古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

静岡県静岡市・三池平古墳

2016-12-17 08:43:19 | Weblog
静岡県静岡市清水区原三池369、庵原川と山切川に挟まれた標高55mの丘陵尾根先端にあります。
清水ナショナルトレーニングセンターの南隣です。







全長68m、 後円部径39m・高さ4.7m、 前方部先端幅35m・高さ3.4m  三段構築の前方後円墳です。
一段目は、丘陵の斜面が下がっていく南西方向にだけ設けられています。


この古墳は昭和31年に発見された古墳です。
昭和33年に発掘調査が行われています。
後円部中央に主体部があります。


安山岩の板石を小口積みして造られた全長2.85m・幅0.7~0.8m・高さ0.67mの竪穴式石室で、刳り抜き式の割竹形石棺が収められていたそうです。
石室内及び石棺の内面には朱が塗られていたそうです。
人骨・倭製変形方格規矩四神鏡・倭製変形四獣文鏡・筒形銅器・帆立貝形石製品・紡錘車形石製品・鉄刀・鉄剣・鉄鏃・刀子・鏨・鑿・鉄斧・鉄鋤先・鎌・ガラス製勾玉・碧玉製管玉・ガラス製小玉・碧玉製車輪石・碧玉製石釧 などが出土しています。
人骨は比較的若い男性のものとみられています。
石室からくびれ部付近に向けて、排水溝が設けられていたそうです。
現在は墳丘上に復元されています。


造り出しはありません。
壺形埴輪などが採取されていて、墳丘に埴輪の配列がなされていました。

古墳は発掘調査後に、古墳公園として復元整備されて公開されています。

古墳時代中期・5世紀前半頃の築造と推定されています。

平成13年3月15日、静岡県の史跡に指定されています。

静岡県静岡市・神明神社古墳

2016-12-17 08:21:45 | Weblog
静岡県静岡市清水区袖師町神明、庵原川右岸の標高約13mの丘陵頂部にあります。
「神明宮」の裏です。


「神明山1号墳」とも呼ばれています。

全長72.6m、 後円部径40.8m・高さ5.4m、 前方部先端幅30m・高さ5.4m  の前方後円墳です。











静岡大学の発掘調査で多数の古式土師器が出土し、また前方部が奈良県桜井市にあるあの「箸墓古墳」同様、三味線のバチのように先端に向かって曲線的にひろがっているのが確認されました。
このことによりこの古墳の築造時期が古墳時代前期・4世紀前期前葉頃のものと推定されました。
静岡県下で最も古い時代に造られた古墳とみられています。
その前方部は神社拝殿などにより削平されています。

神明山古墳群(5基のうち2基が現存)を構成しています。