ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

TVの日々

2019-02-13 10:12:03 | テレビ番組
毎日、寒い。出かけるのが億劫だし、ここのところ頭がうまく働かず、活字を読むのが疲れるので、TVを観てリフレッシュしてしいる。
何と言っても面白いのは、「ポツンと一軒家」と「こんなところに日本人」の二つ。

  
数日前、見た「ポツンと一軒家」はスゴーク面白かった! 岡山県のある山深いところに、集落から離れて立つ民家――そこを番組のスタッフが探し当てて行くのだが、他に誰一人通りそうにない(でも、ちゃんとしたアスファルト道)淋しい山道を進んでゆくと、その奥まったところに古い日本家屋がポツン。

その家には、73歳になる女性が一人暮らしをしているのだが、何と女性は生まれてからずーっと、この家に住み続けてきたのだそう。おまけに、その暮らしぶりがスゴイ。 真夜中の3時に、家を出たかと思うと、車を運転して、あの淋しい山道を走らせる(若い番組スタッフだって、おっかなびっくり運転してきたような所なのに)。
こんな草木も眠る頃合いに、どこへ? と思いながら見ていると、やがて車は真っ暗なふもとの集落へ。そして、女性が車を止めたのは、そこだけ灯りのともった平屋の建物で、ここで鯖ずしを作っているというわけ。

女性は、この小さな作業場で、40年も鯖寿司作りのスタッフとして働き続けてきたという。確かに寿司作りだと真夜中から働かないといけないかも。
「車で来られていますが、雪の日などはどうなさるんですか?」と番組のスタッフが訊ねたところ、女性の答えが驚くべきもの。
「その時は、歩きますよ」
「えっ、あの真っ暗な山道を?」
「二時間くらいかかるから、夜中の1時に家を出ますよ」
 さらりと、答える姿に、言葉を失ってしまったのは、私だけじゃないはず。こんな凄い人が、本当にいるんだ……。
そして、「他の兄弟たちは、皆家を出てしまったけど、私は親を見なければならんかったから、ずーっとここにいた」と言い、「外の世界は怖い。ここが一番いい」とも女性は言っていたのだけれど、こんな人生もあるのか……。

そして、昨夜見た「こんなところに日本人」では、イスラエルの危険な国境地域に一人住む日本人女性を特集していた。TV画面に映る土地の映像は美しく、内戦の傷跡などはほとんど見られなかったのだけれど、かの女性が住んでいるのは、旧約聖書に出て来る名前を思わせる村で、その役場で働いている。
いかにも一人で頑張って働いてきたという雰囲気の、中年女性が画面に映し出されていたが、年齢を見ると私と同じ年。
いっそう興味が湧いてきて、熱心に見る。
彼女は、数か月の滞在のつもりで、やって来たのに、すっかりここでの暮らしが気に入り、すでに20年いるのだそう。キブツのメンバーにも迎え入れられ、そこで支給された居心地のいい一軒家にも住んでいる。
独身のまま、村のキブツで働いているというのだが、「ここで骨をうめるつもりです」という女性の表情は、きっぱりしていて、こちらが何か意見を挟むのを拒否するような強さがあった。

「小説なんか読むより、ずっと面白いわ」――これらの番組を観ての感想だけれど、人々の人生模様って、万華鏡のように複雑精巧で、一つとして同じものがない。そのことが、素晴らしい!

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