のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.267

2014-10-10 00:00:55 | 新しい子猫たち 

もう一つの大きな銀行の元役員は、銀行員としては異例の政党の派閥の金庫番みたいになっていたし、単なる銀行員ではなくて、親分肌の人だったので、嫌う奴もいるが、このオッサンに庇護されているような奴らもいた。

コイツらは、親分が銀行を去ると、一気に立場がなくなる事を憂慮した。それに香奈ファイナンシャルなら、むしろもう一つの大きな銀行の大株主の会社で、もう一つの大きな銀行の出身者も多い。結局、このオッサンに近い人たちが一気に、香奈特別基金に移動した。

香奈特別基金の一般融資は、香奈特別基金事務センターから人がナントカ人を派遣して運営していたのが、一気に本職の人たちが、運営するようになった。

こんな奴らは、香奈オーバーシーズとしての、もう一つの大きな銀行と組んでの協調融資も担当していたが、香奈特別基金の融資事業が有名になり、次第にこの協調融資は影を潜めていく事になった。香奈特別基金は融資事業での存在感を高めていたからだった。

もう一つの大きな銀行の元役員は、常務まで勤めたおっさんで、リテール事業は知り尽くしていた。今までの融資形態も変えていった、香奈特別基金が融資をして、もう一つの大きな銀行、一族の銀行、リトルチャグループのお宝銀行から、香奈特別基金がもっと低利で借りて、それを融資するように変えた。

このおっさんは返済保障するよりも直接借りる形にして方が、資金コストが安いと知っていた、香奈ファイナンシャルは借金がなくて、資産が莫大な企業だったので、銀行は日本の国が調達する金利と同等の金利で金を貸した。

元々借りる必要もなかったのだが、今までの付き合いもあるし、銀行としても融資先は必要と云う理屈も知っていた。トコトン安い金で融資してもらった。正人は金を借りる必要があるのかと難色を示したが、もう一つの銀行から、金余っているので、是非借りて欲しいともいわれ、正人も納得して、逆に同様に難色を示していた香奈を説得した。一族の銀行の神一も、わざわざ香奈に頼みに来た。香奈も仕方なしに認めた。

金持っている人たちが借りると安くなるのが利子で、強い立場で金借りると、途端に安い金利になるのが不思議な事だったが、兎も角香奈特別基金は、半年、1年そして2年などの期限をつけて、複数の借り入れ入札までしていった。

そして競争入札なので、益々借り入れコストは低くなった。国債とほとんど同じ利率になった。何しろ高い金利なら、一族の銀行とかもう一つの銀行に預けている、定期を解約するようにするぞ、元々金借りる必要はないのに、銀行の事情を勘案してこの方式を取っているのだと、このオッサンは脅していた。

貸し出し金利は、いわゆる大企業並みの低金利は維持して、リテール融資としては破格の低金利だった。それでもこの利子の差により、膨大な利益を生んでいた。

しまいにこの融資事業は別会社にして、香奈信用保証となった。別会社にすると税金が安くなった。しかも香奈ファイナンシャルから香奈信用保証が借りる形を取って、利益分散できた。

しかし、香奈は金貸し事業は私の性に合わないと正人に注意していたが、借りている人たちに影響でますよ、陽太さんからも助かっていると言われてますよといわれ、シブシブ納得していた。