古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

奈良県橿原市・新沢千塚古墳群109号墳

2015-11-07 08:20:11 | Weblog
奈良県橿原市川西町北ノ脇の丘陵上にあります。
新沢千塚古墳群・北群のほぼ中央です。

全長28m、 後方部一辺長15m・高さ2m、 前方部幅12m・高さ1.5m の前方後方墳です。
前方部を南東方向に向けています。
後方部は盛り土で、前方部は地山を利用していて盛土ではありません。













墳丘に種類ははっきりしていませんが埴輪の配列がなされていました。
1964年(昭和39年)に発掘調査が行われています。
後方部墳頂と前方部墳頂に埋葬施設があります。

後方部にある埋葬施設は盗掘を受けていて、大きく破壊されていたそうです。
木棺が直葬されていたようです。
鉄製の刀子1点が出土しています。

前方部にある埋葬施設には割竹形木棺が直葬されていたようです。
棺内からは半円方格画文帯神獣鏡・倭製珠文鏡・鉄剣・挂甲1領(騎馬用)・金製垂飾付耳飾・銅製三環鈴 などが、棺外からは平縁変形獣文鏡・鉄刀・槍先・鉄鉾・鉄鏃・長頸鏃・横矧板鋲留短甲1領(歩兵用)・ガラス製小玉約300個 などが出土しています。
副葬品の多くが武器・武具であることから、武人が埋葬されていたものとみられます。
全国的にみてもほとんどの古墳では後方(円)部が主体部ですが、この古墳に関してはその出土品の内容から前方部が主体部とみられています。
出土した副葬品の数は、126号墳(長形墳)に次ぐ多さです。

古墳時代中期・5世紀後半頃の築造と推定されています。

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