傍観者の独り言

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鳩山前首相の「方便」発言の真意は「核問題?」(邪推)

2011-02-17 10:39:08 | 沖縄基地
鳩山前首相が、沖縄・米軍普天間飛行場の県外移設を断念した際、理由に掲げた米海兵隊の抑止力の維持について、「方便だった」発言が政府、与野党、沖縄県民、メディアから袋たたきで批判されていますね。
鳩山前首相の軽口・放言は謗りを免れないが、抑止力の真意は、究極は「核」問題になり、現時点では開示する事が出来ず、米陸海空軍と一体的に運用されている沖縄の米海兵隊を抑止力と方便でせざるを得なかったと邪推します。

鳩山前総理の「方便」発言には、前触れがありましたね。
ブログ「すみっち通信」様のエントリー『鳩山氏「普天間問題で官僚の激しい抵抗に」』では、鳩山前首相が2月2日に日本外国特派員協会で行った講演会のことについて、

”「講演については、日本の大手各紙が、菅首相に対する批判や小沢氏の強制起訴に関する鳩山氏の見解などに軸にした記事がたくさん出回っているのでご存知の方も多いと思うのですが、そうした日本メディアの報道とは対照的に、米メディアが伝えているのは、「鳩山さんが普天間移設問題の県外移設を目指していた在任時に官僚からの激しい抵抗があったことを明らかにした」という点です。

米紙ワシントン・ポストや米軍の新聞である米星条旗紙など各紙は、AP通信が配信した記事を各社のサイトで2日に一斉に報道。鳩山氏が首相在任時をふりかえりながら、鳩山氏が講演のなかで、政権交代後も外務、財務、通産などの各省が政治方針を決定するという体制は変わらず、普天間移設問題では、移設先を名護市辺野古と定めた日米合意の見直しに米国が強く反対。しかし、より激しい抵抗を示したのは、長期間にわたって県内移設案の策定にかかわってきた官僚たちだった、と伝えています
。」”

と官僚の抵抗で「海外・県外移転」を推進できなかったと書いております。

鳩山前総理の「方便」発言には、沖縄の「琉球新報」が『「抑止力」は方便/政治音痴の素人首相 政治不信と混迷を増幅』で、
”「これほど言葉の軽い政治家を見たことがない。そして、自らの言葉に無責任な人も。政治音痴の素人政治家が国を動かし、国民を翻弄(ほんろう)し、政治不信を高める。万死に値する大罪だ。」”
と、「万死に値する大罪だ」と鳩山前首相を酷評し、
”「米国防長官すら「海兵隊の機能」を疑問視し、米軍幹部ですら「有事の米国民救出」を第一の機能と明言し、米議会は「海外駐留削減と海外基地閉鎖」の論議を始めていることを、県民は知っているからだ。
 知らないのは鳩山氏と民主党政権の閣僚、そして米国追従が国是と自己保身的に信じる防衛、外務省を中心とする官僚らだ。
 首相を辞め、正直に語れるようになった鳩山氏は「抑止力」は方便で、県内回帰のための後付けの説明と認め、謝罪した。
 鳩山氏は公約実現に否定的な北沢俊美防衛相、「県外」公約自体を否定する岡田克也外相(現幹事長)、くい打ち工法(QIP)で辺野古移設を進言する岡本行夫・元首相補佐官の存在なども、辺野古回帰の要因と語っている
。」”
と、「海外・県外移転」への推進に官僚の抵抗があったことも書いております。

そして、「抑止力」が方便であれば、

”「官僚については「防衛省も外務省も沖縄の米軍基地に対する存在の当然視があり、数十年の彼らの発想の中で、かなり凝り固まっている」と指摘している。
 そして首相でありながら官僚、閣僚すらリードできなかった自らの力量不足を敗因と認めている。
 事は謝罪で済む話ではない。辺野古回帰の論拠の「抑止力」は方便で、本当の理由は「閣内不一致」と「官僚の壁」、自身の「力量不足」と証言したからだ。
 指導力を欠き、官僚に翻弄され、身内の閣僚からも見放される。明らかに首相になってはいけない人が、この国を担う。民主党政権の限界も露呈している。
 普天間問題の解決策は「オバマ大統領との直接対話」と指摘した鳩山氏だが、それすら官僚の壁に阻害され、不発に終わっている。
 民意に沿おうとする首相が、沖縄への基地の過重負担を当然視し、対米追従を是とする官僚に牛耳られ、辞任に追い込まれる。これが、日本の議会制民主主義の現実。官僚主導政権の実相である。
 米国の論理に洗脳された官僚たちの言い分を検証もせず、辺野古移設を主張する菅直人首相の不作為の罪はより重罪だ。 
辺野古移設の根拠となった「抑止論」のうそが明らかになった今、菅首相はこの国の政治を「官」主導から「菅」主導に転換し、普天間の県外撤去のみならず、在沖米軍、在日米軍の駐留見直しに着手すべきだ
。」”

と、菅首相は「官」主導から「菅」主導に展開し、在日米軍を見直しすべきと書いています。

当方は、鳩山前総理が「普天間飛行場の県外移設を断念した背景」が「海兵隊の抑止力が国益」という理由は、子供だましであり、「胆力」も「知力」もないのかと酷評しましたが、納得できずにおり、本ブログ「鳩山辞任:「抑止力」と「密約」を考察のブログを読んで・・・海兵隊でなく、核が抑止力?」で、ブログ「雑談」様がエントリー『「抑止力」という言葉の裏から考えてみた鳩山氏討ち死にの理由』に接し、鳩山前首相の変節は、「非核3原則」に関与する密約問題に直面したとする考察に興味を持ったと書きました。

ブログ「雑談」様は、1969年11月の日米共同声明は、辺野古の基地にある核兵器貯蔵地を何時でも使用できる状態に維持しておき、極めて重大な緊急事態が生じた時には活用できることを合意していると推察し、
”「この、いつでも米国が緊急事態だということで核を沖縄に持ち込めることが「抑止力」だとしたならば、鳩山氏が「学ぶと学ぶほど」と言う言葉の意味も理解ができる。ただし、鳩山氏が、この核持込を当初は知らなかったと言う事が前提ではあるのだが。

現実に岡田外務大臣は、早くから国外は無理だとし嘉手納統合案を口にし、北沢防衛大臣は辺野古。国民新党の下地議員は、キャンプ・シュワブ案を口にしている。つまり、みな核兵器貯蔵地なのである。
」”
と、「海外・県外移設」は、核兵器貯蔵地を不用とし、日米共同声明を反故することになり、変節せざると得なかったと書いておりました。

鳩山前総理の「方便」発言には、「核問題」が存在していると、板垣英憲氏がブログ『鳩山由紀夫前首相の「抑止力は方便」発言は、「日本列島に米軍核兵器200発」の現実を隠す「方便」だった』で、鳩山前総理の「核抑止力」を隠す「方便」として、

”「「抑止力」発言が、実は「核抑止力」を意味していることから、当時の小沢一郎幹事長に「総理大臣が迂闊なことを言ってはならない」と厳しくたしなめられたことを前提にして受け止めなければ、「日米同盟」の核心部分を損なう危険があり、沖縄県民やマスメディアは、鳩山批判をほどほどにして、適当なところで矛を収めなくてはならない。極めてデリケートな問題だからである。」”

”「本当のところ、沖縄米軍普天間飛行場の地下には、有害物質である「PCB貯蔵タンク」があり、「核兵器配置施設」があると言われている。普天間飛行場の移設先である辺野古は、滑走路新設とは別に、原子力潜水艦が入港できる桟橋などの施設を建設するという隠された目的があると言われている。さらに、辺野古地域には、立ち退きの補償金額をめぐり地元民地、補償目当てに本土から移住してきたヤクザ集団との「金額交渉」などややこしい問題が巣くっている。」”

と、沖縄基地問題は微妙な事柄であり、慎重さが必要と書いていますね。

当方は、昨年8月に、本ブログ「衆参予算委員会:鳩山前首相の功罪と菅首相の「菅利菅略」の答弁が印象的(雑感)」で、

”「鳩山前首相が地元の沖縄の了解なく、普天間基地の辺野古移設の日米合意は拙速でした。
もし、日米同盟の堅持が国益とすれば、「勉強すればするほど、海兵隊の抑止力が不可欠」などと言わずに、「勉強すればするほど、日米同盟の深化が不可欠」とし、普天間基地の移設問題を、日本全体の問題とし、本ブログで紹介した池田香代子女史の希望ではないが、「日米安保条約を日米平和友好条約などに切り替える」など将来の問題と普天間危険除去の現実的な問題の両建てで対処する知恵が欲しかったですね
。」”

と書きました。

当方は、鳩山前総理を「胆力・知力」が無く自滅は罪作りと酷評してきました。
鳩山前総理は、牧野聖修議員の「徳之島移設案」を「県外移設の腹案」にする「眼力」「洞察力」の無さと、辺野古移設に長年にわたり関係してきた官僚の抵抗を否定する「胆力」の無さと、米国が緊急事態と判断した場合に核兵器を持ち込める「核兵器配置施設」の存在を合意した日米共同声明の代替する「知力」の無さで、沖縄基地を恒久化したことは罪作りであることは事実です。
ただ、言えることは、「抑止力」の究極は「核抑止力」であることは事実であり、与野党・メディアが鳩山前総理の「方便」発言を袋たたきすることは、違和感を持ちます。
鳩山前総理の「方便」発言を批判できるのは、希望を裏切られた沖縄県民だけであり、与野党・メディアが酷評するのは、根源的な「核兵器」問題を不問にし、表層的な発言で批判するのは不可解です。

マアー、罪作りし、自滅した鳩山前総理は、野党が求める参考人招致に応じて、「勉強すればするほど、日米同盟の深化が不可欠」とし、官僚の抵抗、核問題を開示することが罪滅ぼしですね。

「琉球新報」の言う
”「民意に沿おうとする首相が、沖縄への基地の過重負担を当然視し、対米追従を是とする官僚に牛耳られ、辞任に追い込まれる。これが、日本の議会制民主主義の現実。官僚主導政権の実相である。
 米国の論理に洗脳された官僚たちの言い分を検証もせず、辺野古移設を主張する菅直人首相の不作為の罪はより重罪だ
。」”
ではないが、菅直人首相は、鳩山前総理より重罪です。



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