のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.162

2014-06-25 00:00:45 | 新しい子猫たち 


カヨコジャパンの連中も、愛染明王さん基金が、ごっそり減った時には、いくら加代子でも世間の実態がわかるだろうと思っていた。確かに連中の思った通り、一気に愛染明王さん基金がごっそり減った。














加代子は平気で、ごっそり減った分は、カヨコジャパンとして寄付しなさいと軽く言った。偶然にもカヨコジャパンは、その寄付をする程度の稼ぎは十分あった。














神之助の運用は巨額な運用利益を出し続けていた。それに神子も負けじと儲けていた。カヨコジャパンの経営陣の高給も払い、組織の運営も出来ていた。ただ、連中はズル賢く、冷静だったので、神之助や神子の稼ぎも、いつまでもこんな信じられない儲けの水準を保つ事を期待する事は出来ず、こんな事をしていると、いずれは、雪だるまのように寄付が膨らんでいき、完全に赤字になるぞと言いたかったが、加代子のアメリカの会社の責任者の脅しもあり、黙って従っていた。それに節税効果もあって、連中の報酬は節税効果によって上がる建前なので、少し上がっていた。それも黙っていた理由でもあった。














ただそんな事は数年間続き、カヨコジャパンは膨大な寄付をし続けていた。何しろ神之助への運用委託は高水準の利益を維持していたし、神子もやたらと儲け続けていた。














ただ、ある程度経つと、愛染明王さん基金の減少は緩やかになり、やがて少しづつ増えていった。加代子教へのお賽銭や寄付は、増えていた。加代子教は、こうしたお賽銭や一般からの寄付を集めて、宿泊施設であったニコニコホテルへは基本的な運営料と利用客数に応じた付加的な運営料の追加、はっきり言えば、一定の利益還元みたいなものをニコニコホテルに渡していた。














それに加代子教そのもの運営費を引いたものを、愛染明王さん基金に積み立てていた。支払う金は膨大だったが、入ってくる金が増えていった。愛染明王さん基金は、年間に必要な額の二倍程度の金を一応基準にしていた。これを下回るとカヨコジャパンは寄付していた。ついにカヨコジャパンからの寄付は減っていった。














確かに累積すると、カヨコジャパンのつぎ込んだ金は膨大だったが、毎年の寄付するお金は、減っていた、加代子教の愛染明王さん基金は増えていき、やがては、カヨコジャパンからの寄付はしなくてもすむようになり、その後も愛染明王さん基金は、少しつづではあるが、増えていった。














勿論、カヨコジャパンのつぎ込んだ膨大な金に比べれば、遥かに少ないものではあったが、基準としていた額よりは、愛染明王さん基金は少しつづあるが増えていた。つまり年間では支払う金額よりも、お賽銭や一般からの寄付が多くなった。














金の事は兎も角、エンジェルホープジャパン九州病院は、各地の診療所以外にも、各地の病院そして開業医たちとの大きなネットワークが出来ていった。














加代子教は、名前こそ宗教法人みたいだったが、医療費はタダになっても、病気すると、色々と金は要った。交通費や宿泊料と言った名目以外にも、栄養費とか言った生活支援金まで出し、そうした活動をする社会福祉団体のように思われていた。














宗教法人では、おかしいと思う奴も当然いたが、援助を受けた多くの人がいて、助かっているので、そうした声はかき消された。まだそうしたネットワークは九州以外ではそれ程進んでいなかったが、エンジェルホープジャパン九州病院は、九州では大きな医療グループを組織していた。














恵の財団の九州の地域病院とも協力していたし、ニコニコサービスとも協力していた。九州では有名と言うか、支配的なグループとなっていった。これはもう少し先の話であった。





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