古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

奈良県広陵町・新山(しんやま)古墳

2015-08-08 07:44:49 | Weblog
奈良県北葛城郡広陵町大塚新山の丘陵縁にあります。
馬見丘陵の南端・東麓の自然丘陵上です。
近鉄大阪線・築山駅から北方向へ500mほど行ったところです。
宮内庁が「大塚陵墓参考地」として管理しています。
全国に46か所ある陵墓参考地の一つです。
被葬者は「第25代武烈天皇」とも言われています。




                    (南東側から見た前方部)


               (後方部)




                         (後方部)

全長137m、 後方部一辺長67m・高さ10m、 前方部先端幅66m・高さ8m の前方後方墳です。
前方部を南南東に向けています。

墳丘の周りには幅2.5mの周濠があります。
現在は墳丘の東側と北側に、今も水をたたえ溜池として拡張利用されている濠が残っています。

墳丘には葺石が施されていたようです。
1981年(昭和56年)の発掘調査で、後方部北側から多数の円筒埴輪などが採取され、墳丘に埴輪の配列がなされていたようです。
1885年(明治18年)、当時の持ち主によって偶然竪穴式石室が発見されました。
組合式石棺が収められていて多くの副葬品が出土しました。
銅鏡34面(中国製画文帯環状乳神獣鏡などの画文帯神獣鏡3面、中国製三角縁銘帯式二神二獣鏡・中国製三角縁獣帯式四神四獣鏡・中国製三角縁銘帯式四神四獣鏡・倭製三角縁獣帯式三神三獣鏡など三角縁神獣鏡9面、倭製内行花文鏡14面、倭製直弧文鏡3面、倭製流雲文縁方格規矩八獣鏡・倭製獣文縁方格規矩四神鏡など方格規矩鏡4面 など)、碧玉製管玉20個、車輪石5個、石釧9個、鋤形石、勾玉127個、斧、鉄剣16振、鉄刀16振、刀子40本、中国・晋時代の金銅製帯金具24個 などが出土しています。

古墳時代前期・4世紀中頃の築造と推定されています。
馬見丘陵の中では最初に造られた古墳と考えられています。