定してないの。
現物、信用そして先物全部逆になったね。 追証来るよ。しょんぼりして帰ったわ。でも洋之助さんの利益とは桁が違うよ。子どもの結婚費用も要った人も多いから、もう締めて、今期の利益の半分は振り 込む予定なの。私の方でカバーしてあげてもいいわよ。洋之助さんは、それでも振込む金額は出資金以上にはなると思うわ。」
洋之助「いやそれはいいです。私がなんとかします。そんなに儲けたなら、井戸の水をみんなで使えるようにでもしたら、みん なが助かりますよ。ところで洋太郎は、まったくリスク取っていないの。」
清 美「私も知らなかったけど、そうみたい。昨日アメリカで下げたから午後には手じまいしようと思って料理店の本部にいたの。 洋太郎くんが大変ですと言うから、直ぐに行ったら、大暴落でしょう。買が多いから、損がどの程度になっているか分からないからみんな手じまいしたの。
洋太 郎くんは呆然として役にたたないの。締めてみると凄い利益になっていたけど、怖かったわよ。だけど、洋太郎くんは現物担保に信用で買って、先物も買いよ。 こんな大暴落では直撃だよ。怖いことしてたのね。でも現物で明日買ってあげれば、やがては上がるわよ。先物もクロスするか手じまいすれば。明日も荒れそう よ。洋太郎くんも初めの大損ね。これがあるからリスク取るのに、株は怖いのよ。井戸の水を簡易水道にするくらいは簡単よ、そうね。棚ぼたみたいた利益だか らね。少しはみんなの役にたつしね。」
和子「和子です。井戸の件は私も賛成よ。多少は役に立たないとね。結果オーライとは云え、ご免なさいね。香奈にはよく叱っておきます。忙しい所、ごめんね。」
和子「洋之助さん、美佳さんと話しないと、二人の女の子の事も。」
洋之助「仕方ないね。いつまでも隠しておけないね。しかしこの失敗は良い薬だよ。」
洋之助「美佳さん、隠しておける事じゃないから」
美佳「株の損得なんかどうでもいいけど、二人の女を弄ぶなんて、お義父さんやお義母さんが一番嫌っていた男になっていたのね。最低ね。貴方もそんな事したの。」
洋之助「私はそんな事はしないね。」
美佳「私が女の子と会うわ。兎も角洋太郎を呼びましょう。」
洋太郎「実はお金貸してほしい。今日は大変な日で。」
洋之助「大体聞いたよ。それで内訳は話してごらん。それは、すべて私が片づけるよ。でも条件がある。2カ月紡績で働きなさい。」
洋太郎「管理とか運用なの。」
洋之助「運用は実績のある人たちが慎重にしている。お前が入り込む余地はなんかないよ、今は。管理は現場知らないと出来な い。それに紡績の現場は労働はきつくない。ただ礼儀や挨拶には厳しいよ。」
洋太郎「そんな所いやだ。」
洋之助「このままほっけば、株もできなくなのよ。お前の金もなくなっただろう。」
洋太郎「仕方ない。やりますよ。」
美佳「俊子さんと清子さんの事を話して。」
洋太郎「どうして知ってるの。」
洋之助「お前から聞いて調べた。二人ともいい人だ。どうするつもり。」
美佳「私が二人の女の子の母親から貴方なんかとは別れさすけど、私は洋太郎の母親なの。」
洋太郎「俊子は初め経済学部のマドンナだった。頭も良くて憧れていたのに、4年間使っていたら、あいつは何でもする女に なった。もう僕なしでは生きていけない身体になった。いつまで使って。結婚してとは言わない。だから使ってやってるだけだよ。ノーパンで来いと言ったら、 本当に来るよ。もうあいつは女というより、僕のために生きている生き物だよ。清子は処女破って、付き合っては言わないと言ってたのに、別れたくないと言っ てね、時々会って使ってるだけだよ。ホテル代も食事代も、あいつらが出してる。僕はもう二人とも飽きてるよ。別れてもいいよ。」
洋之助「私も残念だよ。とりあえず二ヶ月間働きなさい。」
美佳「あんな子が私の息子なんて、亡くなったお義父さんやお義母さんにも顔向けできないわ。私自信がなくなった。」
洋之助「私は自分の悪いところをそのまま見てる気がする。洋太郎は私のそのものだよ。美佳さんに会ってなければ、私もあんな男になっていたかもしれない。なんとかしないと。」
美佳「洋太郎も女で変わるの。」
洋之助「それしかないよ、あいつが救われるのは。運用は酷いもんだ。あれは運用ではなく博打だよ。良子さんのプログラムが いいから、利益が出ていただけだよ。良子さんは数学的に見て、損が少ないように設計している。精度高いけど、外れる事もある。だからリスクも取ってる。リスク 取らずにやれば、大損する事もあるよ。」
美佳「二人に会ってみます。洋太郎を立ち直られてくれる人かもしれない。」
洋之助「清香とも話してね。私は清香の事は分からない。」
美佳「私も怖くなったから、清香ともよく話してみる。」
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