古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

福岡県宗像市・桜京古墳

2015-01-03 18:15:04 | Weblog
福岡県宗像市牟田尻2019、釣川河口の左岸段丘(標高約45m)にあります。
国道69号線から西へ少し山道を登って行ったところです。


                     (右が後円部です)


                      (奥が後円部です)


                      (奥が前方部です)


                (後円部)



全長41m、 後円部径18m・高さ5m、 前方部先端幅11m・高さ2.5m 二段構築の前方後円墳です。

後円部中央にある埋葬施設は両袖型横穴式石室です。
石室の全長が9m、玄室の長さが4.5m・幅3m・高さ3.5m 複室構造の装飾古墳です。
この装飾古墳は、昭和46年考古学好きの地元高校生によって確認されたものだそうです。
学園祭で地元宗像の遺跡について発表するため、開口していた石室の中にもぐりこみ、入り口から約8m進んだところにある石屋形を懐中電灯で照らし、三角文を見つけたのだそうです。
当時「福岡県北端初めての装飾古墳」と大きく報道されたそうです。

1973年(昭和48年)福岡県教育委員会の調査の結果、装飾文様壁画と確認されました。
石室の奥壁に設けられた石屋形の柱石(長さ約1.7m)と奥壁に、線刻による連続三角文が見つかりました。
三角形の内部が「赤」「青」「白」の3色の顔料で塗り分けられているそうです。

雨の中を訪ねましたが、入り口はビニールシートで塞がれていて、中を観察することはできませんでした。

石室はすでに江戸時代に開口していたようです。
玄室東壁に寛文13年(1673年)5月の落書きが残っているそうです。

平成15年から17年度にかけて、宗像市教育委員会が測量調査を行っています。
その際古墳くびれ部に「第二の石室」の存在が確認されています。

古墳時代後期・6世紀後半頃の築造と推定されています。

昭和51年3月31日、国の史跡に指定されています。