ガラパゴスですが、何か？

「もうこれで大丈夫。運動してもいいよ」

今日の午後、ぎっくり腰の最後の治療を受け、
針の先生からそう太鼓判を押していただきました。

なんと、思いがけず２週間もかかってしまいました。

「かなりしぶとい痛みだったね。
　ぎっくり腰する前から、
　だいぶん疲れがたまってたんだと思うよ」

なかなか病気に縁のない私は
こんなこと言われると、逆にうれしくなります。

そうかそうか、やはり人並みに無理をしてはいかんなぁ。

こちらに治療に伺うのも、もう当分ないということで
懸案を申し出てみました。

ところで、落語お好きですか？

「落語？　うん、好きだよ」

あ、良かった！
志ん生さんのテープがたくさんあるんです。

「あ、テープ？　テープはダメだよ。
　ひっくり返すのが面倒だからね。
　せっかくだけど、悪いね」

あ、そですか、そですよね…

と取り繕いつつ、内心ガックシ。

何とも、世の中は激しく進化しているようです。
もはやテープは出る幕無しですか。
志ん生も、枝雀も、いえいえそれどころか
先代の春団治まである超レアものだというのに！


ちなみに私、７年間使い続けた携帯を
今年に入ってから買い換えました。

まったく迷うことなく
「ガラケー」こと、ボタン式のガラパゴス携帯にしました。

「あ、買い換えたのにスマホじゃないんだ」
「そんなの、まだ売ってるの？」

お客さまから、友人から、必ずそう聞かれます。

売ってます。
売り場の片隅に、ほんの２種類ぐらいですが。

実は私も２年前、隣の芝生が青く見えてしまって
スマホを買ってみたことがあります。

ところが視力はいいのに、性格が雑な私には
狙っているところをうまくタッチできず、
（英語ではこれを fat finger というそうです）
隣の番号ばかり押してしまうので、嫌になって２週間で出戻りしたのです。

あ～いやだいやだ、
7年後、また今の携帯を買い換えるときに
スマホばかりになっていたらどうしよう。

こんな進化に取り残された人間のために
各分野の方々にはガラパゴス市場を残していただくよう
強く求めます。



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