古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

宮崎県西都市・西都原古墳群81号墳

2010-03-27 08:05:45 | Weblog
宮崎県西都市三宅酒元之上の台地上にあります。
第二古墳群の南端にあり、唯一この古墳だけが前方部を北に向けています。

全長53m、 後円部径33m・高さ4~7m、前方部幅18m・高さ2m の前方後円墳です。
墳丘に葺き石は施されていません。
前方部前面を除いて、浅い周溝がめぐらされています。
後円部の中段に平坦面があります。
後円部南側に突出状の造り出し(長さ12m・幅約10m・高さ約2m)があります。

2004年度から2005年度にかけて、宮崎大学・柳沢教授らによって発掘調査が行われました。
2004年度の調査で、墳形の基本形が奈良県桜井市にある纏向石塚古墳と、極めて似ていることが分かりました。
西側くびれ部から、舟形木棺と箱型木棺の痕跡も見つかっています。
また後円部の墳頂南側付近から、葬送儀礼に使われた土器片(布留0式と想定)が見つかりました。
このことから、「この古墳が卑弥呼の時代・3世紀中ころの築造で南九州最古級の前方後円墳」かと、大きく新聞等で報道されました。
しかし、2005年8~9月の発掘調査で、多量の土器片が出土しました。
調査の結果、「葬送儀礼に使われた土器片は布留1式と判明し、81号墳は4世紀初頭前後の築造と推定される。」と訂正されました。
このときの調査で、弥生墳丘墓や前期古墳でみられる土器棺も見つかっています。

 (写真の上にマウスを移動しクリックすると、複数の写真をみることができます。)






第二古墳群(上記地図の黄色の部分)には、前方後円墳10基(大半が柄鏡式)、円墳26基があります。
西都原台地東側の縁に沿って、ほぼ一列に並んで(南から北へ、81号墳→83号墳→88号墳→90号墳→91号墳→92号墳→95号墳→100号墳→109号墳、99号墳は95号墳に並列)造られています。
台地下の集落を見下ろす位置です。
100号墳→91号墳→81号墳→88号墳→92号墳→95号墳→90号墳→99号墳→83号墳→109号墳の順に造られたようです。

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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2023-09-24 14:27:42
 素晴らしい写真
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