新しい子猫たち No.２１０６

有希は　洋之助の作った　治部洋服を大きくしていった。創業者とは云えないが　創業して　少し経過してから参画していった。紡績ほどの社員福祉ではなかったが　紡績の営業部門とも　話をしている間に　いつしか紡績の社員福祉に近づいていた。営業会社として日本でも有数の社員福祉をしている会社だったし　有希もそう思っていた


有希は　もはや会長なので　前線の話はよく知らない。治部洋服と有希エンタープライズは　有希エンタープライズが単なるブランドのオーナーではなくなり　色々な分野に進出していく間に相互交流が出来ていった


治部洋服の社員福祉よりも　有希エンタープライズの方が進んでいる所があるなんて　有希は想像さえしなかったが　実態はむしろ治部洋服が有希エンタープライズの社員福祉を参考にして変わっていった　とは　全く知らなかった


そして有希にとっては　娘の出産そして結局結婚と順番が違うが　娘の妊娠中に色々とアイツが取った　変わり身の早さを知っていた。　こんな女知らない　から　治部一族の娘と判った時のアイツの変わり身の早さ　は　頬を殴りつけたい程の怒りを覚えた。まあ　子供の父親だから　と辛抱したのだ。確かアイツはゼニ儲けは巧い　それは商会でも有名だった。ゼニ儲けは巧くても人間としてはね　と思う癖がついていた