ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

高原の休日2

2016-06-08 22:33:07 | 旅のこと
軽井沢から、群馬を通って那須へ。
その途中、足利フラワーパークへ寄りました。あんまり、期待していなかったけど、意外やすごくスケールの大きな花公園!

              これ、モネ邸のスイレン池の橋を思わせそうですが、この橋の上を覆っていあるのは藤棚。 ここは、藤の花で有名だそうで、園内にはあちらこちらに、大きな藤棚があるのですが、残念、開花はすでに終わってる。
でも、やはり綺麗ですね。こんな風に池に浮かんだ水連も、小さな丸い円にまとめてあったりして…。
    
  大きな薔薇園もあり、(薔薇が好きというのは、あまりにもフツー過ぎて抵抗があるのですが)、その中には、こんな風に外側の縁取りだけ赤いという麗しき薔薇も(品種名、確認するの忘れました)。

 そして、やってきた那須。ここへ来るのは、初めてであります。宿泊するのは、あの「二期倶楽部」。
これは、フロントの玄関のところに生けられていた花ですが、とってもトレ・ボー。 
      
 別のところでは、まるでサラダボウルのようにグリーンの植物がレイアウトされて、これもステキ。 


               
二期倶楽部は、那須の深い森の中、ヴィラ形式で、部屋部屋が並びます。 部屋といっても、まるでコンパクトな小さな家のよう! 上品でシンプルなメープルの色調の木製の家具、窓から見える緑の木々と流れる霧――ひそやかな時間を感じさせます。 そして、食事がとてもおいしかったのです。  

夕食に出された和食はモダンな懐石(多分。懐石料理って、食べた事ないので)調で、皿と料理の色どり、味覚がすべて、美感に訴えてくるような感じ。梅山豚(メイ・シャントン)とういう豚肉のお料理が忘れられない美味しさ。う~ん、写真に撮っておきたかったのですが、あいにくカメラをレストランに持っていくのを忘れてしましました。
この頃になると、滞在を楽しんでリラックス。

到着した当初は、あまりに森が深く、森閑としていて、部屋に置かれた、「二期倶楽部」編集の冊子も意識が高く、落ちつかない気分だったのだけど(ここでは、「三つの椅子」や「山のシューレ」といった冊子が出されていて、学者や文化人が、思想を語り合うという高尚な趣。この高級リゾートには、確固たるポリシーや思想があるようです)。
 ここでは、毎年夏、数日間だけ、「山のシューレ」(ドイツ語で学校という意味)というものが開かれていて、色々なワークショップも催されているらしいのですが、この前あったという、「粘土板を自分で作って、五千年前作られたヒエログリフと並ぶ最古の文字、楔形文字を彫る」ワークショップ。面白そうだなあ。

    

楽しみにしていた、翌朝の朝ごはん――洋食のブッフェだったのですが、あまりのレイアウトの美しさ・美味しさに感動。
  食って、幸せっていうことなんだ。



         
 「那須ステンドグラス美術館」も素晴らしい! 観光地によくありがちの、はりぼての建物などではなく、イギリスはコッツウッォルズ地方の蜂蜜色の石として知られるライムストーンで建てられた本格派。 


入り口の鉄製の門も照明もすべて、英国から運ばれたもの。館内を彩るステンドグラスは、中世のものではありませんが、19世紀末から、20世紀初めにかけてつくられた美しく繊細な芸術品! マナーハウスを思わせる、アンティークの重厚な家具やファブリックのソファ――ライムストーンの壁には、輝くばかりのステンドグラスが。

う~ん、まるで日本じゃないみたい。こういうところ(だけ)趣味を同じくする母と私は、「幸せだなあ」とため息。展示するのが、味気ない空間でなく、マナーハウスの小部屋を思わせるような美しい部屋に分かれているのも、良かった。

雨こそ降らなかったものの、曇りで霧が漂っていた那須。ステンドグラス美術館の建物も霧に包まれ、ロマンチックな雰囲気満点でありました。


そして、帰宅すると夏椿の花が咲いていました。まるで、私たちの帰りを待っていてくれたみたいに

高原の休日 1

2016-06-08 22:07:34 | 旅のこと
那須と軽井沢へ二泊三日の旅行へ行ってきました。
観光列車「ろくもん」に乗るため、新大阪から幾度も列車を乗り換えて、長~い時間かけて軽井沢へ行くという変則的スケジュール。

でも、でも、「ろくもん」良かったです!
    
水戸岡鋭治デザインの車体は、戦国大名真田家をイメージした赤色。 同じく真田家の家紋である六文銭やつばくろの意匠があちこちに生かされ、綺麗。

      
列車内は、二人がけのテーブルと椅子が並ぶ小さな個室状になっていて、そこで時間をかけながらお料理も楽しめる、という趣向。でも、駅弁の豪華版くらいかな?と思っていたら、さにあらず。きちんとした料亭のお料理が運ばれてくるのでありました。 美味!  最後には、車内で点てられたお薄とお菓子(黒糖風味の水ようかんでした)まで席に運ばれてくるという凝りよう。

沿道の駅にとまるたび、少し長めに停車して、地元名産の食べものを買うことができたり、ホームには戦国の鎧をかぶった駅員の方がいるなど、「盛り上げ」ムード満点。
そして、列車がホームを滑り出すたび、手を振ってくれる地元の人々……う~ん、観光列車といっても、こんな風に有名デザイナーに依頼したり、地元で盛り立ててゆくって、素晴らしいなあ。プロジェクトって、やはり大切。


                           
ようやく着いた軽井沢。その手前から、風向明媚な高原の風景や洒落た洋館などが、車窓の向こうに広がり、以前、やはり列車でやってきた時の思い出が広がり、わくわく。

しか~し、であります。泊まるホテルは、駅から大分離れたところにぽつんとあるもの。到着したのが、まだ4時半ごろだったので、旧軽井沢の方へ散歩に出たいと思い、タクシー代をフロントで聞くと、た、高い! あきらめて、ホテルで過ごすこととなりました。くっ、ここまで来て、もったいないもんだ。


 正直言って、レストランの大きなガラス張りの窓から見える浅間山の眺望が素晴らしいだけの、料理もさっぱり美味しくないホテルでありました。母と、以前やってきた軽井沢の思い出を語らいあっていると、ストンと眠気が……。
高原の夜は深いような気がします。