銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

猛省せよ

2014年02月27日 | Hの生きる喜び、それは
ツアーにおいて、突発的事態に巻き込まれる
ということは、あります

予期せぬ渋滞や事故
悪天により、交通機関やイベントが麻痺、欠航、中止

旅行会社としては、その都度、最も的確な判断を
求められます

そういった不測の事態の対応は、旅行業約款
にも記載されています

でも・・・
マニュアルでは対応できない
と思えることが先週起こりました

悪天候により行程を大幅に変えざるを得ない事態です

現地の添乗員の報告・お客様の状況を聞きながら、
その状況における最良の判断をした、と思っていました

が、それは旅行業約款上でしかありませんでした

ツアー終了後、皆さまのお声をお伺いすると
厳しいご意見の中、
アンケートに「猛省せよ」の言葉がありました

目が覚める思いでした

旅は、夢です
つまり形無いもの
それを、あげるもさげるも、旅行社の力量でしょう

そこに、杓子定規の約款は
なんの手立てにもならない

判断を誤れば逃げ口上の手段にさえなってしまう・・・

「お客様の気持ちに寄り添うこと」
そこを怠ったことが最大の過ちでした

銀のステッキは「家族旅行のような旅」を
テーマにしています
なのに、なにかあったら、旅行業法にもとずいて
書面的な対応・・・

全く駄目ですね

旅を提供する――
在庫を抱えないだけに、
「信頼」のみが価値を生み出す

そこに、答えられなかった

思いがけず、2月の大雪は私たちに多くのことを
教えてくれました

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貸切バス・オーダーメイド旅行のご相談は…
銀のステッキ旅行
TEL 0797-91-2260(平日8:30~17:00)
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ふたり

2014年02月25日 | Hの生きる喜び、それは
今日、後輩とふたりで営業先に提案に向かう時のこと
彼女が思い詰めた表情で尋ねてきました

「どうしたら、私、早く仕事できるんでしょうか」
「もうちょっと、パソコンが早く打てたらいいのに」

懇願するような目でした

ちょ、ちょっと待って そんなことより
今から提案に行く内容の最終の詰めや戦略
まずはそれを一緒に考えないと!

だって、きちんとまとめる間もなく
バタバタと事務所を飛び出してきたのですから

と思い、そう伝えようとして、留まりました

彼女は提案のレジュメを見ながらも
明日はアレとアレを片付けないと…
とぼやきながら別のことで頭がいっぱいでした

どんな仕事も、やり通さないといけないという使命感で
押しつぶされそうになっているようにも、見えました

--確か私もちょっと前までは…
似たような状況だったことを思い出しました

仕事が手につかず、さらに片付かず
次々とたまっていって、ギブアップ!的な状況

今でも、決して仕事が早いわけでもなく
段取りがいいわけでもありません

どちらかというと、何をするにも人より時間はかかりますが
それをバレないようにしているだけ

旅行業が得意でも何でもありません

それでもこの仕事を続けられているのは
やっぱりこの仕事が好きだから
としか言いようがありません

職場の居心地が好きで、
そう言えば、事務所でひとり、一晩泊まり、
翌朝そのまま添乗に向かったこともありました
(今では…考えられませんが…)

実は、昨日も同じ状況がありました
もうひとりの後輩とお昼を一緒に過ごした時のこと

色々とぐだぐだ話をして
愚痴ったりぼやいたり…

そこで彼女が
「じゃあ、どうしてこの仕事続けてるんですか」
「なんで、続けてこられたんですか」
と、ドストレートな質問をぶつけてきました

どうして?
どうしてって、辞めてないからでしょ

いやいや

なんでかな

その時、はたと考えました
確かに何で私は未だにこの場にいるんだろう、と

でも、答えは単純でした

「この仕事、好きやから」

あっけなく言ってました

半ば納得していないような彼女の表情
「そういうことじゃなくて、ですね・・・」
とでも言いたそうでしたが

そういうことなんです

では何が好きなのか?
おもしろいのは、アメリカでこの調査をすると
仕事が好きな理由は、「自由だから」と
挙げる人が多いそう

日本とはチョット違いますね

私は、というと

・・・・・・・・

これ以上言うと、何だか嘘くさいので
この辺でやめておきます

だって、それより前に
ふたりの後輩が今まで見たことのないような
ちょっとしらけた顔になってしまったからです

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心はパリ、でもその前に

2014年02月22日 | のほほん同志Aの日常
いろんなことがあった金曜日の夜、
居残り組でいっしょに事務所の戸締りをし、
駅へとむかう別れ際にこう言われました。

「ところで、今夜は真央ちゃん見て下さいね。
 あの演技、ジャンプ、ぜんぶ終わったときの表情、
 もう、素晴らしかったんですから!」

テレビを見る習慣がほとんどなく、
ソチ・オリンピックも全然みていない私を知っての「助言」でした。

「へ~、そうなん。じゃ、今夜は見るわ」

別段ポリシーがあって見ていないわけではないので
帰宅後いそいそとテレビの前にスタンバイ。

トップニュースになっていた真央ちゃんを見ました。

で、やっぱり

じわ~

すべてが終わり、一瞬のあと天を見上げ、
ぎゅっとつむった目からこぼれ落ちる真央ちゃんの涙に
こちらもこみ上げるものがありました。

「ありがとう、教えてくれて! 見てよかった!!」

興奮のままに、そうメールしようかと思って、
まてよ、と思いました。
そのとき、すでに涙が引っこんでいたからです。

ほかの方がどうだったかはわかりません。
でも、私にとってこれは、条件反射の涙、のようでした。

目の前の人が泣いていたら思わずうるうる来る、
つまり、もらい泣きです。

あ~我ながらなんと単純…と嘆いたところで、
思い出したことがありました。

バッシングの嵐を受けたドラマ、『明日、ママがいない』の一場面です。

テレビを見る習慣がないので(本当です!)
こちらもまったく興味なしだったのですが、
第2話が終わったところでスポンサーが全部降りたと知って
それはぜったい見なければ!と急にいきりたち、
第3話からは欠かさず熱心に見ています。

そして毎回…
ぐらぐらと深く揺り動かされるのを感じます。

前回の放送はとくに、そうでした。

詳しいストーリーは割愛します。
が、印象的だったのがこんなシーン。

ふだんはもの静かで心優しい施設の仲間が警察ざたを起こし、
「このままじゃ施設の子は乱暴で怖いって言われます」
「あの人をここから追い出してください」
と施設長に迫る子どもたち。

いつもはその彼を兄貴分として慕っていた子どもたちの豹変ぶりに
施設長は怒りを押し殺した声で、なぜか
「おまえら、全員、枕もってこい!」と叫びます。

そうして全員、枕を抱いて輪になって座らせ、語りはじめるのです。

――お前らは世間からどう見られるかを恐れ、
 事情も分からぬままに彼を排除しようとしている

――でもそれは、あまりに表層的な判断にすぎやしないか?

――お前らが知っている彼は、理由もなく暴力をふるうような
 本当にそんなやつだったか?
 お前らは一度でも、やつからそんな扱いを受けたのか?

――彼にレッテルを貼ろうとするやつらをつかまえて
 私の知ってる彼はそんな人じゃありませんと、
 なぜそいつらの目を見て説明しようとしない?
 彼をかばおうとしない?

そして、こう続けるのです。

――大人にはムリなやつもいる。こり固まった心の人間も多い。
 でも、お前たちはまだ子どもだ。子どもには、やわらかい心がある。
 心にクッションがあるからだ。

 
――その心のクッションで、目の前で起きたことを
 一度すべて受けとめてみるんだ

――そうして本当の自分の感情を見つめてみなさい


…と、だいたいこんな意味のセリフだったと記憶します。

子どもたちは枕を抱きしめながら、施設長の言葉にぽろぽろ涙を流し
画面のこちら側で私もいっしょに枕を抱きしめていて
そのうえに、ぽとぽと涙が落ちていました。

…条件反射ではない涙だったようで、
ドラマが終わったあともしばらく、ぽとぽとがつづきました。

そして、気づきました。
あぁこれは、ドラマに浴びせられた数々のバッシングのことを言っているのだ、
スポンサーがすべて降り、内容変更まで迫られた、
その孤立無援への悲鳴であり抗議でもあるのだ、と。


メール、ツイッター、ライン。

いろんなツールの登場で、私たちはたぶん
「瞬時に」反応することを無言に強いられていて
そのせいか「条件反射」のような
表層的な感想ばかりがうずまいているように感じます。

その大波のうずにまきこまれるという点では
真央ちゃんも、『明日ママ』も、私たち自身も同じなのかもしれません。


心のクッション。
忘れないように、小さな枕をスーツケースに入れました。

…いえ、いつもの添乗の安眠グッズです。
明日から、冬のパリ&ロンドンなのです。

あ~早く寝よ。


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クイーンエリザベス号

2014年02月18日 | 見かけだおしNのつぶやき
新聞にこんな記事が・・・・

『日本初、横浜&神戸寄港記念!』
『抽選で船内を見学できます!』


抽選見学ってなんですか~
こっちとらぁ(何弁?)
ホンマに乗船するんですよ!
って、お客さまですが・・・
はい、見送る私は、船外で手を振るだけですが、何か?

あ~いよいよですね

私も緊張してきました

クイーンエリザベス号の日本への寄港ニュース

やはり新聞に出るほどの、夢のあることなんですね
それに、我が銀ステのお客様が乗られるのです
これは嬉しいです

ご依頼いただいたのはもう随分前です

「新聞に出てたの~」
とある旅行会社の全面広告記事を手に来店されました

業界内では、クルーズに強いと知られている会社の
一面広告

「あなたんとこでも、できる?」

今となっては、なぜそんなことを仰ったのか・・・疑問??

こんな大きな仕事を、クルーズ素人会社に一任ですよ

お客様曰く・・・
『なんでもまかせられるから』

・・・・

これは相当のプレッシャーです

でも、そう仰った本当の意味を当初はわかっていませんでした
手配を進めながら、少しずつそれを理解していったのです

「いよいよね、そういうと、
いよいよですね、とあなたから返ってくる、
それが私は嬉しいの」

へぇ~

単純なことのようですが・・・

私も初めての手配で何かと緊張するわけで・・・
その気持ち、ドキドキ感が、
この船旅にかけるお客様の緊張感と共鳴して、

そこに、何でしょう、
安心感が生まれるのだとか・・・

つまり、不安な気持ちをぶつけやすい
しょーもないこともあれこれ聞きやすい、となるのです

これ、わかります

なぜならクルーズ手配が初めての私は、その専門会社に
あれこれ聞くことが、まさにストレス

それでもこちらは商売ですから、

「え?そんなことも知らないの?」的な威圧感
(そう勝手に思っているだけでしょうが)にも屈せず
頑張るわけですが、お客様ならどうでしょう

お金を払う側ながら、相手に気を使って
聞きたいことも、うやむやに・・・
そんなこともあるのでしょう
いえ、そんなことの方が多いのでしょう

だからこそ、なんでも聞ける不案内な(オイオイ)銀ステと
一緒になって、この旅をすすめていく、
そんな結束感がうまれていたのかもしれません

残念ながら、私は、夢のエリザベス船上人とはなれませんが
そこへ行きつくまでの
実は、お客様が一番わくわくされる旅へのアプローチで
ご一緒できたことに銀ステ冥利を覚えます

明日、今回の行程表をご自宅にお届けするのですが・・・
55日間、さすがに銀ステ旅行・最多のページ数となりました

でも、その日を迎えるまでの行程の方が、
本当は、紙が足りないくらい一杯詰まっていたのですよ、と
そう、明日お伝えしたいのです


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洞爺湖、雪明り、月明かり

2014年02月16日 | のほほん同志Aの日常
今朝は、かつてサミットも行われた
北海道の「ウィンザー洞爺」にいました。

3日前の大寒波の朝、
空港には無事たどりつけるのか、飛行機は飛ぶのかと心配しながら
珍しく雪の降り積もる街を
滑りそうになりながらキャリーを引っぱり、空港へ。

幸いにも飛行機は定刻に
銀世界の広がる大阪を飛び立ち、旅がスタートしました。

厚い雪雲におおわれた日本列島を北へ北へ。

津軽海峡のあたりで雲が切れ、
青い海と白い大地が眩しい北海道に飛行機は着陸。

あぁ無事につけて良かったと、胸をなでおろしました。

あとはこの青空が夜まで続くことを願うだけです。
というのは…

今回の旅のメインは「ウィンザー洞爺」での冬籠り。
そして、隠れテーマが「満月の洞爺湖」でした。

昨年、個人旅行でウィンザー洞爺を訪ねていただいたご夫婦様から

「たまたま満月だったの。
 月明かりの洞爺湖、それはもう素晴らしいから
 今年も満月の夜に設定してね」

とアンコールのリクエストをいただいたのでした。


そして、夜。
ふと、窓の外を見て、うわぁ!と声が出ました。

満月が、それはそれは明るく湖面を照らしていました。

写真を撮ろうと、部屋の電気を消しました。
でも部屋は真っ暗にはなりません。
窓のほうからうすぼんやりと月光が差し込んでおり、
ガラス際に立てば煌々と白い満月の、思いがけないまでの明るさでした。

落語の一節を思い出していました。


――お日さんとお月さんと、どっちがえらいと思う?

――そりゃあお月さんに決まってるじゃねえか。
  お日さんは明るいときに出てくるが
  お月さんは暗い闇夜を照らしてくれるんだから。


月は本来、明るい。
雪も、明るい。

そうした、暗いなかでの仄かな明るさを
感じとれる時間や空間は豊かだなと思います。


きょうの夕刻、雪の千歳空港を出発し、
帰りの機内で読んだ北海道新聞には、
こんな一句が載っていました。


 公平に列島襲う大寒波


到着した伊丹空港にもうすっかり雪はなく、
街のけばけばしいまでの明るさに
見上げた月はシルエットだけになっていました。


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