銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

人はみな個人として

2014年06月30日 | のほほん同志Aの日常
6月が終わろうとしています。

バリ島への添乗やら
旅サロン便りの制作・発送やら
そして奥尻ムーンライトマラソンやら、
必死で仕事して、夢中で遊んだ1ヶ月でした。

ある意味、「没社会」。
自分の仕事と遊びと身の回りのことに精いっぱいで、
社会に向ける目としては、
朝刊の見出しに毎朝ため息をつくだけ。

でもいよいよ、のっぴきならないところに
きているのですね。

かつて私には、政治から経済から音楽からサブカルまで
何でも教えてくれる専従の家庭教師のような友人がいました。

何かの拍子で憲法の話になったとき、訊かれました。

「憲法で一番たいせつなのは、どの条文だと思う?」

えーっと、第9条…?と自信無げに答える私に

「自分で読んで考えてみ」と言われ、

そのとき初めて、全ての条文を読んだのだと思います。

読んでみて、すぐにわかりました。

「わかった! 13条でしょ」

「そう」

――すべて国民は、個人として尊重される。

それが、13条に書かれていた言葉でした。

読んだとき、親でもない、友人でもない何かから
自分という存在がたいせつに認められている、
そう感じたのを覚えています。


政府の改憲草案では、「個」が消え去り、

「すべて国民は、人として尊重される」

という文言になっているのだそうです。

この差は大きい。

もう二度と、「個」の生を
「全体」に吸い上げるような国家にはしない

全体を貫くその初志が、巧妙に、
そして意図的に、消し去られているからです。


話は極端に小さくなりますが、
私は小中学生のころから、部活でも、クラスでも、
「個人プレーに走りがち」 「協調性に欠ける」
と注意される子どもでした。

でも、それでけっこう。

個人としての自覚があってこそ、
他の個人を尊重できるのだと思います。


日々これ実践…してるつもりですが
いかがでしょう(急に弱気)。


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TEL 0797-91-2260(平日8:30~17:00)
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ご報告 ~奥尻ムーンライトマラソン~

2014年06月25日 | のほほん同志Aの日常
今も、思い出すだけでうっとりします。

先々週、奥尻島のムーンライトマラソンに参加してきました。
(ハーフマラソンの部です)

奥尻島といえば、江差追分で知られる
北海道は江差の対岸に、ぽかりと浮かぶ小さな島。

きっかけは、2月だったか3月だったか、
お客様から旅のご希望のあがった奥尻島について調べようと、
奥尻観光協会のホームページをのぞいたことでした。

トップページにどどーんと出ていたのが、
「第1回 奥尻島ムーンライトマラソン」の文字。

「満月の夜、イカ釣り漁船の漁り火を見ながら、
 奥尻島の海岸線を走ります」

の文字にまずは心奪われ、

「夕方から走るので、女性の方も日焼けの心配はありません」

の一文も妙に説得力があって

最後まで読むか読まないかのうちに、
すっかりその気に。

一応ちらりとスケジュール帳を開いてみると、
どうにもこうにもなりそうもないスケジュール、でしたが
目をつぶって、もう、ままよ!とエントリーしたのです。

生涯2度目となる、そして20年ぶりとなる
「マラソン大会」エントリーでした。
(1回目はオーストラリアのゴールドコーストマラソン)。

楽しみにその日を待ちましたが…

島入りした大会前日、道内は発達した低気圧のため大荒れ。
交通機関は乱れに乱れ、JRは終日運休し、
奥尻の北に位置する礼文・利尻島へのフェリーも欠航つづき。

なんとか奥尻にはたどり着けたものの、
想像以上の寒さのなか雨に打たれてしまい、
どうやら風邪をひいてしまったようです。

翌日も大雨との予報で
楽しみにしていた月も見えないだろうし、
それよりなにより、帰れなくなるんではないか。
それはまずい、本当に、まずい。

もうマラソンやめて、明日のうちに島抜けしようかな…

思わず、そんな弱音も出ました。


そして迎えた大会当日。
予報に反して、なんとか空は灰色のまま持ちこたえています。
気持ちも、持ちこたえました。

そして、もらったゼッケン番号は、777!

もう、頑張りました。

なにせ、ただトロトロ走っているだけで、

「わ~すごい、いい番号だねぇ!」
「がんばってよ~」

と、島の人がぶんぶん手を振ってくれるのです。

家の前の路上に小さなイスを出して
ちょんと座っている、おじいさんおばあさんの
こんな会話も聞こえてきます。

「たまげたな~」
「こんなに人がいるの、奥尻始まって以来だぁ」

空は分厚い雲におおわれていたけれど、
ほんのひととき、雲の割れ目が夕焼け色にも染まり、
左手の海岸線にはイカ釣り漁船が並走してくれて、

ただ走るだけなのに、ほんとうに楽しくて、楽しくて、
最後の数キロは終るのが惜しくて淋しくて…。

で、見事完走!

これも島の方々の声援と、いただいた777の番号と、
「雨粒のなか走るもまたよし」と言ってくれた友人と、
それからそれから、仕事のやりくりでずいぶん助けてもらった
まわりのスタッフのおかげです。

一年分のラッキーと義理を使いはたしたなぁ~
…と思っていたら、まだありました。

マラソン大会終了後の後夜祭で行なわれた抽選会。
私のラッキー番号が、どうやら引き当てたようなのです。

奥尻島行きの往復ペア航空券を!!
(ただし、道内から)

ステージから高らかに私の名が呼ばれたのだそうです。

「兵庫県宝塚市から参加のAさん、おめでとうございまーす!!」

「Aさ~ん、あれ、Aさ~ん?」

…そのとき、精根尽きはてた私はとっくに宿に引き上げて、
全身にサロンパスを貼りつけ、布団に倒れこんでおりました。


今日、その航空券が届きました。
これは、島に帰っておいでということですね。

奥尻島の皆さん、ありがとうございました。
再訪、そして再会の日を楽しみにしています!


■奥尻島観光協会ブログ:http://unimaru.com/

↑「奥尻ムーンライトマラソン」の様子がUPされています。


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礼文へ里帰り

2014年06月22日 | Hの生きる喜び、それは
今年で5回目になります
銀のステッキと共に案内し続けてきた礼文島の旅

私にとっては、一年に一回、家に帰るような気持ちです

なぜって、
「行ってきます、また帰ってくるね!」
そう言って礼文島を後にするからです

一年間の内地への出張を終えて、礼文島に里帰り、です

礼文島に向かうフェリーから、
まずは毎年お世話になっているタクシーのドライバーに電話

「そろそろ着きますから~ よろしく!」
完全にタメ口です

「もう、一年間、待ちくたびれて首が伸びきったよ」
「気を付け帰っておいでよ」

この時点で、もう安心
「ただいま」の気持でいっぱいです

島に着くと、ドライバーに会うなり
つい飛びついてしまいました

「どこから行く?ウニ?」とドライバー

「いつもの斉藤さんとこのお店、お願い」と私

実は、斉藤さんとこのお店から1週間前に電話が入っていました

「ここんところ、時化が続いてて漁に出られてなくてさ
バフンウニ、難しいかもしれない」

ウニには、ムラサキウニとバフンウニがあるのですが
好き嫌いはあるにしても
一般的には、バフンウニの方が甘みが強く濃厚で
特に礼文で穫れるエゾバフンウニは最高級で
美味しいのなんのって!

毎年礼文に来る楽しみのひとつが、このウニ!

「ムラサキウニなら何とか出せそうだけど…」

斉藤さんは、仕事に妥協はないのは知っていますし
今まで、期待以上のものを常に出してきてくれていました

だから、今回は本当にダメなんだろうなと思いながら
「分かりました、でも、もしできたら一口だけでも
 御願いしますね」

そして前日、もう一回斉藤さんから電話
「やっぱり、あれからずっと漁に出られてなくて
 今回はゴメンな、一口だけ食べてもらえるように
 かき集めるから」

そっか… 残念… いや ダメだ!

「斉藤さん、ダメなの分かってますけど、
 何とかかき集めてください!
 みんな、めっちゃウニ楽しみにきてるんです!」

と、無理な御願いをしていました

「今年は何十年ぶりの連続雨だからね
 ウニ、厳しいかもしんないね
 でも、ムラサキウニでも礼文のなら美味しいよ」
と慰めてくれるドライバー

そうこうしている間に、お店に到着
「よ、いらっしゃい、ちゃんと用意しといたよ」

テーブルを見ると、全員のお皿に山盛りのバフンウニが~!

「嘘!?バフンウニ、用意できたの!?」

奥の方から、斉藤さんがニッコリ
「何とか、ね
 タラバガニの足も、サービスだよ」

ぐるっと周囲を見渡すと、
他の客の分は、みんなムラサキウニになっています 

か、感激… ありがとう!!

いつも以上に、美味しくて愛情たっぷりのウニを
皆さんでかみしめながらいただきました

観光を終えて、いつもお世話になっている
ペンションコリンシアンへ

「ただいまです~」

そしたらオーナーの菊島さんがすぐ出てきて
「どうも~ お待ちしてましたよ、さ、上がって」

まるで家に帰ってきたような安心感

食事が美味しかったことは言うまでもありません

翌日はハイキングを楽しんで迎えた最終日

雨で泥んこ・びしょびしょになった靴が
すっかりきれいになっていました

「皆さんの靴、汚れてたみたいだったから
洗って乾かしておいたんだけど、履けるかな」

と遠慮がちに言ってくださったのは、オーナー菊島さん

どうして、島の人はこんなにやさしいの

それが、こじつけでもわざとらしくもなく
ごく自然で、当たり前のようなのです

今回は、天候に恵まれず4日間雨でした
でもそれ故に、島の人たちあたたかい心遣いが
痛いほど胸に響きました

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競馬は貴婦人の遊びか否か

2014年06月21日 | 見かけだおしNのつぶやき
「あなた、なんか落ちてるわよ」

後方のお客様の声に従って足元を見ると
バスの座席下に、水色のチケットのようなものが
何枚か落ちていました

ゲゲゲやばい
負け馬券です

「あらなんでしょうかね」と平静に
その束を拾い上げました

その三日前のこと・・・

私、仁川競馬場にいました

あるお客様から、
「宝塚競馬の講座に参加したら
指定席のチケットがあたったから、
あなた一緒にどう?」

はい、もちろん即答で行きました

初めてという私に(本当か?)、
講座で学んだという競馬の楽しみ方?を
こまごまとご教授くださるお客様

ビギナーは100円からとばかりに
隣の席で「お遊び、お遊びよ」を連呼するお客様

それを聞きながら、馬券を潔く、束で(笑)買う私に
「あら!あなた一体何枚買ったの?」

いや、まあ、もごもご

「もしやあなた、初めてじゃあないでしょう?」

いえ、本当に初めてです

私は、まあ、田舎者で、一刻も早く都会にでることを
夢見る定番の少女でした

大学進学で、夢と希望を胸に田舎を去り
大阪に出たその日、
保護者として同行した父は、
何をすることもなく
私をひとりワンルームマンションに残し
淀川競馬に行きました、とさ

ははは

あの人らしいなぁ

もう、嫌でも、その父に似てしまった私

だから賭け事だけはしたらアカンと
反面教師の父をみてずっと思っていました

とにかく、賭け事が好きで
しかもめっぽう強い

本当は弱かったのかも・・・
でも、潔い賭け方に子供心におののきました
子供がなぜって?

我が家の正月は「おいちょかぶ」で三が日が暮れました

子供相手でも容赦なく、負けだすと
遊びとは思えない金額をはりだします

友達(子供です)が来ても同じ

母の「大人げない」の言葉もむなしく

でも、最後はいつも父の大負けで、
「年玉のつもりで負けたったわ」とうそぶき
ポケットからしわくちゃの紙幣を何枚も無造作に
皆に投げてよこしました

あ~父みたいにはなるまい

さて、仁川競馬でのこと

結局、負けたものの
お遊びの範ちゅうは超えることなく
やれやれ無事終了

ただ、帰り際、
「あなた、会社大丈夫よね?」
笑いながらも、この問いかけ、どうなんだ?

父よ!ありがとう

おかげで私は、
「あたなに似ているだけにハマってはいけない」
それを幼き頃から気づいていました

競馬は元来「貴婦人のお遊び」
おほほ、おほほ

でも赤ペンは、買っちゃいました、とさ
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やさしい鈴の音よ!届けよ天に!

2014年06月18日 | T字路をまっすぐ行ってみたら
先週末、岩手県盛岡へと行って参りました。
お目当ては、「ちゃぐちゃぐ馬コ」とよばれるお祭り。
年に一度、馬のためのお祭りです。
のどかな田園風景の中、出発。
馬コは、鮮やかな衣装を纏い
大きな鈴を鳴らしながら歩いて行きます。



のんびり、馬コの足音のコツコツ。。。
子供も馬コの背に揺られながら、昼寝をして
(落っこちないように足を紐で結んで)。
暴れる馬コは、なだめられて、
大人しく行列に参加して、少し誇らしげ。

途中、雨が振りましたが、誰もかっぱを着ずに、
行列は続いて行きます。




この日は、たくさんの馬コを見て、癒されました。


さてその日の深夜2時半ごろ、大きな揺れで目が覚めました。
とっさに、電気をつけて、携帯電話を手に取り、
1秒、2秒、、、気持ちが落ち着いたところで、
地震情報をチェック。
震度3.
「これからの地震情報にご注意ください」との表示。

これ以上の地震は来ないと分かってからも
私は、眠りつけず、ベットの上で目をつむったまま
長い時間を過ごしました。


地震がすぐそこに・・・
もしかしたら、という不安な思い。

ここ東北に住む方々は、日々の中で
今もこうして地震に見舞われ、
不安と隣り合わせで生活しているのを感じました。

毎年行われるお祭り、大切に今も守り続けられているもの。

そして、失われた多くのもの。

それを背負って、東北の方は今日のやさしいお祭りを
守っておられるのですね。


ここにあるものをどうぞこれ以上奪わないでください。
そう心から願います。

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