古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

奈良市・大安寺杉山古墳

2013-07-27 08:43:41 | Weblog


奈良市大安寺4丁目の旧大安寺境内にあります。
旧境内の隅にあって「隅山」と呼ばれていたのが、いつしか「杉山」になったそうです。

天平19年(747年)の「大安寺伽藍縁起并流紀資財帳(ダイアンジ ガランエンギ ナラビニ ルキシザイチョウ)」に「一坊池并丘」としてこの古墳が記されています。
この付近は、当時和邇氏の勢力圏だったことから、和邇一族の有力者の墓だった可能性もあります。
この古墳は奈良時代(8世紀)に、南都七大寺の一つである大安寺がここに移転してきたときに、その境内に取り込まれたものです。

全長154m、 後円部径84m・高さ11.2m、 前方部先端幅95m・高さ9.5m  三段構築の前方後円墳です。

      (手前の後円部から右側の前方部をみています)

       (左側が後円部です)

墳丘の周りには、幅約30mの盾形をした周濠が巡っています。
かって周濠はレンコン畑として利用されていたそうです。
さらにその外側に堤があります。
左側くびれ部には、14×21~24mの造り出しがあります。
墳丘や外庭には葺き石が施されていたようです。
円筒埴輪や朝顔形埴輪・家形埴輪(切妻造りの平屋)・蓋形埴輪・盾形埴輪・人物埴輪・動物埴輪 などが採取されていて、墳丘に埴輪の配列がなされていました。


1990年に発掘調査が行われています。
前方部南斜面から、瓦を焼くための窯跡が見つかっています。
窯は6基あるそうです。
奈良時代から平安時代にかけて、大安寺の瓦を焼くために用いられていたそうです。
現在古墳のすぐそば(南西)に2号瓦窯が復元されています。

古墳時代中期・5世紀中頃の築造と推定されています。

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