ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

思えば、遠くへきたもんだ

2016-05-06 08:27:24 | ある日の日記
食後、うとうとして午睡をとってしまうことがよくあります。
昼寝した後は、なんだか体もちょっとリフレッシュされたみたいだし、「さあ、また」という気分になれるのがうれしい事。

昼寝から目覚める瞬間は、頭がとろんとして、体もくにゃんとゆるんだ状態。そこから徐々に覚醒するのですが、その時の自分はかなり若返っている状態。この間は、目覚めせしなに「う~ん、この夏は38歳になるんだっけ…」とぼんやり思っていて、しばらくたった後、自分が40歳も大分過ぎていることに気づき、そのショックと言ったら……

そして、開けられたカーテンから、窓向こうの青空をぼんやり見つめていると、過ぎ去った日々が頭の中をよぎっていきます。6歳の頃の自分だとか、15歳の時の忘れられないシーンだとか。 でも、それは映画のように映像が流れていくというような、はっきりしたものではなく、ちらと浮かんだかと思うと淡雪のようにはかなく消えていきます。

うんと若い時は、『思い出』も鮮明に隅々まで思い起こせたし、空想力も大きく羽ばたいてくれたもの――こうして、『過去』はだんだんに遠くへ行ってしまうものなのですね。
けれど、懐かしい記憶が次々心をよぎってゆく時、自分という人間を支えてくれる豊かな地層のようなものを感じ、すっかりうれしくなってしまうのです。
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シーザーとクレオパトラ

2016-05-02 23:15:32 | 映画のレビュー

また、アマゾンで注文してヴィヴィアン・リーの「シーザーとクレオパトラ」をゲット。その夜は、家族がみな寝静まった深夜、階下のキッチン(ここに、私がいつもみる小さなTVがあるのだ)で一人ぽっちのロードショー。

まあ、こんな小さなTVで映画館気分も何もないのだけど。

この映画―-高校の頃(その頃は、DVDなど影も形もはく、ヴィデオといっていた)レンタルビデオ屋で借りて観た覚えがあるのだけれど、積み重なる歳月の向こうに記憶もあいまいもことしております。 最近、やり残していること、本当に好きなことは十分やっておこうという心境になり、「いつか観るか」と思っていた映画や場所にも出向いてチェックするよう心掛けているのだが、この映画もその一つ。 大好きなヴィヴィアン・リーが絶世の美女クレオパトラを演じているのなら、その姿をもう一度くっきり目の奥に刻んでおきたい!

……結論を言うと、この映画そんなに傑作とはいえないかも。原作や脚本が、かのバーナード・ショーとはいえ、史実をう~んとゆがめたシニカルなコメディタッチ(と、私には思えたのだけれど)の歴史大作にしてしまっているのだ。ここでは、英雄にして、ローマから来た統治者のジュリアス・シーザーは、クレオパトラの目から見て、完璧に「禿げ頭のおじいさん」。 二人の間に恋愛など起こらず、シーザーはクレオパトラのために王位を奪還してあげる。 つまんないなあ――現代ハリウッドの特撮を駆使した「トロイ」などの歴史大作に比べると、いかに豪華絢爛とはいえ、舞台に広がりがない気がするし。

だが、しかしである。クレオパトラ演じるヴィヴィアン・リーが信じられないほど美しい。1945年製作で、当時32歳だったはずなのだが、ほっそりとした華奢な肢体、比類なく美しい顔といい、「映画史上最高の美女」の称号が当然というもの。 彼女がエジプトの女王に扮し、蛇(コブラ)の飾りのついた冠や古代の衣装であらわれたら、本当、古代エジプトの華麗な絵巻が目の前に繰り広げられるよう。 スターは、スクリーンの中では、永遠に年を取らないし、生き続けているのだ!
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作品づくり

2016-05-01 12:08:55 | カリグラフィー+写本装飾

小さめの羊皮紙に、これも小さな文字を書いて、金箔張り。

金箔を張るのは、うまくいけば一回でピタッと綺麗に張れるのだけど、私の場合そうそううまくいくことはあまりなく、何回も息を吐きかけて根気よく金をのせてゆくのであります。


まだ細かい作業はすんでいないけど、こんな風に。
文章の冒頭に、二つフィリグリーの文字を(AとPね。Pの方は、金箔張ってます)。 フィリグリーの糸みたいな模様をくるくる作ってみるのは、好きだなあ。
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ある日の日記

2016-05-01 11:53:41 | ある日の日記
ゴールデンウィークもはじまったばかりの春の日。 姪の一歳の誕生パーティーを開きました。

その前日、離れを掃除したり、仕出し弁当の手配をしたり、ああ忙し。 今まで(うかつなことに)知らなかったのですが、女の子の一歳のお祝いにはお餅をせおうんだそうだ(今では小さなリュックに入れるのだそうで、これはご近所の方からかりました)。

それで、絵本やらタンバリンのおもちゃやら、筆、計算機を床に並べてみて、子供がそのどれを取るかで将来が決まるのだって。 私も遠い昔、こんな面白い行事をやったのかな? とんと記憶がないでござる。

姪が持っていた犬のぬいぐるみ――毛はふわふわしてないんだけど、茶色の体に目と目の間の離れた愛嬌のある顔立ち――どうみてもゴールデン。可愛いなあ。 タグを見ると「イケア」のものであるらしいです。 ぬいぐるみのノエルも可愛いなあ、としみじみ手に取っていると、「取られる」とでも思いでもしたか小さな姪が、こちらまで伝い歩きをして迫ってくる!
はい、取ったりしませんです。

春らしい、うららかな日和の休日でありました。



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