ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

「いやいやえん」--くまのこぐちゃん

2013-08-07 16:13:06 | 本のレビュー

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今日の話題は、あの名作「いやいやえん」です。この本を子供の時、読まれた方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか? 私も幼稚園の時、初めて読んで以来、大切な本となっています。 いたずらな男の子しげるを主人公に、幾つもの魅力的なお話がおさまった物語ですが、今思い出してみるだけでも、ライオン丸のようなおばあさんがいる「いやいやえん」や、遠足で行った山のそばにある「黒い山」であった鬼の男の子(この鬼はなんと、体にポケットがあって、そこから果物を好きなだけ取り出して、食べているのです)、野原で会ったしげるを食べようとするオオカミのお話など、愉快なものばかりですが、私が一番好きなのは、「くまのこぐちゃん」。

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しげるの通う幼稚園に、突然やってきたこぐま。名前は、こぐちゃん。こぐちゃんは、先生からちゃんと手紙ももらっていて、赤い可愛いバケツもさげています。最初はこわがっていた子供たちも、こぐちゃんとすっかり仲良くなり、こぐちゃんのかく絵を感心して、見たりと楽しい一日を過ごします。赤いバケツには、お母さんグマ手作りの、お弁当が入っていることもわかるのですが、しげるたちがお昼寝している間に、こぐちゃんはおかあさんグマが迎えに来て、山へ帰ってしまいます。

このお話がとても好きで、何度も何度も読んでいるうちに、当時幼稚園児だった私は、「ああ、うちの幼稚園にもこぐちゃんが、遊びに来てくれないかなあ」と願ったもの。茶色い毛に真っ黒の目をした、こぐまが赤いバケツを持って、笑って立っていたら、どんなにいいかなあ、と。

おまけに、こぐちゃんが住んでいる山の町が「やまゆりまち」というのも、イメージをかきたてます。オレンジ色のやまゆりがたくさん咲いている、緑いぱいの山のまちには、ログハウスのような木造の家や、色とりどりのペンキを塗った可愛い家が並んでいて、そこにはクマが楽しく暮らしているんじゃないかって想像が湧いてくるのです。童話の世界って感じですけど。

「ぐりとぐら」ほど有名じゃないけど、くまのこぐちゃんもとても素敵なお話です。書店でこぐちゃんの絵が表紙になった赤い「いやいやえん」の本を見かけると、とてもうれしい。


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