古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

大分市・小牧山6号墳

2007-07-21 14:32:45 | Weblog
大分市松岡小牧山の丘陵尾根上にあります。
全長45m、 後円部径24~28m・高さ3.6m、 前方部幅12m・高さ2m の前方後円墳です。
墳丘には葺石が施されています。
1994年、大分市教育委員会が大掛かりな発掘調査を行っています。
そのときくびれ部付近から、大量の壷形埴輪が出土しています。
このことから墳丘には、埴輪の配列がなされていたものと見られています。
4世紀後半の築造と推定されています。
後円部にある埋葬施設は、箱形石棺で埋葬されていたそうです。
石材は、薄緑色の板状結晶片石で、佐賀関半島から坂ノ市南部にかけて分布しているものです。
大野川下流域での前方後円墳は、この古墳しかありません。
小牧山古墳群を構成しています。


「小牧山古墳群」
小牧山の自然の地形に合わせて、尾根伝いに7基の古墳があります。
古墳群すべてが古式古墳で、墳丘の保存状態も築造当初の状態を維持しています。
頂上から麓への350mほどの間に、1号墳(方墳)・2号墳(円墳)・3号墳(円墳)・4号墳(方墳)・5号墳(方墳)・6号墳(前方後円墳)・7号墳(円墳)と並んでいます。
1ケ所に三種類の古墳が近接してある、非常に珍しい遺跡です。
特に方墳は、古墳発生期の方形周溝つきの低墳丘墓で、しかも3基も群集しているところは大分県内ではここだけです。
江戸時代、厚い小牧山信仰があり、頂上付近(2号墳)には、「祇園さま」と称する祠があり、五穀豊穣を願う雨乞いの儀式も行われていたそうです。
7号墳からは、直径66cm、鏡背の中央に紐を通す穴を持ったつまみのある、平縁式内行花紋鏡(約1700年前ー3世紀頃ー中国・魏朝で造られたもの)が出土しています。

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