古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

奈良県桜井市・ホケノ山古墳

2008-09-27 09:37:22 | Weblog
奈良県桜井市箸中ホケノ山636、箸墓古墳後円部北東約200mの丘陵上にあります。
JR桜井線・巻向駅からは歩いても15分ほどです。
纏向遺跡の南東端にあります。
前方部を南東方向に向けています。
全長90m、 後円部径60m・高さ8.5m、 前方部幅25m・高さ3.5m 三段構築の帆立貝式前方後円墳です。
墳丘の周りには、幅10.5m~17mの周濠があります。
墳丘には葺き石が施されていたと見られています。
埴輪の出土はありません。
この古墳の中心主体部は、後円部中央に「二重の木槨」があり、長さ5m、幅1mのコウヤマキ製の刳抜式木棺が納められていたそうです。
「二重の木槨」とは、本来の木槨部分の周囲に、更に石を積み上げて造った二重構造のもので、わが国では初めて確認された埋葬施設だそうです。
石は近くの纏向川で採取されたものと見られています。
出土品として、二重口縁壷20体以上、中国製画文帯同向式神獣鏡1面、中国製内向花文鏡片、素環頭大刀1口を含む鉄製刀剣類10口、銅鏃60本以上、鉄鏃60本以上、農工具などの鉄製品多数があります。
二重口縁壷は、「二重の木槨」の上に長方形に整然と並べられていたと考えられています。
前方部東斜面にも埋葬施設が確認されています。
組合式木棺が納められていたそうです。
木棺内部からは水銀朱が検出されています。
埋葬施設から複合口縁の大型壷、底部に穿孔のある広口壷が出土しています。
この埋葬施設は、墳丘が完成した後、葺き石をはがして掘り込んで造られているそうです。
この古墳の築造時期は、出土した二重口縁壷や画文帯同向式神獣鏡、特殊な木槨などから考えて、箸墓古墳よりは古い3世紀中頃と推定されています。
葺き石の施されている前方後円墳では、最古の古墳と言われています。
弥生時代の墳丘墓から、古墳時代前期の前方後円墳の間の中間に位置する古墳と見られています。
長さ5m、幅1mのコウヤマキ製の刳抜式木棺は、3世紀中頃より以前のものとしては最も長い木棺です。
墳丘は一部観察しにくいところもありますが、ほぼ何所からでも観察できます。
私が訪ねたときは、数名の方が墳丘の草刈に、汗を流しておられるところでした。



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