古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

奈良県天理市・柳本大塚古墳

2008-11-22 08:38:11 | Weblog
奈良県天理市柳本町大塚の丘陵縁辺にあります。
渋谷向山古墳(景行天皇陵)から西へ約500m、上つ道から少し入った所です。
全長64m、 後円部径54m・高さ7.6m、 前方部幅29m・高さ3.4m の前方部を南に向けた柄鏡式前方後円墳です。
墳丘の周りには幅約30mの盾形をした周濠があります。
墳丘には葺き石が施されていたようです。
今、前方部には槙などの植木がいっぱい植えられています。

後円部中央にある埋葬施設は、竪穴式石室です。
長さ2m、幅1.2mの舟形の刳抜式木棺が納められていて、中から銅鏃や鉄器が出土したそうです。
また別に小石室があり、そこから径が39.7cmの倭製の内行花文鏡が出土しています。
倭製内行花文鏡の中では初期に造られたもので、しかも内行花文鏡としては最大だそうです。

古墳時代前期・4世紀前半の築造と推定されています。
畑の隅の一角にあり、ほぼ何所からでも観察できます。
柳本古墳群を構成しています。

「追記」
明治時代に盗掘され不明になっていた木棺の蓋が、このほど見つかったそうです。
橿原考古学研究所の岡林総括研究員らが大正時代の雑誌の記述から、桜井市にある宗教法人大神教の本殿拝殿の額であることを突き止めたのだそうです。
拝殿正面に「大神教」と書かれて飾られているそうです。
長さが約2.8m、幅約80cmあるそうです。
今後は、年代や材質について科学的に調査・分析が進められるそうです。
(2009.1.28)



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