古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

愛知県犬山市・東之宮古墳

2013-12-21 07:58:32 | Weblog


          

                (後方部から前方部をみています)


                (前方部から後方部をみています)

愛知県犬山市犬山北白山平7、白山平山(海抜136m)の山頂西端にあります。
大本山成田山・名古屋別院大聖寺の奥の細い道から登りました。
「瓢箪山古墳」と呼ばれることもあります。
前方部西端の一部が崩落していますが、ほぼ完全な形で残っています。
前方部傍には「東之宮社」があります。


全長78m、 後方部一辺長48×49m・高さ8m、 前方部先端幅43m・高さ6m の前方後方墳です。

墳丘の周りに周濠はありません。
また造り出しもありません。
墳丘には角礫による葺き石が施されています。
埴輪の出土がなく、墳丘に埴輪の配列はなかったものとみられます。

昭和48年8月(1973年)、発掘調査が行われています。
主体部が二つ確認されています。
後方部頂にある埋葬施設は、竪穴式石室に割竹形木棺が収められていました。
石室は、凝灰岩と花崗岩で造られていて、全長4.8m・幅0.96m・高さ1.2mあります。
内部の壁全体に、ベンガラの鮮やかな赤色が塗られていたそうです。
中国製吾作名重列二神二獣鏡、中国製波紋帯三神三獣鏡、中国製天王日月唐草文帯二神二獣鏡、中国製唐草文帯三神三獣鏡、倭製方格規矩鏡、倭製四獣形鏡、倭製人物禽獣文鏡 など舶載鏡5面・仿製鏡6面 計11面、硬玉製勾玉3点、碧玉製管玉137点、車輪石、石製合子2点、石釧3点、鍬形石、鉄剣、鉄刀9振、鉄槍、鉄鏃6点、短冊形斧や袋形斧など6点、針 などが出土しています。
これら出土品はすべて重要文化財に指定されています。

前方部にある埋葬施設も竪穴式石室です。

平成17年度から継続して今も範囲確認・測量調査が行われています。
その結果、この古墳は山を平らに削り、その上に土盛りして造られていることが判りました。

古墳時代前期・4世紀前半ころの築造と推定されています。
愛知県下で発掘調査された古墳としては、最も古いものです。

昭和50年7月19日、国の史跡に指定されています。

墳頂に登ると、近くにある「犬山モンキーセンター」の猿たちの泣き声が聞こえてきます。



            (前方部先端部)


        (前方部から後方部をみています)

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