これが、もう一つのノエルの本棚というか、離れの本棚です。写真に収めきれず、右半分は写っていませんが・・・(本だけでなく、飾り物やCD,愛犬の写真、テディ・ベアなどもおかれているので、本当の意味の本棚とは言えないです)
最近、書店で本を買うことがめっきり少なくなりました。というよりも、久しい以前から、買う本は文庫本を月に数冊ぐらい。先月はその文庫本さえ買わず、高橋留美子のマンガ「境界のRINNE]とか、青山剛昌の「名探偵コナン」のマンガを買っただけという始末。でも、家には今まで買った本がわんさとあり、いいかげんその始末に困っています。
書斎の本棚にもずらりと本があり、門の横の小屋は簡易の書庫と化しています。本というのは、書店で「これ!」と思うものをGETして、家に持ち帰り、読む瞬間は幸せなのだけど、読み終わったら無用になってしまうことがほとんど。もう一度、読みなおしたいという本はなかなかなく、ずっと手元に置いておきたいと思う本は100冊あるかないか・・・。まして、「終生の愛読書」なんて言えるようなのは、十数冊くらいでしょうか?
その手元にずっと置いておきたい本の一つ中田耕治「ルクレツィア・ボルジア」。イタリアのルネサンスを彩った人物の一人というより、チェーザレ・ボルジアの妹といった方がわかりやすいでしょうか?法王の息子として生まれたチェーザレ・ボルジアは、イタリア統一を目指し、策略をめぐらし(そうした中に、「ボルジア家の毒薬」として知られる暗殺もあったわけですが)、その一つとして妹を、有力貴族の元に嫁がせたりした訳です。
それだけだったら、よくある話ですが、この兄妹がともに美しく、近親相姦の関係にあったというのだから、妖しくもドラマチックな展開になるわけ(こういう話、私だけじゃなく、結構皆興味を持つんじゃないかなあ?)。中田耕治という方は、作家というより、翻訳者とかルネサンス研究者といった方が近いようですが、ここに描かれたイタリアの風景や風俗の詳細さ・美しさはため息が出るほどです。スピアーコとかフェラーラとか、ありきたりのイタリア観光では行かないような地名さえ、「とても、美しい土地」として私の中でインプットされ、初めてこの本を読んでから25年くらいの間、ずっと覚えているくらいです。
それにしても、ルネサンスという時代は本当に華麗。建築や美術や、風俗に至るまで一つの人類文化の到達点を見るようです。そして、その中を魅力的なボルジア家の人々が通り過ぎていったわけなのですね。私も、いつかイタリアを時間をかけて(一か月くらい?)旅してみたいと思っています。ずっと昔、学生時代旅した時、アッシジの町やウンブリアの緑の野に心震わせられるくらい感動したものですが、豊穣の土地イタリアは尽きることのない魅力をたたえているはずですから。
本棚の話題だったはずなのですが、筆が飛んでイタリアまで行ってしまいました。