鳩山首相が沖縄訪問し、「普天間移設を辺野古付近に」発言で、メディアは、「約束不履行で、現行案に回帰と、沖縄県民を怒り心頭させた」と喧伝しており、当方も、鳩山首相には、「胆力」もなければ、「智力」もないのかと酷評したが、余りにもお粗末過ぎるので、淡い希望を持っていると書き、鳩山報道には、素直に納得できす、沖縄訪問後のメディア、ブログを注視しました。
総論は、普天間問題は、メディアは「現行案回帰で、鳩山首相の資質の責任論、参議院選挙の痛手」の報道ですが、過去の鳩山首相の言動から、「ごめんなさい」では、余りにもお粗末過ぎで、素直にメディア論調には納得できず、一部のブログに同感・共感しました。
まずは、心情的に共感したのは、あいば達也氏のブログ「世相を斬る」のエントリー『鳩山は「ルーピー」を演じているだけ、まだ戦略は残っている』で、あいば達也氏は、朝日新聞の社説を取り上げ、
”「仲井真知事ではないが「目のくらむ」ような決着を見せた鳩山首相だが、鳩山が本気で海兵隊の抑止力を信じていると云うのも信じがたい。そこまで馬鹿では絶対にない。仲井真知事も名護市長も新基地を容認しないだろう。
米国も地元が容認しない所に基地を移転することは駄目だと言っているのだから、名護市辺野古は実現不可能なのである。
5月末の日米合意と云うものは、おそらく文書として合意するだろうが、形式的合意に過ぎないような気がする。つまり「絵に描いた餅」を演出しているだけの可能性が強い。」”
と鳩山首相を「そこまで馬鹿ではない!」とし、5月末の日米合意は、形式的な合意の可能性が強く、27日に全国の知事会で、沖縄危険軽減を要請し、沖縄基地問題を国民の問題にさせ、「日米同盟の深化」を目指しているのだろうとと書いております。
当方は、あいば達也氏の論評に同感の思いです。
あいば達哉氏が、不可解として、
”「まだキャンプハンセンの基地内基地案が俎上に乗っていないのが奇妙だ。
仲井真知事はどちらにでも転ぶ可能性を秘めている人物、キャンプハンセンなら新設基地とは言い難いわけで、充分実現性がある。
辺野古の海に杭を打つことは、小沢も認めないと思われる。踊り場合意だからこそ、小沢はそれ以上口を出さなかったのだと考えるべきである。」”
と書いていますが、当方も、キャンプハンセンの基地内基地案が話題になっていないのが不可解です。
本ブログで、「週刊朝日」によれば、鳩山腹案を立案者の橋本晃和教授で、日米の外交・安全保障の専門家11人「沖縄クエスチョン・日米行動委員会」を立ち上げ、当時、沖縄電力社長だったな仲井真弘多知事が財政支援に動き、その後も毎年、日米同盟と基地問題についての提言を発表してき、ラムズフェルド長官に普天間基地を「世界一危ない基地」と言わせ、普天間に駐留する海兵隊のグアム移転の流れを作ったとあり、橋本教授は首相と仲井真沖縄県知事、そして米政府と直接のパイプを持ったうえで、鳩山腹案(九州地区移設ローテーション案)を打ち出したと書きました。
当方は、仲井真沖縄県知事は、水面化で非公式に、鳩山腹案を知っているが、沖縄県民の「県外移設」の総意もあり、鳩山首相の本音・本心を図りかねているのはないかと憶測しますね。
次に、当方が共感したブログは、「すみっち通信」様のエントリー『普天間「NO」を貫き通せ』で、鳩山首相の変節を失望し、批判するより、鳩山首相が譲歩せざるをえなかったのか、原因を突き止め、障害を取り除き、素早く体制をリセットすることが肝要と書いております。
「すみっち通信」様は、早急に解明すべき点は二つとし、
① 「鳩山首相を支える側近の体制の検証」
日米同盟の現状維持と旧政権の政策継続を願う右派。普天間問題で米国との交渉において、どちらが主導権を握ってきたか?
日本側の交渉担当者らが鳩山首相の意に沿った交渉を行ってきたかどうか?
② 「5月末」という期限が持つ意味
現行計画推進は、「沖縄は横においても、まずは日米合意を」で、鳩山首相に遂行させた理由として、三つあるとし、
1) 米議会におけるグアム移転予算審議のデッドラインが5月末だということ。
最悪事態を回避し、日米が最初に合意した日本分担については必ず拠出しますよ、という証拠を作るために「辺野古」という言葉が共同文書に盛り込まれる必要性
2) グアム移転計画自体が見直しの可能性
グアム移転計画の不備を米環境保護局が指摘。計画の改善を米国防総省に警告したことより、米国文化財保護の対象となる可能性もあり、計画自体が暗礁に乗り上げる事態も十分予測される
3) ゲーツ長官は、「無駄」な軍事費見直しに姿勢
とし、アメリカ側のグアム移転計画がかなり厳しい状況下で、”「28日に日米共同文書をという背景には、グアム移転計画を推し進める上でまずスタートを切るために何らかの形での日米合意が必要だからだ」”と論じています。
「すみっち通信」様は、普天間問題を動かすには、
”「今回の鳩山首相の「日米合意先行」表明の裏には、こうした対米追従からの脱却を望まない層がいかに厚いかということを示している。そうしたなかで、米国に対等な交渉力で挑むには、かなりの主体性と強い意志が必要だ。
普天間を動かすのに不可欠なのは、官僚主導政治の廃止と官僚の意に則した報道体制で言論統制を図るメディアの改革だ。そのどちらも急には難しい、というのであれば、鳩山首相は間の人間をすべて飛ばしてオバマと直接話し合いを続けていかなければならない。
鳩山首相がアメリカと予算を交渉するうえで、もし、「思いやり予算」という名の下に日本がこれまで負担してきた米軍の駐留費にノーを突きつけ、日本が負担しなければならない理由をアメリカに明示させる、ぐらいの覚悟を持って挑むことができれば、きっと普天間問題は動かせるだろう。いや、それぐらいの心構えを持たなければ、対米追従の構図からは永遠に脱却できないかもしれない。」”
と、「官僚主導政治の廃止」と「メディアの改革」が必要とし、時間を要するのであれば、トップ同士の直接折衝しかないと論じています。
当方は、「すみっち通信」様のような見識はないが、沖縄基地問題を良化させるには、「海外・県外移設」という絶対解を解決させるという「胆力」と「安全保障」という現実解の「智力」をもつ「政治力」が不可欠と思っており、小鳩体制に希望をもっているのです。
NHKニュースは、本日(25日)でも、「鳩山総理大臣が沖縄県側に名護市辺野古のキャンプシュワブ沿岸部への移設を提示」と報道していますが、本ブログで、鳩山首相は、”「政府案を「辺野古のキャンプシュワブ沿岸部」でなく、「辺野古のキャンプシュワブ周辺部」との発言は、まだ、淡い希望が残りますが?」”と書き、「沿岸部」と「周辺部・付近」とは、大きな相違があると思っています。
「沿岸部」と言えば、現行「埋め立て」案から「桟橋方式」に変更する「現行修正案」を連想するが、「周辺部・付近」となれば、沿岸も含むが、陸上案も含まれます。
鳩山首相は、沖縄訪問後、記者から従来の発言の整合性を問われ、
”「辺野古ではあるが現行案ではない。環境面を徹底的に配慮する新しい形を何としても作り上げたい」”
と発言しており、公式の政府案は曖昧で、期待を持たせています。
当方は、鳩山首相の「腹案」については、正直、何なのか、想像できないのです。
報道されるような「現行修正+徳之島」の政府案とは思えず、まだ、鳩山首相の「腹案」を期待してるのです。
当方と同感する思いのブログは、格調の高いブログ「永田町異聞」様のエントリー『沖縄県外、国外、諦めるのはまだ早い』、当方と波長が合うブログ「ゲンダイ的考察日記」様のエントリー『普天間先送り決着の舞台裏と今後』ですね。
NHKニュースが「福島大臣 沖縄県知事と会談へ」で、”「25日、党首の福島消費者・少子化担当大臣が、沖縄県を訪れて仲井真知事らと会談し、協力して県外への移設を求めるよう呼びかけていく方針です」”と報道していますが、鳩山首相の「腹案」を遂行する「腹心」もいないのかと思うと、孤独な戦い(権力パワーゲーム)なのでしょうね。
「参考」
「永田町異聞」様、「すみっち通信」様が取り上げた「米環境保護局」については、ブログ「雑感」様のエントリー『沖縄ジュゴン訴訟と辺野古への基地移転の可能性』で、詳細に書かれています。一部引用すると、
”「日米両国共に米国文化財保護法(NHPA)違反の問題が解決されない限りは、普天間の代替基地の問題は解決をみない事となる。しかし、グアムへの移転は決定事項であり、日米間のチキンゲームでどちらが最後に勝つのかは、非常に不透明になったという事になる。」”
とあり、沖縄の「ジュゴン」が普天間移設問題を貢献する可能性がありますね。
本ブログで紹介した辻元清美女史(社民党所属/衆議院議員)のブログ『辺野古問題、動かしたのは「海の力」』でも自然保護問題が大きな力と書いています。
福島瑞穂が決して語ることのない真の意図は、祖国・北朝鮮から遠くへ米軍を移し、抑止力及び祖国への軍事的な脅威を無くすことである。
北朝鮮とグアムの距離は、普天間との距離の2倍以上ある。
社民党は見かけは日本の政党であるが、内実は北朝鮮の政党である。
伝統的に自発的に民主党と北朝鮮の機関紙であることを標榜している新聞(朝日)もある。
帰化人である彼女の政策は、夫婦別姓など、およそ日本人なら到底考えられない政策であるのが大きな特徴である。
確かに腹案があるのかもしれないし、ないのかもしれないが「辺野古基地反対」「県外国外」を言ってきた側としてもそれがなんであれ今は怒って見せるより行動が取りようがない。