傍観者の独り言

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安倍首相の靖国神社参拝の雑感・・・今上天皇が苦悩・熟慮

2014-01-16 22:39:45 | 政治

安倍首相の靖国神社の参拝に関して、内外で燻っていますね。
靖国神社の正統性が問題の本質と思われるが、国民の大部分は先人を心情的に敬うのに、中国、韓国から非難には食傷気味になっており、安倍首相の靖国参拝に好意的な傾向ですね。
浅学の当方は、靖国参拝問題を深追いすると戦争責任、天皇制の問題になり、日本人のナショナリズムの問題になり短絡的な結論はないですが、この世で一番、神経を使っているのは今上天皇ではないかと思いますね。

ブログ「社会科学者の時評」様のエントリー『■ 幼稚と傲慢,靖国神社には「不戦の誓い」のために参拝したという,安倍晋三の「靖国理解のトンデモな間違い」 ■』で、阿倍首相の靖国参拝を酷評し、エントリー『■ 投書欄に観る靖国神社参拝問題の本質 ■  ◎ 安倍晋三は,なにをしに,九段北の戦争神社に願掛けにいったのか? ◎』では、朝日新聞の投書「声」欄に登場する高齢者の意見を取り上げ考察しております。
「オレンジニュース」の徳山勝連載・コラム『首相の靖国参拝を、多くの人はどう見たか』 では、毎日新聞の読者投稿欄「みんなの広場」の投稿者の靖国参拝意見を取り上げ考察しています。

門田隆将氏のブログ「夏炉冬扇」のエントリー『安倍首相「靖国参拝」と映画『永遠の0』』では、安倍首相の靖国参拝を好意的な見解を述べ、エントリー『「靖国参拝」から見る“マスコミ55年症候群”』では、靖国参拝を問題化したのはマスメディアとし、国民の心情から遊離していると述べていますね。

また、靖国問題を直接的に取り上げていないが、作家の星野智幸氏が昨年2013年12月25日の朝日新聞の「オピニオン」(今こそ政治を話そう)に寄稿『「宗教国家」日本』では、サブタイトル「他者を軽蔑、己は絶対ナショナリズム信仰で傷つかぬ安心、手軽に」で、学生、社会人成り立て時代には政治に関心を持つ人間は変人(ネクラ)扱いで皆無であったが、年齢を重ねた年代になった友人と会話していると、

”「話題が例えば韓国のことに及ぶと、それまでうってかわって態度が硬くなったのである。侮辱的な口調で嫌悪を表明する。日本に対する態度を批判しながら次第に激高し、中国についてもなじり始め、日本はもっと国防に力を入れるべきだと言い、特攻隊や戦没者への感謝を口にする。スポーツでの「日本人」の活躍を、涙を流さんばかり礼賛する。」”

と記述し、星野智幸氏は、若い頃はどの友人も政治に無関心で、リベラルでも保守的でもなかったが、それら友人は、

”「今は、まるでセクトの人間のように語る。主張の内容こそ異なれど、価値観を共有しない他者(中国、韓国)を軽蔑し、自分たち(日本人)を優越視し、自分たちの考えを絶対化する姿は、(宗教や政治のセクトの人間と)そっくりである。」”

とし、このような心情の人間はどこにでも普通にいるマジョリティーで、自分らを異端だとは感じず、「普通の人が当たり前のことを言っているだけだ」で、このマジョリティーは「日本人」を信奉する緩い宗教集団だと思えるナショナリズムと考察しています。

当方は、靖国参拝問題は、靖国神社の正統性の根源的な問題を、門田隆将氏の言うマスメディアが靖国参拝を問題化し、星野智幸氏の言う所の「日本人」というナショナリズムが背景にあり、問題を複雑化してきたと思われ、靖国問題で一番苦悩しているのは、今上天皇ではないかと思われますね。

伊東 乾氏が「JBpress」に寄稿のコラム『日本と世界の安全を願う天皇のご発言を噛みしめよう  右傾化する政治とは一線を画し、世界に向けてご発信』(2014.01.01)で、12月半ば、天皇誕生日の記者会見を取り上げ、微妙な立場である今上天皇が熟慮に熟慮した内容と称賛しています。

伊東 乾氏は、出だしに、記者会見の冒頭部

”「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました。戦争で荒廃した国土を立て直し、かつ、改善していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し、深い感謝の気持ちを抱いています。
また、当時の知日派の米国人の協力も忘れてはならないことと思います。戦後60年を超す歳月を経、今日、日本には東日本大震災のような大きな災害に対しても、人と人との絆を大切にし、冷静に事に対処し、復興に向かって尽力する人々が育っていることを、本当に心強く思っています
」”

を取り上げ、今上天皇は、”「まず何より「守るべき大切なもの」として「平和と民主主義」を挙げ「日本国憲法」の遵守」”に触れていることに称賛しています。

また、伊東 乾氏は、今上天皇の韓国との「ゆかり発言」を紹介しています。
9.11同時多発テロの直後、日韓ワールドカップを控えた2001年暮れの天皇誕生日記者会見で、天皇は韓国との間に「ゆかり」を感じるという

”「私自身としては、桓武天皇の生母が百済の武寧王の子孫であると、続日本紀に記されていることに、韓国とのゆかりを感じています

と「ゆかり発言」を紹介し、”「天皇家が朝鮮半島からの帰化人と血縁関係がある」”といったことは、学術的に考えれば特段珍しい話ではありません。しかしそれが在位中の天皇自身から語られた、そのプロセスを考えると、幾重にも画期的なことで、今上天皇自身が推敲したと考察しています。

安倍首相は積極的平和主義を強調し、靖国参拝については韓国、中国には丁寧に説明し理解していただくと説明していますが、歴史認識の問題に変調している現下に日本の正当化で納得させるのは難しいでしょうね。
日本の文化は、自然発生的の形成された神教に韓国(百済)から仏教伝来で今日の日本文化を醸成してきた側面があります。
謙虚な歴史的な認識をもたなければ、靖国参拝問題は沈静化できませんね。
同様に、同盟国のアメリカが失望するのは、安倍政権が日本国憲法の歴史認識が軽薄だからでしょうね。

靖国参拝問題は、国民には諸々の意見があり、メディア・政党にも賛否両論があり、日本で高次元で熟慮しているのは、今上天皇ではないかと思いますね。



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