傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

徳洲会の功罪・・・地域医療の改革者であったが(雑感)

2013-11-16 09:49:38 | 独り言

昨年12月の徳田毅・衆議院議員の衆院選をめぐる公職選挙法違反容疑で、親族・幹部6人が逮捕された医療法人「徳洲会」グループが話題になっておりますが、徳洲会は既成勢力の医師会に対抗してきた地域医療の改革者であり、事を成すに性急しすぎた側面が露見したのでしょうね。

15日の朝日新聞の読者の「」に、社団法人研究員の大澤尚様(埼玉県人、48歳)の『徳洲会の理念、選挙が第一』意見を転載すると、

”「徳田毅・衆院議員の姉ら日本最大級の医療法人グループの関係者が、公職選挙法違反容疑で逮捕された。
 この医療法人は「徳洲会」。毅議員の父親の虎雄元衆院議員が創業者だ。彼は「生命だけは平等だ」という理念の下、病院を全国に作り上げた。この理念は非常に崇高であり、誰もが両手を上げ共鳴するものであろう。しかし、これがいつのまにか狂ってしまったようだ。
 それは、虎雄氏が衆院議員を目指し始めてからだと思う。「生命が第一」から「選挙が第一」に変わってしまったのではないか。だから、衆院選、参院選、県議選、市町村議選に配下の職員を総動員するようになってきた。虎雄氏の病気の悪化で、その子どもたちが父の意向通りフル稼働する様は。まさに選挙マシンだ。
 徳洲会は、かつての理念である「生命だけは平等だ」に立ち戻らなくては、再生はない
。」”

と記述しています。
この意見は、市井の一般人が徳州会に受け取る印象でしょうね。

ブログ「世相を斬る あいば達也」様のエントリー『徳田虎雄・毅親子の行いは法文上違法だ しかし、医療業界の改革者でもあった』では、この度の選挙違反容疑は批判されるが東京地検特捜部が出張って仰々しい捜査には異論を述べておりますね。
ロッキード事件、リクルート事件、ライブドア事件、西松・陸山会事件の推移をみれば秩序維持の性癖の東京地検特捜部には素直に受け取れないと。
徳洲会は、既得権力勢力と争い続けた医療改革者であり、政治力を行使することで医療改革の促進に繋がる思いであったと。

14日のNHKの「クローズアップ現代」で『揺れる巨大医療グループ 徳洲会・不正選挙の実態』でも徳洲会の不正選挙を取り上げ、番組紹介を転載すると、

”「組織ぐるみの違法な選挙運動によって、経営者の一族や病院幹部らが逮捕された日本最大級の民間医療グループ「徳洲会」。独自に入手した内部資料や関係者の証言から、全国の病院職員と資金を投入して、徳田毅・衆議院議員の選挙を支えていた図式や、重点地区を分析し集中的に職員を配置するなどの詳細な内実が明らかになってきた。なぜ医療グループは、選挙や政治に向かっていったのか。不正を主導していた疑いが持たれているのは、一代で、巨大医療グループを築き上げた徳田虎雄氏。“生命だけは平等だ”という理念のもと、離島や僻地に次々と病院を建設していく過程で、政治の力を必要とし、政治と選挙に傾倒していった知られざる過去が浮かび上がってきた。不正な選挙の内幕を語る証言者や内部文書などから、揺れる巨大医療グループ「徳洲会」の実態に迫る。」”

で、冒頭に、徳州会の不正選挙の実態を取り上げて、何故、徳州会が政治の力を必要とし、政治と選挙に傾倒していったかを背景・経緯を取り上げ、功罪相半ばという論調でしたね。

当方は、世の中が徳洲会グループは1億5000万の大規模の悪質の組織ぐるみの選挙違反であり、徳洲会の存在自体を否定する論調には違和感をもちますね。
選挙違反は咎められることは当然であるが、何故、徳洲会が政治と選挙に傾倒していったかの背景、経緯を知れば、全否定は出来ず、外部の衆知集め徳田ファミリー組織を清算し、新たな経営組織で”「生命だけは平等だ」”の理念の下で地域医療に邁進されることを望みますね。

サンケイ新聞の15日付け記事『【父子の野望-徳田虎雄氏の「功」と「罪」下】 噴き出した家族の欲 病が独裁者の威厳奪う』で、

”「「理事長(虎雄)がカブトクや関連会社の取締役に子供たちを据えるのは、努力しろという厳しさの表れだったのかもしれない」とグループ元関係者。一方で「いつも『子供に美田を残さない』と公言してきたが、実際は財産を残してやりたいとの思いを漏らすこともあった」と述懐する。」”

”「近年の虎雄は、古くから仕えた側近を次々と退け、家族が脇を固めるようになった。そして娘たちに都合の悪い情報は遮断されるようになったという。
 別の元側近はこう語った。「もともと、理事長は聖人君子ではなかったが、噴き出す欲を抑えるため『生命だけは平等だ』などの理念を唱和して、己を律してきた。今、家族の意見を唯々諾々と聞き入れる様子は、かつてのグループを牽引(けんいん)した徳田虎雄ではない」
 病気に倒れて顕在化した家族の権力欲。病床の独裁者は、ファミリーの心の変遷をどう感じ取っているのだろうか
」”

と、欠点もある徳田虎雄氏は病気になり、古くからの側近が退くられ家族の権力欲が顕在化してきたと、徳田ファミリーの行く末の不安を報道していました。

伊藤 博敏氏が、2013年02月14日、「現代ビジネス」サイトに寄稿のコラム『「徳洲会=旧自由連合」スキャンダルの背後にある「徳田ファミリー vs "すべてを知る男"」の血みどろの戦い』では、徳田寅雄氏の金庫番だった能宗克行氏を徳田ファミリーが「徳州会を私物化」と追い出しを画策し、能宗克行氏と徳田ファミリーの血みどろの戦いを記述していました。

医療法人徳洲会を一代で築き上げた徳田虎雄・元衆議院議員は既成勢力の医師会との闘争の歴史で、ウィキペディアによれば、苦学して医師になり身一つで病院を開設する生き様は凡人の域を超えており、その後の医療改革に猛進は打算を許さず敵を作る損な世渡りであり、暴君的な性格が事を性急に進め守旧勢力との軋轢打破に政治力が不可避と痛感したと推測しますね。
問題は、徳田虎雄氏が病魔に蝕られ、野望も野心も萎え、グループ内政治力も弱体してき、内輪争いが現出したと推察しますね。

当方は、この度の徳洲会騒動を傍観し、ヤマト運輸、佐川急便を連想しました。
宅急便のヤマト運輸の前身は、中堅の路線トラック会社の大和運輸で、宅配事業を起業拡充してきたが、各地に事業免許が申請したが棚上げ状態で許認可されない事態が続き、その後も信書配達では郵政省と戦い、宅配車の駐車問題では道路交通法に順応し、正攻法で事業拡大してきました。
一方、佐川急便は、ヤマト運輸を追う立場から事業拡大の事業許認可には別会社設立で対応し、政治力を活用した経緯がありますね。
一時は、政治関連で社会問題になりました。
両社の初期の事業拡大策は、政治を活用の有無の相違があり、徳田虎雄氏も佐川急便と同様に各地への病院開設に政治活用した類似性がありますね。

当方は、先鋭的な新参者が土俵で勝負できないことが日本社会の宿弊と思っています。
新参者を土俵に上げない既成勢力(業界団体)の声に政府行政が容認してきたことが問題と思っています。
多分、徳田虎雄氏も地域医療改革に病院開設に難渋し、政治の力を活用しようと思ったと推察します。
自ら政治団体(自由連合)を設立し、自民党の入党も日本医師会の意向で追放され、意地になり医療改革に傾注してきたが病魔で野望も希薄になり、頼れるは家族と思うようになってきたのでしょうね。

当方は、徳州会の理念”「生命だけは平等だ」”、理念の実行方法の
”「年中無休 24時間オープン
 ・健康保険の3割負担も困っている人には猶予する
 ・入院保証金・総室(大部屋)の室料差額等一切無料
 ・医療技術・診療態度の向上には絶えず努力する
 ・患者からの贈り物は一切受け取らない
 ・生活資金の立替・供与する
」”
は素晴らしいと思います。

当方は、徳田虎雄氏が主導し、徳州会内部のゴタゴタを早期に清算・終息させ、外部人間をも参画した経営組織に一新し、徳州会の理念”「生命だけは平等だ」”の初心に帰り、正攻法で医療改革に邁進されることを希望しますね。
それが、功罪相半ばの評価から既成勢力と闘った医療改革の先駆者として功績の声が大きくなるでしょうね。
このゴタゴタで、日本医師会に医療改革のエネルギーを抹殺されることだけは回避を切望します。

「追記」

11月14日、伊藤 博敏氏が「現代ビジネス」サイトに寄稿のコラム『徳田ファミリー逮捕で公選法違反事件は年内決着 このあと徳洲会は厚労省支配下に置かれるのか!?』で、徳洲会事件は、徳田ファミリーと、虎雄氏が病に倒れてから実権を握った能宗克行元事務総長との"内紛"から始まっているとし、徳田ファミリーは能宗克行氏を業務上横領で刑事告訴したことで、徳田ファミリー派も改革派の能宗克行氏も共倒れし、今後の徳州会は、徳洲会の古参幹部が本音
”「そうなったら、内部か外部かはわかりませんが、厚労省の覚えがめでたい人が選ばれるでしょうね。グループには、税制優遇された特定医療法人や社会医療法人の問題もあり、役所にモノが言えた虎雄前理事長が不在となった時、無駄な抵抗をしない座りのいい人が選ばれると思います」”
を紹介し、「厚生省の漁夫の利」になると推察しています。

当方は、徳田虎雄氏には医療行政や日本医師会の既得権益と戦ったとし容認できる部分があり、伊藤 博敏氏の推察の「厚生省の漁夫の利」は既成勢力の勝利という最悪の終息と思え、徳田虎雄氏が最後の晩節を汚すことなき英断に淡い期待を持っています。



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