ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

猫の世界へようこそ

2015-12-23 11:17:03 | ノエル

昨日、部屋にいると、下から母が「とっても素敵な小包が届いているわよ!」と呼びかけるのでした。「はて?」と首をかしげて、降りて行ったら、御覧の通りの大型封筒が!

これは、凄い! 住所と名前の回りには、キラキラシールがてんこもり。切手も、意匠をこらしたデザイン性あふれるものだし、何より、「メリークリスマス」と白いカッパープレート体で、書かれているのが(ホントの直筆)、真心あふれるという感じなのであります。

さて、中を開けてみたら、こんなものが――うわっ、猫の大型ブロマイドか、と思いきゃ、2016年度カレンダー。

こんな風に続きます。送り主は、カリグラフィー仲間のNさん――ペットの「アイシス嬢」を可愛がっているとは知っていたけれど、手製のカレンダーまで作っているとは、恐るべし……。

以前から、思っていたけれど、Nさんって、面白い性格しているなあ……。では、このカレンダーは、有り難くいただいて、パソコン前のコルクボードに貼らせてもらいますです。
来年から、目の前には、まばゆい猫の世界が繰り広げられることになるのかな?(申年じゃなかったのか?)
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ひそかな夢

2015-12-23 10:48:06 | アート・文化

これは、大学時代購入した、写真集。ギリシアの島々の家と内部のインテリアを美しく撮った、大判の写真がずらりと並んでいます。今は昔、渋谷の東急文化村には、パリのカフェ・ドゥ・マゴのカフェが出店していて、深い緑の椅子やテーブル、カフェに添えて出される小さなチョコにも、「カフェ・ドゥ・マゴ」のシンボルが描かれ、そこはかとない雰囲気があったもの。 そのそばには、ガラス張りの外国語専門の書店があり、時々のぞきに行っていたものだけれど、その中に、この「グリークスタイル」と題された、美しい写真集があったのでした。


もともと、写真集なんていうものは、少ししか持っていないし、それほど趣味もないのに、この本にだけは、どうしようもなく惹きつけられてしまい、重くかさばるのに、袋に入れられたものを、よっこらしょと持って帰った記憶が――。


白い家々に、青く塗られた窓。エーゲ海の鮮烈なイメージとあいまって、ギリシアは子供の頃から憧れていた国。いつか、旅したいものだと思いながら、今も夢を果たせていません。中には、英文の説明とともに、様々な家々が映し出されているのですが、白い家に住んで、白い屋上のベランダ、そこには、白いハンモックがかかっているのを見た時は、「わあ、この家の人は、こうやって、夜空の星を見るのかしら?」ととてもうらやましく思ったもの。  向こうの言葉では、「タベルナ」というらしいのですが、島のレストランの中庭や外には木が茂り、その下にチェック模様のクロスを敷いたテーブルにのったムサカや、ブドウの葉に包んだ肉といった料理をほおばるのなんて、とてもやってみたいこと。
ランタンのような照明に灯がともるころ、エーゲ海も、ホメロスが歌ったような「葡萄色に染め上げられた」ものになっているかもしれません。



そして、これが一番好きなページ。下宿していた部屋で、幾度繰り返し眺めたわかりません。夜の帳が降りようとしている空の下、明かりの灯り始めた島――私は、この写真を見ると想像してしまうのですが、この家々のどこかには、海洋学者が住んでいて、島の夕刻をぼんやりと楽しんでいるのかもしれません。彼(私は、海洋学者をまだ30代の若い人のようにも、初老の女性のようにも思うのですが)の部屋には、世界中の海辺で取った貝殻が並べてあるかもしれないし、そこはやっぱり、白い家かもしれない――遠い国の、遠い場所に誰か親しい人がいるような、不思議な気分です。
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