傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

麻生首相、中国でアニメで感嘆も結構ですが?中国の動漫政策は国策ですよ。

2009-04-30 10:46:42 | 政治

時事通信が、「映画、アニメの影響力実感=中国の監督らと懇談-麻生首相」で、麻生首相が「映画・アニメの影響力実感」と報道しています。
麻生首相が、中国で、アニメで感嘆するのも結構ですが、遠藤誉女史によれば、中国の「動漫」政策は、日本を「国際的敵対勢力」と位置づけ、日本動漫の席巻を「戦略的な文化侵略」が基調であり、日本のアニメ産業は、現実は、衰退しつつあります。
一方、遠藤誉女史は、「サブカルチャーが民主主義の基本」であるとし、中国の「動漫新人類」が中国の民主化に担い手になる期待もあります。

麻生首相の「漫画・アニメ」好きは、当方は、批判はしなし、肯定的ですが、但し、「漫画・アニメ」は「サブカルチャー」に過ぎず、記者会見で、雑誌を持ち出し、記者に「このタレント知っている?、知らない!、記者は、現場を知らない。」という資質か、気質には、神経を疑います。

中国の動漫(漫画・アニメ)の動向については、遠藤誉女史が、日経ビジネスに、【中国動漫新人類」はどこへ行くのか】で連載しておりました。

連載の前書きには、

「たかがマンガ、たかがアニメ」が中国の若者たちを変え、民主化を促す--? 日本製の動漫(アニメ・漫画)が中国で大流行。
その影響力は中国青少年の生き方を変え、中国政府もあわてて自国動漫産業を確立しようとやっきになっているほど。
もはや世界を変えるのは、政治的革命ではなく、サブカルチャーの普及による民衆の生活意識の変化なのだ。しかも、それを手助けするのはたやすく手に入る「悪名高き」海賊版なのである」


で、連載には、中国政府の政策として、

日本を「国際的敵対勢力」と位置づけ、日本動漫の席巻を「戦略的な文化侵略」と非難し、ましてや中国に対する好意を、「中国国産動漫の台頭を押さえつけ、青少年の精神を洗脳するための対外ダンピング」などと位置づけている限り、中国国産動漫に真の発展はない。」

と書かれています。

確かに、現在の中国で、漫画、アニメの活躍する人間は、日本の漫画・アニメの政策現場で習得され、日本には、「先生」という意識がありますが、中国民衆が、日本の漫画・アニメで、意識変化が大きくなると、中国政府は、日本の漫画・アニメを制限し始めると同時に、漫画・アニメを一大産業と位置づけし、動漫産業の振興を国策にしましたね。

遠藤誉女史は、サブカルチャーは、中国の民主化を後押しすることを、”【最終回】「中国動漫新人類」はどこへ行くのか”で、中国民衆の精神の革命をもたらした「日本動漫」とし、「サブカルチャーこそ民主主義の基本」として、

そして動漫のようなサブカルチャーの隆盛こそは、民主主義の基本だということに注目しなければならない。
中国が動漫産業を振興させようと思えば、「次文化」の担い手である民衆の声に耳を傾けなければならなくなる。
耳を傾けなければ中国国産動漫は産業として成立しないし、傾ければ民主主義的手法へと近づくことになる。それを恐れた結果、中国国産動漫が成立しなければ、若者の精神文化の形成は日本動漫に委ねることになる。
それは中国の最も恐れる事態だろう。

となると、どちらを選んでも、そこには民主主義が待っていることになる。
こうした流れを押しとどめることはもうできない。

 中華人民共和国のすぐ先には、確実に本当の「民主化」が待っていることになる。
ただ、そこまでたどり着くのに、「中国動漫新人類」たちは迷い、苦悩し、そして、もがいている。


と結んでいます。

一方、日本のアニメ産業の制作実態は、悲惨な状態ですね。
永沢徹氏(弁護士)が、ダイヤモンド社サイトに、「アニメ業界の「下請いじめ」が明らかに。」に、寄稿しています。
サブタイトルは、「夢描く業界で蔓延する制作現場の疲弊――悪しき商習慣是正のため、経産省がガイドライン策定へ」で、アニメ産業の現場は、「蟹工船」ではないですが、低賃金で、時間に追われた、疲弊した実態を書いています。

麻生首相の施政方針演説に、「改革による経済成長」に、「アニメなどのコンテンツ、ファッションなどのブランド力、おいしく安全な食べ物といった、日本らしいソフトパワーを活かす「底力発揮」を掲げ、ソフトパワーを重視したことは、賛同しましが、特に、アニメ産業は、世界分業化が確立しつつあり、後追いでの政策は、税金の無駄使いと思っています。

これは、製造分野と同様ですが、アニメ制作分野でも、中国のほうが、日本企業に比べて、最新の大規模コンピュータシステム設備が導入されており、中国が世界の生産基地に担っているように、アニメ制作は、既に、中国が制作基地になっています。
日本が漫画・アニメ産業の振興には、創作・アイデア・流通の分野を注力すべきではないかと思っています。
または、新しい動きの3D(三次元)でのハード、ソフト(コンテンツ)、流通に助成すべきでしょうね。

当方は、本ブログ「中国、「ITソースコード強制開示」は、中国の覇権主義の表れでしょうね(追記)」で、

ITソース開示強制でもわかりますが、中国の民族性には、「我が道」を行く、中華思想か?、覇権主義か?判りませんが、世界標準に対して、何事も、中国標準を推し進める指向があります。」

と書きました。
中国人の中華思想の民族性と中国政府の覇権主義の流れに、遠藤誉女史の言われる「中国新動漫人類」が、民主的社会の形成へのパワーになえりえるか関心がありますね。





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