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ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

アルベール・カミュのこと

2020-06-01 12:13:43 | 本のレビュー

 

今、カミュの「ペスト」がブームになっているとかで、色々なところで見聞きする。

でも、私果たして、この本を読んだことあったかな? あったような、なかったような……。

十代の頃、かなりカミュという作家のファンで、「異邦人」はもとより、「シジュフォスの神話」「転落/暗い王国」「カリギュラ」も読んだし、彼の若き日の創作ノート「太陽の讃歌」、習作の「幸福な死」まで読んだことをはっきり覚えているのに、「ペスト」の記憶だけが、すっぽり抜け落ちている。

たぶん、「疫病の話なんて、イヤだな」とばかり、スルーしてしまったのだろうと思う。だから、今回読もうかと思ったのだけど、だいぶん老化しているせいか、少し硬い本や、難しい本が読めなくなってしまっている私。

実言うと、以前、東京の知人の方から、カミュの未完の遺作である「最初の人間」を送って頂いたのに、まだ読めておりませぬ💦(でも、いつかは絶対読むわ)

       

それしても、今カミュの名前を聞くなんて、とっても新鮮でかつ懐かしい気がする。時代は次々に移り変わってゆき、カミュの本の目印としていた新潮社の銀色の表紙の文庫本なんて、久しく目にすることもなくなっていたようだから。サガンの美しいマゼンタ色の背表紙とベルナール・ビュッフェの絵がついた文庫本が、とうの昔に書店から消えてしまったように。

「太陽の讃歌」の明晰で、しかもリリシズム溢れる断章の数々を、本当に久しぶりに思い出してしまった私。 いつか、また機会があったら、書庫の奥から探してみようかな?