古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

大阪府茨木市・紫金山古墳

2017-02-11 08:11:53 | Weblog
大阪府茨木市室山1丁目、茨木川と勝尾寺川にはさまれた北大阪警察病院の第二駐車場北東側・標高約70mの台地上です。



昭和22年、警察病院の水源地の施設を造ろうとした際、石室の一部が露出して発見されたものです。
今も後円部そばには、その名残の約10mの長方形をしたコンクリート製の塊があります。
下の写真の右側、立て看板後ろに見えているのがそれです。


この年5月には京都大学と大阪府の発掘調査が、平成4年(1992年)には大阪府教育委員会による二次調査が行われています。

全長110m、 後円部径76m・高さ7m、 前方部幅40m・高さ10m 三段構築の前方後円墳です。
前方部を西に向けています。


                         (後円部)





                        (前方部)

墳丘には葺石が施されていたようです。
円筒埴輪などが採取されていて、墳丘に埴輪の配列がなされていました。
鰭付円筒埴輪の中には翼状のものもあったそうです。
後円部中央にある埋葬施設は、長さが7.1m・幅1.1m・高さ1.2mの竪穴式石室で割竹形木棺が収められていました。
石室の天井石は7枚の花崗岩からなり、また側壁には安山岩と片岩が使われています。
床には礫層の上に粘土が分厚く敷かれているそうです。

棺内からは、中国製方格規矩四神鏡1面・勾玉4個・棗玉4個・管玉20個などが出土しています。

棺外からも、唐草文帯三神三獣鏡や勾玉文鏡など11面の鏡・直弧文を彫ったものなど貝輪3・鍬形石6・車輪石1・竪矧板革綴短甲などが出土しています。

石室の棺周りからは、鉄刀21・鉄剣11・鉄製短刀4・鉄鏃153・鉄斧6・鉄製鑿4・鉄製錐4・鉄製鎌6・石製紡錘車3などが出土しています。
権力の象徴とされる儀式用の宝器の一部である筒型銅器もあります。

石室以外からも鉄刀16・鉄剣21・鉄製馬鍬1などが出土しています。

古墳時代前期・4世紀中頃の築造と推定されています。

国の史跡に指定されています。

なおこの古墳は前方後方墳の可能性も指摘されています。

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