「いらっしゃい!」
「飲み物、どうなさいますか?」
「あ、お昼だから、お茶でいいです」
(このあと、事務所、帰らなあかんし…)
カウンターに座り、まずは突出し。
「はい、上に乗ってるのは、静岡の生の青のりです。」
から始まり、お刺身。
「千葉沖のマグロと、●●の鯛と、厚岸のウニです」
(ウニ甘い! しかも東北海道のあっけし! 懐かしい響き)
「タケノコは、このすぐ近くの、朝掘りです」
そして、八寸。
これだけでも十分楽しませていただいてるのに、本番の天ぷらは、ここから。
「富山湾のホタルイカです。いまが一番おいしい季節です。」
(富山の滑川でホタルイカ尽くしをいただいたことがありますが、天ぷらは初めて!
肝の味が濃縮されて美味しい!)
この辺でもじもじしはじめ、すみませーん、とこっそり手を挙げ
「あ、やっぱり、一番小さいビールください」
「函館のホタテです。」
(特大サイズ! 特注ルートでお客さんの数のみ仕入れられるそうです。
こんなに大きいホタテは初めて見ました)
海の幸だけではありません。
「鳥取の大山のフキノトウです」
「福岡のこごみです」(写真右)
「鹿児島の●●です」(写真左)
(噛むと、少し粘り気がありました。南日本の山菜をいただくのは初めて)
いちばん小さいビールは、この辺で、なくなりました。
どうしよう、これなら最初から中にしときゃよかった、と思いながら、でも、もうそろそろシメだろうし。
と思ったら、とんでもない!
「●●のワカサギです」
(お行儀のいいこと)
「●●産の人参です」
(西洋人参ではなく、和種の人参)
根菜類が出てきたので、この辺で、最初から気になって仕方なかったことを質問。
あれって、レンコンですよね?
なぜか、カウンターのいちばん目立つところに飾ってあった、レンコンの写真。
おっ、と、ご主人が嬉しそうな顔になり、
「召し上がります? ボリュームがあるので迷ってたんですが」
日本で一番柔らかいという茨城の野口れんこんだそうです。
「いちばん美味しいのは、夏以降なんですけど」
ひと様にはとても説明しようがありませんが、レンコンは超がつくほど思い入れのある野菜。
迷った末に、次回のお楽しみにとっておいてもらいました。
ほかにも、もう産地はまったく覚えてませんが、
穴子、カニ、白魚に自家製からすみパウダーをかけたもの、などなど。
ビールをお代わりしなかったことが悔やまれます。
(代わりに、ごはんをお代わりしました)
そして、豪華絢爛フルコース天ぷらのシメは何だと思いますか?
ヒントは産地、鳴門です。
そう、最後のシメは、やはり、鳴門金時、お芋さんでした。
わっ、お芋さんってやっぱり一番おいしいですねぇ!
と、これだけいただいといて、失礼極まるわたしに、ご主人、
「お芋さんが一番おいしく感じられるような、伏線の素材もありますから」
途中の、さっぱりお口直しの柑橘類や、湯葉のワサビ菜あえなど、完璧なまでの構成。
大阪江坂の天ぷら屋、「つちや」さんでの食事のひとときでした。
天ぷらが美味しかったのはもちろんなのですが、
北から、南から、全国各地の懐かしい地名を訊けたのが、とても嬉しかった。
(その割には、けっこう産地、忘れてますが)
いつもの春であれば桜を追って、毎週のように、
飛行機に乗って、新幹線に乗って、日本全国、訪ね歩いた、そうして馴染んできた土地です。
しばらく遠出していないんだな、と、改めて思いました。
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