ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

シーザーとクレオパトラ

2016-05-02 23:15:32 | 映画のレビュー

また、アマゾンで注文してヴィヴィアン・リーの「シーザーとクレオパトラ」をゲット。その夜は、家族がみな寝静まった深夜、階下のキッチン(ここに、私がいつもみる小さなTVがあるのだ)で一人ぽっちのロードショー。

まあ、こんな小さなTVで映画館気分も何もないのだけど。

この映画―-高校の頃(その頃は、DVDなど影も形もはく、ヴィデオといっていた)レンタルビデオ屋で借りて観た覚えがあるのだけれど、積み重なる歳月の向こうに記憶もあいまいもことしております。 最近、やり残していること、本当に好きなことは十分やっておこうという心境になり、「いつか観るか」と思っていた映画や場所にも出向いてチェックするよう心掛けているのだが、この映画もその一つ。 大好きなヴィヴィアン・リーが絶世の美女クレオパトラを演じているのなら、その姿をもう一度くっきり目の奥に刻んでおきたい!

……結論を言うと、この映画そんなに傑作とはいえないかも。原作や脚本が、かのバーナード・ショーとはいえ、史実をう~んとゆがめたシニカルなコメディタッチ(と、私には思えたのだけれど)の歴史大作にしてしまっているのだ。ここでは、英雄にして、ローマから来た統治者のジュリアス・シーザーは、クレオパトラの目から見て、完璧に「禿げ頭のおじいさん」。 二人の間に恋愛など起こらず、シーザーはクレオパトラのために王位を奪還してあげる。 つまんないなあ――現代ハリウッドの特撮を駆使した「トロイ」などの歴史大作に比べると、いかに豪華絢爛とはいえ、舞台に広がりがない気がするし。

だが、しかしである。クレオパトラ演じるヴィヴィアン・リーが信じられないほど美しい。1945年製作で、当時32歳だったはずなのだが、ほっそりとした華奢な肢体、比類なく美しい顔といい、「映画史上最高の美女」の称号が当然というもの。 彼女がエジプトの女王に扮し、蛇(コブラ)の飾りのついた冠や古代の衣装であらわれたら、本当、古代エジプトの華麗な絵巻が目の前に繰り広げられるよう。 スターは、スクリーンの中では、永遠に年を取らないし、生き続けているのだ!

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